『がん遺伝子を追う──発見レースの最前線』
マイケル・ウォルドホルツ著 朝日新聞社 定価2,800円
2002年12月13日第1刷発行
●帯より
ライバルを出し抜き、栄誉を目指す激しい攻防──
遺伝子の謎に迫る研究者たちの壮烈なドラマ!
●訳者より紹介文(BBSより)
レベルは一般向けです。DNAってなに?というあたりから、基本的な知識を盛り込みつつ、ストーリーはミステリーの味つけで進んでいきます。大学の教科書というようなものではなく、研究者の日常生活を含めて、研究者と研究者の競争を描いていく、いわば「人間ドラマ」です。
類書もあるのですが、この本のユニークなのは、がん家系の親族にインタビューし、研究される側の立場にも立って、物語を描いていることでしょう。ですから、あらかじめ必要な知識は、一般常識ていどと思います(途中、専門的な話も出てきますが、読み進むうちに徐々に理解が進むようになっています)。
第1章──あるミステリーの結末
膀胱がんで死亡した元副大統領ハンフリー。最先端の外科手術もその命を救うことはできなかった。だが、病巣の発見よりも数年前に行なった尿検査標本のDNAと、腫瘍塊から採取したDNAを比較してみると、おどろくべき事実が……。
第2章──サイエンス・フィクション
家系内の女性をつぎつぎと襲う乳がん。自分もいずれ……と不安に思うスーザンは、まったくの健康体にもかかわらず、両方の乳房の摘出手術を受けることにする。ところが、手術目前にして、親族のうち誰の乳がん遺伝子に異常があり、誰に異常がないか、明らかにする方法が見つかったという……。
第3章──「ようこそ、第17染色体へ」
疑いの目を向けられながら、乳がん遺伝子の存在をついに証明したマリー=クレア・キング。つぎは、遺伝子そのものを手に入れなければならない。世界中の研究者が、この大物の遺伝子にむかって走り出した!
第5章──ハロウィーンの出来事
スーザンの家系の女性は遺伝子検査を希望する。ところが、この遺伝子は男性にも受け継がれることに全員がショックを受ける。さらに、研究者の成果は悲劇をもたらす。異常遺伝子が受け継がれていなければよい。だが、異常が発見された場合、いまだに治療法はない! 早期発見し、摘出するのが唯一の方法である。
第8章──宝の山
キングの知らないところで、ユタ州の研究者が乳がん遺伝子に迫りつつあった。ユタ州はモルモン教の発祥地であり、教義にしたがって、大家系が多く、しかも家系図が豊富に残されている。このデータが、乳がん遺伝子の研究に大きく貢献することになる。
第12章──がん抑制遺伝子の「母」
ほぼ同時に同じ遺伝子にたどりついた二つの研究チーム。先取権を主張すべく、水面下の画策が始まり、ついに記者会見で意外な結末にいたる。
第14章──ラス遺伝子
がんの遺伝子研究をもとに薬剤を開発する──アイデアは先進的だったが、いまだ道は険しい。
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