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僕とガン-その2...11/30
手術は、鼠径部(太ももの前側付け根あたりの下腹部)を切り開いて、そこへ向かって問題のタマちゃんをグリグリ〜っと押し上げつつ、開いた鼠径部に手を突っ込んで芋掘りの要領で引きずり出すんです。タマちゃんを。そんでもってタマちゃんに繋がってる管(血管とか、精子の通る管とか)をハサミでちょっきん、とやりまして、タマちゃんを丸ごと取りました。
んで、下半身麻酔だけだったので、意識はバリバリあるわけです。麻酔と言っても、痛くないだけで、触られてる感覚とかはあるんですよ。だから、医者同士の会話とかも聞こえるし、タマちゃんをズルズルっと引っ張り出される感覚もしっかりある。
うむむ。気持ち悪いようで、気持ちいいような、不思議な感覚。
タマちゃんを取り終えて、後は縫うだけという段階になった時、「取ったの見たい?」とか言われました。「みみみ、見たいです、是非!」と即答。長年連れ添ってきたタマちゃんではありますが、直にお目にかかる機会なんてそうそうありませんからね。当たり前ですけども。
なんか、綺麗だった。薄ピンク色。
ここでお医者さん、サービスしてくれた。取ったタマちゃんを、その場でメスで真っ二つにして中を見せてくれた。サクっと。痛っ!て、いやもう僕の体からは離れてるから痛いはずないのに、なんか痛いような気がして。
これはこれは…なんとも形容し難い色あいでした。
その後の入院生活なんですけども、大学病院という関係上、回診は『白い巨塔』の如く、大名行列でズラズラーっとくるわけです。で、大勢が僕のベッドを囲んで、そこでご開陳。それも毎日です。毎日毎日僕らは鉄板の僕は大勢の前でフリチンになるんですね。
診(見)られるだけならいいんですけども、主治医と話している間に他の人が興味深そうに僕のお袋さんをぶにょぶにょさわったりするんです。完全にモルモット状態。いや、教育機関でもありますから、仕方ないですけどね、それにしても。
とまあ、色んな経験をして、退院しました。
しかし相手はガンですから、簡単にはいきません。今でも3ヶ月に一度のペースで、腹部・胸部CTと血液検査は欠かせません。転移とか再発とかしていないかどうか診るために。
以上、僕のガンのお話でした。まる。
僕とガン-その1...11/29
えと、思い出話をひとつ。
実は僕、ガン患者なんです。
2年ほど前、当時27歳でしたか、いきなりガン宣告されまして。
何?どこのガン?とか訊かれるとちょっと答えにくいんですけども、えと、その、あそこです。
男子の一番大事であるところの、タマタマ。
つまり、精巣ガンです。
いやーびっくりしましたね。ある日シャワーを浴びていたときに、ふと「あれ、なんか片方だけ大きいな」「硬い…ゴリゴリしてる…」とか思って。速攻で近所の泌尿器科へ行って触診やらエコー検査やらやった後、いきなりガン宣告でした。
「ありゃーこれガンだわ。取らなきゃダメね」
なんちゅうかその、ガン宣告ってもっとこう、ドラマチックにですね、「気を確かに持ってください…あなたの病気は…」とか、「ご家族は…」とか言うもんかと思ったら、全然違った。
「ウチではオペできないから、大学病院に紹介状書いとくね。緊急オペになると思うから、早く行ってねー」
なんか、ノリが軽い。こっちはひとりぼっちでガン宣告受けて、さすがにちょっと動揺してるのに。でも言ってる内容は結構深刻そうで。
結局その後某大学病院にて緊急手術を受けまして、片方のタマちゃんを取り除きました。
ひとりぼっちのガン宣告、ひとりぼっちの闘病生活。ちょっと心細かったけれど、これがなかなか貴重な体験となりました。
その2に続く。