ジョン・ゾーン[管弦楽・室内楽]
 
ジョン・ゾーンはサックスを吹く一方、作曲家として管弦楽作品や弦楽四重奏曲等を書いている。
意外と知られていないようだ。ちなみに私が最初にジョン・ゾーンを知ったのはこのジャンル。
クロノス・クァルテットの為に書かれた曲が何曲かある。


・・・・・"SPILLANE(TZADIKじゃない方)"とクロノス・クァルテットの"冬は厳しく"に収録。
→ こちらを参照。
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(演奏者・・・多すぎるんで略。)

1.For Your Eye's Only "Christabel" 2.part 1 3.part 2 4.Carny
"Angelus Novus" 5.peshat 6.tzomet 7.aliya 8.herut 9.pardes


ジャケット特徴:
このコーナーで取り上げるCD共通の特長としてジャケット裏には楽譜(らしきもの)が書いてある。1曲目のタイトルに引っかけたのか、表は目ん玉がびっしり描かれた球体。



1曲目は中オーケストラ作品。曲想がめまぐるしく変わるがなかなか楽しい。ドタバタコメディかアニメーションの付随音楽みたいな感じ。
2-3曲目はフルートが4本、バスフルート1本、ヴィオラ1の編成。音の重なりが実に神秘的。
4曲目はピアノ独奏。ジャズの影響もろ。軽快で親しみやすい。
ウォルター・ベンジャミンに捧げられた最後の5曲はオーボエ・クラリネット・バスーン・フレンチホルン各2の編成。他の曲に比べれば前衛的な音の塊の表現、といったところ。7曲目は中でも異質。


このCDに収録されている曲はクラシックコンサートで演奏されてもおかしくない曲ばかり。
(とはいってもやはり現代・前衛音楽系統だな)

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1.DARK RIVER 2.REDBIRD

ジャケット特徴:
ゾーンのCDの中でも最もシンプル。すだれのような絵。
カナダ生まれの画家・Agnes Matin(中の写真の人、コメント付)に捧げられている。ジャケットはおそらく彼女の作だろう。



"DARK RIVER"はパーカッションのソロ。低音で静々と演奏される。
夜の川のイメージとしては的を得ていると思う。日本の歌舞伎で言えば、雪の振る音がこういう表現で成される。


"REDBIRD"は弦とパーカッションの四重奏。
特に劇的に変化する事も無いまま、単調な演奏が延々40分続く。
全体的に穏やか曲なんでうざったく感じる事もないだろうが・・・BGMとしては無難。全くといっていい程印象に残らない。


刺激が欲しい方には極めて欲求不満な2曲。指揮しているのは作曲者、ジョン・ゾーン。

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"Duras" 1.premiere livre 2.deuxieme livre 3.troisieme livre 4.epilogue
5.Etant Donnes 69 paroxyms for Marcel Duchamp


ジャケット特徴:
髪の毛の塊から手が生えているような・・・・?
裏面の数字と文字の羅列は楽譜と解釈すべきだろう。ケージの図形楽譜の系統か。
中のしゃれこうべを細工したような写真、小さいがグロい。



ジャケットの印象からどうも買う気がしなかったCD。
しかし中の曲(最初の4曲)は秀逸。これがジョン・ゾーンか?!と疑ること間違いなし。(Naked City等から入ってきた人には特に)


1-2曲はジャズの影響ありだが低音主体のいいムードの曲。鳥の声をさり気なく入れている。
3曲目は弦の泣きそうな音が終始耳に響く。月の出る晩のイメージ。4曲目は完全にクラシック。


最後の曲、ヴァイオリン、チェロ、パーカッションの奏者が指示にしたがって69のパターンを演奏するのだがまあ騒々しく何でもかんでもやっているという感じ。
お吸い物をちゅるちゅる吸って時々むせていたり、何かを叩き割ったり・・・
前の4曲のいい雰囲気を、ここで徹底的に粉砕。

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American Composers Orchestra
Conductor:DENNIS RUSSEL DAVIES
Piano solo:STEPHEN DRURY


1.Prelude 2.Impetuoso 3.Con Mistero 4.Languendo 5.Risentito 6.Freddamente 7.Religioso 8.Drammatico 9.Postlude 10.Coda

ジャケット特徴:
お盆の上に裸の男?が腕を振り上げて倒れている?絵。中に作品年表があり参考になる。



声楽(ボーイ・ソプラノ)付きの管弦楽作品であり、レコード店によってはクラシックの現代音楽の場所に置いてあったりする。

強いて言えばピアノ協奏曲だがいつもピアノが聞こえるわけでもないし、ソプラノもちょこっとだけ。一般的な現代音楽、それも前衛的な傾向の作品のひとつとして捉えた方がいいかもしれぬ。

明確なメロディーがあまりないし、全体的に音が小さいので印象に残りにくいのが特徴(?)。
これをジョン・ゾーンと言われてもピンと来るまい。私もそうだ。

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1.Cat O'Nine Tails Tex Avery Directs the Marquis de Sade
2-14."The Dead Man" 13 specimen for string quartet
15.Memento Mori Ignotim per ignotius - the unknown by way of the more unknown
16.Kol Nidre


ジャケット特徴:
虚空を見つめる髑髏。
中にはかなりヤバイ絵が描かれており、お子様・デリケートな方には見せてはなりません。特に女性向ではありません。



主にクロノス・クァルテットの為に書かれた作品を集めたCD。
「キャット・オー・ナイン・テイル」「デッド・マン」は、クロノス・クァルテットがレパートリーにしており耳にした方もおられるはず。アルバム"Short Stories"にも最初の曲が収録されている。


「キャット・・・」は様々なメロディーの断片を例によってめまぐるしく演奏していく。このめまぐるしさがゾーンのこの手の作品の一つの特徴といえる。

「デッド・マン」は私がゾーンに初めて出会った運命的な作品。全13曲、1分前後。この中の"Meditation"という曲、CDでは分かりにくいのだが一人の奏者が一定の音を弾いている間、他の3人は弓を思い切り素振りしている(これを切れ目無く交替でやる)という、頭が痛くなる曲。

15曲目は30分近くある曲。最後のあたりで今までに無かった透明感ある響きが聞こえてくる。

最後は珍しくメロディーがはっきりしている。曲名からして何の系統か分かる人はかなり鋭い。わからない人はジャケットの英語の解説を読んでください。

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Cartoon S/M (2枚組)
(2000, TZADIK) TZ7330
Cartoon S/M
(DISC 1) (Cartoon)
1. Cat O'Nine Tails 2. Carny 3. For Your Eyes Only 4. Kol Nidre(string quartet)


(DISC 2) (S/M)
1. The Dead Man 2. Music for Children 3. Memento Mori
4. Kol Nidre(clarinet quartet)


ジャケット特徴:
前作"The String Quartets"をお持ちの方ならすぐにピンと来る、あの助平な絵。裏も。
これじゃレジ打ってるお姉さんに見せられないだろうに。



弦楽四重奏・管弦楽の為に書かれた作品集。収録されている曲は、演奏者こそ違うがいずれも過去のアルバムに収められたもの。以下次の通り。

"For Your Eyes Only"、" Carny" → "Angelus Novus"
"Cat O'Nine Tails"、"Kol Nidre"、"The Dead Man"、"Memento Mori"
"The String Quartets"
"Music for Children" → "Music for Children"


"Kol Nidre"のようにアレンジが異なる曲(2枚目の最後の曲はクラリネット四重奏)を聴いてみたいという方や、"Angelus Novus"等が店頭で見つからなくて困っていると言う方は購入されるように。過去のアルバムと聞き比べるも良し。2枚組なのでちと高い。
まぁ、買ってしまいましたが、後悔しなかったわけじゃ…。

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Madness, Love and Mysticism
(2001, TZADIK) TZ7065
Madness, Love and Mysticism
1. LE MOMO 2. UNTITLED 3. AMOUR FOU

ジャケット特徴:
男の指を何本もくわえる、潤んだ瞳の女。異常と言えば異常。



室内楽曲作品集。フランスの作家で俳優・アントナン・アルトーにインスピレーションを受けた1曲目はヴァイオリンソナタ、ジョセフ・コーネル(ネイチャーゲームの発明者か?違う気がする)に捧げられた2曲目は無伴奏チェロソナタ、3曲目はピアノ三重奏曲。演奏時間は1曲15分から20分くらい。
今までのゾーンの室内楽曲は例えばユダヤ系だったり、様々なメロディーの細切れみたいな所があったが、この3曲はこれまでのそうした傾向とは明らかに異なる、(現代音楽の技法は十分にうかがえるが、それを差し引いても)クラシック音楽と呼んで差し支えない音楽である。白眉は2曲目。冒頭に哀切だが力強い主題が提示され、その後も端々に聞こえてくる。かなりの技巧を要求される曲で、フリードランダーが見事に演奏している。
ジョン・ゾーンを従来のネイキッド・シティーやペインキラーから離れて作曲家と言う視点で見つめ直したい人におすすめ。何回でも繰り返し聴くのが良い。


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Chimeras
(2003, TZADIK) TZ7085
Chimeras
(全13曲)

ジャケット特徴:
最初かき揚げかと思ったが、よく見ると中を舞う動物、怪物、人物像だった。



声楽を伴う室内楽音楽集。明確な歌詞を伴わない声楽とパーカッション、木管楽器に弦という編成。まぁ聴き終えて何といいますか、官能的といいますか、つかみ所が無いといいますか、前衛的といいますか…とにかく、明確な答えを見出せないんですわ、これ。
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"NECRONOMICON"
1.CONJURATIONS 2.THE MAGUS 3.THOUGHT FORMS 4.INCUNABULA 5.ASMODEUS


6.SORTILEGE
最初の5曲は弦楽四重奏曲。シュニトケの弦楽四重奏曲第2番を聞いているような激しい音のぶつかり合いを体感する。その後の楽章は静-動-静ときて、最後にまた激しい音をぶつけ合う。明確な主題みたいなものこそないが、常に心の中の熱情のようなものをほとばしらせている。H.P.ラヴクラフトの解釈としては正しいんだろうか。そちら方面に詳しくないので自信がない。最後はバスクラリネット2重奏。冒頭まるでディジェリドゥの音色を聞いているような錯覚を覚える。のっぺりした室内楽を期待したら大間違い。ゾーンの曲は常に動いている、そんな印象を受けた。これでたった30分。オススメ。
(5楽章)
5つの部分からなる声楽つき室内楽曲。ソプラノの女声を伴うが、歌詞は無い。一生懸命歌っているそばで、パーカッション担当の二人が忙しく楽器類を鳴らしまくっている。このへんは"Songs from the Hermetic Theater"にやや感じが似ている。特に風の音を出す機械ががんばっている。…まぁ、何といいますか、こういう本能に訴えかけるような曲は表現がしにくいですねぇ。トータル26分くらい。ゾーンのユニット、ペインキラーにも同名のアルバムがあるが、音楽は全く異なる。
1.ORPHEE 2.FRAMMENTI DEL SAPPHO 3.WALPURGISNACHT
ユダヤ系の音楽と一線を画する室内楽作品集。1曲目は弦楽のほかに鍵盤楽器、打楽器、イクエ・モリの電子音が加わる。2曲目は5人の女性歌手(ソプラノ、メゾソプラノなど)によるアカペラ合唱。3曲目は弦楽三重奏曲。演奏時間は1・3曲目が9-10分、2曲目が14分。1曲目は統率が取れて無さそうながらも何か美しい響きが残る。2曲目は前衛さとは無縁の美しい合唱曲。3曲目はピック音のやや多い落ち着かない、明確な旋律の無い曲。ゾーンの室内楽曲は素直に楽しむにはやや難解な面があるが、これはまだ素人には聴ける方かもしれない。
1-8 GOETIA 9.GRIS-GRIS 10.SHIBBOLETH
1-8はヴァイオリンソロの8曲からなる作品集。どれも演奏時間は短く、これといった旋律が無いため印象に残りにくい。9はパーカッションのソロ。13種のドラムを操るように指示されている。最後の曲は呪術的な要素を加えた作品。それほど活発な曲ではない。
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