ジョン・ゾーン[アジア系]
ジョン・ゾーンのかかわったCDの中で本当にアジア系の音楽、
それと日本のミュージシャンとの共演、ジャケットがアジア系なものを便宜上強引にまとめて紹介。
DEKOBOKO HAJIME・YAMANTAKA EYE: NANI NANI (1995, TZADIK) TZ7206
DEKOBOKO HAJIME(aka John Zorn) Sax, Harmonium, Guitar, Sitar, Samples YAMANTAKA EYE Vocal, Drums, Toys
1.EEP MAN 2.TEST TUBE 3.THANK YOU FOR NOT THINKING 4.PULP WARS
5.STICKY BEETHOVEN'S PIPELINE 6.LAUGHING ESKIMO 7.DAMASCUS
8.YOGA DOLLAR 9.PROPOLUTION 10.MY RAINBOW LIFE 11.BAD HAWKWIND 12.WE LIVE
ジャケット特徴:
アジアのどっかの国の仏塔?けばい。裏面は植物だか食べ物だか分からない物体がバナナの房のようにおびただしくぶら下がっている。
これらの写真、中のイラストは全てヤマンタカ・アイによる。
● アバンギャルド(人によっては「悪ふざけ」かもね)の極致。ざっと説明します。
1曲目の甘いサックスの音色を聞いて「いい曲だな」と思う暇無く発砲音。ギャーギャー。蜂の巣にされながらも(?)叫び続けるアイ。
風呂場で歌っているような3曲目。
喘ぎ声で始まる4曲目。最後豚が鳴く。
パーカッションがただやかましい、ベートーヴェンと何の関係も無い5曲目。
アイが裏声で一生懸命歌う7曲目。
シタールの音色が美しく響き、突然「フヴェーイ!」と叫ぶオリエンタルな8曲目。
辞書で引いても意味不明な表題の、ただやかましい9曲目。
大人の雰囲気のピアノ伴奏とは無縁の、薬物に苦しんでいるような(?)叫びが入る10曲目。
18分間の苦痛、11曲目。
最後にトイレに入る12曲目。
一度この面白さに気付くと、何回も聴かずにいれなくなる。悪夢のような快感。
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The Classic Guide to Strategy (1996, TZADIK) TZ7305
JOHN ZORN Alto sax, Soprano sax, Clarinets etc.
1.Part 1 2.Part 2(Cartoon Music) 3.AOYAMA MICHI 4.ENOKEN
5.KATSUMI SHIGERU 6.KONDO TOSHINORI 7.TOGAWA JUN 8.MORI IKUE
ジャケット特徴:
「地」 の字が毛筆で書かれている。中には「水」もある。何のことやらさっぱり。
また曲名になっている方々の写真、17〜19世紀の戦争の図等が困惑さに拍車をかける。
CD表面に毛筆で「戦争」。しばし沈黙を強いる。
● 表題のstrategyは"戦略"、"兵法"を意味するのでCD表面の「戦争」や中の戦略図は理解できる。
問題は曲名。ここに挙げられたエノケンや戸川純といった方々はゾーンと何の係わりがあんのか。そして曲名と戦略とは何の係わりがあんのか。考えると深みにはまる。
音楽は木管のリードを使って、到底BGMに向かない音楽というより音の塊を表現する。苦痛に近い。
ジョン・ゾーンを初めて聴く人はこのCDを後回しにした方が良い、と個人的に思う。
少なくとも孫子の兵法書と音楽との関連性は無い、だろう。
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New Traditions in East Asian Bar Bands (1997, TZADIK) TZ7311
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(左)HU DIE (中)HWANG CHIN-EE (右)QUE TRAN JOHN ZORN Composition (HU DIE) BILL FRISELL Guitars FRED FRITH Guitars ZHANG JINGLIN Narrator (HWANG CHIN-EE) JOEY BARON Drums SAMM BENNETT Drums JUNG HEE SHIN Narrator (QUE TRAN) ANTHONY COLEMAN Keyboards WAYNE HORVITZ Keyboards ANH TRAN Narrator
1.HU DIE 2.HWANG CHIN-EE 3.QUE TRAN
ジャケット特徴:
未開封時点ではチャイナドレスの女の写真が表(胡蝶)。これが"HU DIE"のジャケット。
また、中に"HWANG CHIN-EE"と"QUE TRAN"のそれぞれのジャケットが挟まってる。
いずれも英訳付き。
● 中国語(?)、韓国語、ベトナム語の三カ国語の朗読CD。
最も激しいのは2曲目。躍動感あふれるドラムをバックに韓国の女性が威勢良くしゃべってくれる。感極まってか、爆笑している。ご苦労様。
他の2曲はいかにも東洋系の音楽で語りも穏やか。3曲目辺りは眠くなってくる。
静−動−静の構成がいい。
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ジョン・ゾーン 佐藤通弘:厳流島 (1998, TZADIK) TZ7319
JOHN ZORN Reeds SATO MICHIHIRO Shamisen
1.RYUKYU HEISHI 2.HAGUREGUMO 3.TWO RONIN 4.KAGEMUSHA 5.ODORI DAYU
6.GANRYU ISLAND 7.YOSHIWARA KAIDAN 8.NATSU MATSURI 9.GIRI
10.YONAKA NO HATASHIAI 11.UMA NO KOKU 12.TSUGARU BUSHIDO
ジャケット特徴:
まるで演歌のジャケット。"ジョン・ゾーン 佐藤通弘 厳流島"と書かれている。
向い合う宮本武蔵に佐々木小次郎。
島の位置を示す地図付き。ところで、佐々木小次郎と宮本武蔵に扮したのは誰なんだ?
● これを一度聴いた者は必ずこう言った。"三味線だけで充分だ"と。
佐藤氏の名人芸の三味線と「純粋な嫌がらせ(知人談)」のジョン・ゾーンのリードが絶妙の掛け合いを見せる。
"The Classic Guide to Strategy"をほうふつとさせる。あれに比べれば三味線がある分聴きやすい。
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SATO MICHIHIRO:RODAN (1989, HAT HUT RECORDS) hat ART CD 6015
SATO MICHIHIRO Shamisen 1〜23 BILL FRISELL Electric Guitar 1.13.15.17.22.23 FRED FRITH Electric Guitar 1.13.15.17.21.23 TENKO Voice 2.7.16 MARK MILLER Bass 2.7 NICHOLAS COLLINS Electronics 3.6.9.19 CHRISTIAN MARCLAY Turntables 3.6.9.19 STEVE COLEMAN Alto saxophone 4.20 "TOH BAN DJAN": 5 IKUE MORI Drums, Drum machine LULI SHIOI Bass, Voice "SEMANTICS": ELLIOTT SHARP Double neck guitar, Bass 8.11.12.14 SAMM BENNETT Drums 8.11.14.18 NED ROTHENBERG Alto saxophone 11 TOM CORA Cello 10 JOEY BARON Drums 20 MARK DRESSER Bass 15.22 GERRY HEMINGWAY Drums 22 Recording directed and produced by JOHN ZORN
(全23曲) 人名の後ろ数字は参加した曲の番号。
ジャケット特徴:
"SPY VS SPY"のジャケットを描いたマーク・ベイヤーによる。
シャーマンの面を被った人物のもとへ集まってくるいろんな人達。あ、なるほどね。
● 津軽三味線奏者、佐藤通弘氏と様々な音楽家達の共演集とでもいうもの。
1984年に"厳流島"を録音するなどすっかり意気投合したジョン・ゾーンと佐藤通弘、今度はいろんな物と共演してみようじゃないか・・・・てことになり、4年後に形になったのがこのCD。
ゾーン自身は演奏には加わってない。
ビル・フリセルとフレッド・フリスのようにトリオで何曲も演奏する場合もあれば1曲だけ参加する人ありという風に演奏形態は実に様々。
"厳流島"は三味線の演奏をゾーンが必死になって妨害しているようにも聞えたが、こちらは音楽的に完成度は高い。実にしっくりきている。尖りすぎてない。COBRAと傾向は同じように思うが、実験音楽のような冷たい感じがしないのがよい。強引にどちらかの音楽に合わせたような不自然さも無い。
個人的には2、3、10、14、20曲がお気に入り。2曲目の天鼓のヴォーカルはちょっと特殊な感じ。3曲目は琴の音を利用しているようだ。
凄いアバンギャルドなのだが三味線の魔力故か楽しく聴けてしまう。
あまり出回ってなく、10年前のCDなので見つけたら絶対に買うべし。
ところで、この題名はなんなんだろう。
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Xu Feng JOHN ZORN'S GAME PIECES VOLUME 1 (2000, TZADIK) TZ7329
CHRIS BROWN Electronics FRED FRITH Guitars DAVE LOMBARDO Drums, Percussion JOHN SCHOTT Guitars DAVID SLUSSER Electronics WILLIAM WINANT Drums, Percussion JOHN ZORN Prompter
1.THE VALIANT ONES 2.THE FATE OF LEE KHAN 3.LEGEND OF THE MOUNTAIN
4.THE ASSASSINS 5.DRAGON GATE INN 6.THE BEAUTY OF YANG-HUI CHEN
7.TROUBLE AT SPRING INN 8.HIDDEN FORTRESS 9.HSIA NU
10.RAINING IN THE MOUNTAIN 11.A TOUCH OF ZEN
ジャケット特徴:
キリリとした表情の中国人女性、あんた一体誰なの?と言いたくなる。
ジャケット開くと"徐楓"とある。ますます混乱してくる。
● "Xu Feng"と言うタイトルは"shoo-fung"と発音する。漢字を当てると「徐楓」。
「徐楓」が何かと言うと、1970年代に香港映画界で活躍した女優の名前なのである。胡金銓監督の作品「侠女」シリーズで主役を演じ高い評価を得ている。
…そうなると曲のタイトルも自ずと見当がついてくる。(全部確認したわけではないが)曲のタイトルは全て香港映画の英語のタイトルなのである。「侠女」は11曲目の"A TOUCH OF ZEN"に当たるし、"DRAGON GATE INN""RAINING IN THE MOUNTAIN"も胡金銓監督の作品である。…ただ、このことが音楽を聞く上で重要なポイントかどうかは私には判断しかねる。
音楽そのものは"COBRA"や"POOL"等といったゾーンが考案したゲーム性の音楽の一種であり、アジア的な要素は何ら見出せない。何でこのようなタイトルをつけたのかは本人以外には分からないかもしれない。但し"POOL"みたいな今までのゲームものの音楽に比べると、音楽としてはまとまりがあって聴きやすいと思う。音の細切れにしか思えなかった"POOL"や"LACROSS"等に比べればはるかに進歩しているし、時にはかなり攻撃的な音楽を展開している。人間の声なども取り入れていて凄いことになっている。
BGMとして聴くには少々やかましい(例外はあるが)。
NANINANI U
(2004, TZADIK) TZ7250
YAMATAKA EYE Voice, Electronics, Organ, Banjo, Steel guitar, Electric fan, Objects, Percussion
JOHN ZORN Alto sax, Piano, Tabla machine, Tibetan bells, Percussion
1.FUCKXOTICA 2.HILO HIMO 3.SHISO BABA 4.UFOFF 5.BAR TIME WITH ENO 6.KIRI TAKI 7.4AB
8.FAT ANARCHY ON AIRTUBE 9.ESPIMO 10.MACABRO DELICATO
ジャケット特徴:
けばい色使いのイラスト。
● 1995年に出た"NANINANI"の続編。今回はゾーンは"DEKOBOKO HAJIME"名義ではない。あれから年月が経ち、更にパワーアップしているものだろうか…と期待して聴いてみたものの、4曲目が多少音量が大きくなる程度であとは随分とおとなしいのだ。あの"炎の絶叫"アイさんはすっかり影を潜めてしまい(1曲目の冒頭、かすかに叫んでるが)、演奏の方にウェートを移してしまった。ゾーンは今回サックスの出番が多い。今回のCDは5曲目のように人前でも聞かせることが出来そうな曲もある。が、前回の面白さを知っているものとっては肩透かしを食ってしまう、そんな一枚。アイさんも声が出なくなっちゃったのかなぁ…。
David Shea:Hsi-Yu Chi
(2000, TZADIK) TZ7005
SIM CAIN Drums,Percussion, Dumbek HIDEKI KATO Bass WU MAN Pipa ZEENA PARKINS Electric Harp, Acoustic Harp, Piano, Accordion JIM PUGLIESE Drums, Percussion MARC RIBOT Electric Guitar, Acoustic Guitar, Banjo DAVID SHEA Sampler, Piano, Turntables, CDs ALEX TOBIAS Harmonica, Tin Whistle, Celtic Drum REBECCA WILSON Screaming JOHN ZORN Alto Saxophone
1. Temple/Sai Teen/Tai Tsung/Chang'an/Sun Wu Kung 2. Three Elements 3. Five Fingers
4. Fists of Fury/Canton Opera Blues/Enter The Dragon/The Underworld 5. The Woodcutter and The Fisherman/The Desert
6. Silk Road/Black Wind Cave/The Weapons 7. Mara/Five Villages West/Two Sisters Wedding 8. Two Elements 9. Rouge 10. Orchid Tree
11. Holy Mountain/Jetvana/Pure Land
ジャケット特徴:
仏…なんだろうか。
● ピアノ奏者にしてサンプラーの使い手でもあるデヴィッド・シェイのアルバム。タイトルからして中国系ということが分かる。琵琶も登場するし。京劇っぽい雰囲気は"グラウンド・ゼロ"を想像させるが、あれほど過激ではない(前衛には違いないが)。絶叫するだけの人もいるが、これでどのくらい稼いでいるんだろう(などと不謹慎なことを考えてしまう)。ゾーンのサックスは9・10曲目。このアルバムは途中からとても中国系とは思えないメロディーになる。9曲目もそのうちの一つ。甘いメロディーが切ない。チャイナタウンの印象、といったところか。結構ハマる。