NINJA TOOLS

ジョン・ゾーン[テーマ音楽・純ジャズっぽいもの]

映画音楽以外の劇音楽や、人物や物語に主眼を置いたような(特にスピレーン)音楽を紹介。
実験音楽じゃなさそうな、純ジャズっぽいものもこっちです。


Part 1 "SLIDING ON THEME" (1-12)
Part 2 "THE ARREST" (13-20)
Part 3 "THE ART BAR (21-26)

(全26曲)


ジャケット特徴:
"Spillane"を持っている人はピンと来るはず。
中身は字ばっかでうざったい。カラー写真があり舞台を撮影したものと思われる。



"THE BRIBE"はTerry O'Reillyという人が書き下ろした劇。ニューヨークを初め、リオデジャネイロでも上演された。ミッキー・スピレーンの小説の世界の体現なんだろう。
"ジル"という女性が主人公らしい(写真で言えば赤い服の姉ちゃん、のはず)。


パート1・2・3それぞれの終わりには必ず"ジルのテーマ"が流れる。様々な音源から集めて曲を作っており相変わらず混乱してしまうが、テーマが終始一貫している。
本当にこれをバックに演劇をやったんだろうかと疑ってしまう。どうも音楽が台詞を邪魔しそうなんだなぁ・・・
なぜかあまり出回らないCD。

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(全3曲)

ジャケット特徴:
白地。左はジャン=リュック・ゴダール、右はミッキー・スピレーン。
中身は結構デザインがいい。



"GODARD""SPILLANE""BLUES NOEL"の3曲はいずれも1985-87年にかけてニューヨークの同じスタジオで収録されたものである。昔の物を引っ張り出してきたような気がしないでもないが。

映画監督の名前を持つ1曲目、"GODARD"は"SPILLANE"以上にぶっ飛んでいる。
弦楽の音色が聞こえて間もなく、だみ声のフランス語ナレーション(声:ジョン・ゾーン)が乱入。
非常ベルの音が鳴り響き、ハープの音色が挟まり、鳥がピーチクパーチク・・・そこへ中国・日本語のナレーションも登場。「ねえ、愛してる?」しっとりした旋律と軽快なパーカッションが不規則に重なり、全く統制がとれない状態である。バロックぽくないハープシコードも登場。途中完璧にチャイニーズな音楽になってしまう。全てが狂っている。
「カトマンズの男」の世界の体現と言った方が近いかも。
延々と引っ張る"SPILLANE"に対し、"GODARD"の最後はあっけない。
ちなみに各国ナレーター(仏語・英語・日本語・中国語)のしゃべっている中身については、何も載ってないので分かりません。

ところでゴダールって日本や中国を映画の題材として取扱った事があるんですかねえ?
(T.Spacemanさんから教えていただきました。ゴダールには、「中国女」という共産党系な題材を扱った作品のほかに、「メイド・イン・USA」という小坂恭子が出演した作品があるそうです。情報感謝!)
仏映画と言ったら「地下鉄のザジ」「デリカテッセン」「ラ・ジュテ」「ドーベルマン」「アメリ」の5本しか見たことがないので分からないんですが。そう言えば「カトマンズの男」って仏映画だったっけ?



"SPILLANE"は「非TZADIK」のところで触れているのでここでは省略する。
勿論、録音は2枚とも同一である。



"BLUES NOEL"は6分足らずの曲。その中でもシーンは目まぐるしく変わっている。
軽快なジャズに始まり、その後妙にしんみりしたりベルがシャンシャン鳴ったり(クリスマスの情景)するが、前の2曲よりはまだ聴き易いか。中間部のギターがいい味を出しているがドタバタした音を挟むのはいただけない。ジョン・ゾーンのこの手の曲には付き物だが。
"BLADE RUNNER"のシーンもあるようだがどれに該当するかはわからん。(そう書いてるんだもん)最後にフランス語だかスラブ系言語だか分からない語りが聞える。



こういう音楽というのは、ビートルズの"ホワイト・アルバム"収録の"Revolution No.9"の発展形と捉えるべきなんでしょうか。共通項は多いように思えるのだが。


(勝手に敬称略。すんません)

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1.blue 2.yellow 3.pink 4.black

ジャケット特徴:
表は赤い薔薇。なんかあやしい。ジャケット裏の顔写真はまず間違いなくジャン・ジュネ。
ジャケットの中身はジュネの代表作「泥棒日記」の出だし。原文・英訳・和訳とある。
男のヌードといい、花の写真といい・・・



ジャン・ジュネの写真からも分かるとおり、このCDはジュネに捧げられている。
「泥棒日記」は都市の汚いところを転々とし、体を売りながらその日一日をしのいでいる少年の話。
(全文お読みになりたい方は「集英社ギャラリー 世界の文学」シリーズを参照されたし。ジャケットと同じ朝吹三吉氏の訳による。私は途中で投げ出した。序文はかなり難解だ)


CDは4曲からなり、3が一番長い。弦楽器や木管が加わっているので室内楽かと思わせるが様々な音声が挿入されているため、とても室内楽の雰囲気など感じられない。例えば弾丸を装填する音、合唱曲の断片、吠える犬。特に最後の曲は日本の坊さんが読経をしているようだ。

全体的には落着いてはいるものの、独特のあやしさと何が出てくるか分からない飛び道具的な怖さがあって、聴く者に緊張感を与えるようになっている。ジュネの世界の体現としてはよくできている。

最後にSpecial Thanks to David Lynch, George Lucasとなっている点も見逃してはならない。

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1.blue 2.yellow 3.pink 4.black

elegyが世に出て20年目を記念する一枚。音の中身は…ほとんど変わってないなぁ。まぁあれで完全体みたいなものだったしね。小冊子が付属していて、マイク・パットンやウィリアム・ウィナントの祝辞などが載っている。前にこれを持っていた人は、音の変化を知りたい場合は買わなくて良い。いや、おいらはゾーンを徹底的に極めたいんだという人は買うべし。

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自分でも分類に困ってこんなところに置いてしまったが…1曲目はヴィンス・グアラルディ、2曲目はマイク・パットン、以下クリント・イーストウッドや(ゾーンのお仲間の)ウィリアム・ウィナント、テリー・ライリーやデヴィッド・リンチといった人にまで捧げられている。そんなCDだから勿論過激なことをやるわけがない。ピアノトリオの特性を生かした誰が聴いても心地良い、ジャズの本流と言っても良いような模範的な曲が続く。BGMにお奨め。

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2009年の"Alhambra Love Songs"のロブ・バーガー、グレッグ・コーエン、ベン・ペロウスキーの3人にケニー・ウォーレセンとシャニール・ブルメンクランツを加え発展させたもの。ゾーンの懐の深さがよく出ている。5人とも名演なのだが、特にバーガーさんがいいね。最初の曲は一瞬"世にも奇妙な物語"か?!と思ってしまった。トータル51分くらい。

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ジョン・ゾーン(サックス)とフレッド・フリス(ギター)、お互いの手の内を知り尽くした親友同士による即興演奏集。両者ともなかなか激しいやりとりをしている。自分はこういうのはやや距離を置いてしまうのだが、好きな人には堪らない一枚であることには間違いない。


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2010年作の"In Search of the Miraculous"のメンバー、ロブ・バーガー、ベン・ペロウスキー、ケニー・ウォーレセンが音の中核を担っている。となれば自ずとその音楽は理解できよう。リボーさんの素敵なギターも聴ける。ケニーさんのヴィブラフォンも高ポイント。変に興奮せず気楽に聞き流せる。ゾーンさんも最近はこういう志向なのか。トータル48分くらい。ちなみにジャケットは日本の新進芸術家・近藤聡乃による。さすが日本通のゾーンさん、目の付け所からして違う。俺はすぐに分かったよ。昔NHKの番組で"たま"の"電車かもしれない"に曲をつけたアニメーションを紹介していた。→http://www.nhk.or.jp/digista/hall/2002/0913_kondo/index.html

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20世紀のアメリカ文学、いや、文化に多大な影響を与えた作家、ウィリアム・シュワード・バロウズ。彼の名を高めた作品が"裸のランチ"である。その支離滅裂・エログロナンセンス・コメディー・諷刺などの描写で語られる世界が、"インターゾーン"である。バロウズの愛読者、ジョン・ゾーンがこれを取り上げないはずがない。というわけで世に送り出されたこの3トラックから成る55分弱のCD、最初耳を劈くキーンという音で始まる。カットアップ、フォールドインといったバロウズ作品ではお馴染みの手法にもゾーンは影響を受けているはず。聴いていると、バロウズが滞在したモロッコの町・タンジールっぽい描写もある。穿った見方だが、最初に本格的にバロウズの作品(正確には裸のランチが生まれた"世界観"みたいなもの)に音をつけたハワード・ショアの影響もあったのではないかと思う箇所も無くはない(オーネット・コールマンぽい部分もあるしね)。だがゾーンは枯れた上に退廃的なショアの(これはもちろん魅力的な音楽である)描いた世界観もある程度は念頭に置きつつ、自分はこういう風に感じたよ、という独自なものをつかんでいるのだと思う。トラック2の13分くらい(だったかな)に何故か爽やかなメロディーが聴こえる。これが何を意味するのかまだ分かりかねるが(案外"裸のランチ"の"インターゾーン大学の構内"の章の、教授の講義内の薬物を打って"いつも春のような気分になる"と言っている箇所だったりして)、読み手が10人いればそれぞれがいろいろな印象を受ける小説なので、ゾーンも自分の何かを持っているんだろう。今年大量に出たゾーンの作品の中では一番の出来だと思う。

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1. Chemical Garden 2. Port of Saints 3. Rain Flowers 4. The Outer Half 5. Dead Fingers Talk 6. The Ticket that Exploded 7. Blue Veil 8. IC 2118 9. Lost Words 10. Between Two Worlds

これまたバロウズの(それもカットアップしていてやたら読みにくい)小説からタイトルをいただいている。最後の曲を除きほぼすべてがテンポが速くスリリングに展開している。前作"Interzone"に比べモダンジャズの傾向が顕著である。そういった意味では前作よりも聴きやすいかもしれない。"Interzone"から引き続き、ジョン・メデスキ、トレヴァー・ダン、ケニー・ウォーレセンが参加。各人の個人芸が炸裂している。ちなみに個人的な話だが、自分の買ったCDは6曲目が本当に爆発したみたいに音が飛びまくっていた。iTunesに落としたらちゃんと聴けたが。

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1. The Eternals 2. Song of Innocence 3. A Dream of Nine Nights 4. Light Forms 5. The Aons 6. Liber XV 7. Dance of Albion 8. Song of Experience
面子はNova Expressの面々。今回はエレガントで途中ミステリアスになったりして精神を落ち着かせるかと思いきや高揚させるような曲も収録。各人の個人芸は毎度ながら見事だが、今回はジョン・メデスキが光ってる気がする。

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1. Mount Analogue
最近のゾーンは神秘主義にハマってるのかなぁ、と思いたくなる。このCDで題材とされているのはゲオルギイ・イヴァノヴィッチ・グルジエフという人(顔写真がブックレットに掲載)で、その思想についてはさっぱり理解できないのでウィキペディアにでも任せよう。著述だけでなく音楽の方面でも才を発揮した人だった。今回のCDは1トラックだけで約39分。個人的には今回もケニーさんの活躍が目立ったかな、という印象。でもケニーさんだけ突出しているわけではなく、5人全員の音がしっかりと伝わっている。派手な音楽ではなく、じっくりと自分の心と語り合え、と聴く人に促しているようにも思える。尚、演奏者全員に"vocals"の表記があるが、歌唱ではなく掛け声である。

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1. Prelude 1: The Middle Pillar 2. Prelude 2: The Book of Pleasure 3. Prelude 3: Prelude of Light 4. Prelude 4: Diatesseron 5. Prelude 5: Music of the Spheres 6. Prelude 6: Circumambulation 7. Prelude 7: Sign and Sigil
8. Prelude 8: The Invisibles

トリオによる演奏。個人的な感想だが、ビル・フリセルの名を久々に聞いた気がする。それだけでも聴く価値があろう。ただ、最近のゾーンは確かにこういう分野ではいいものを書いているが、似たような音色が多くて特徴に乏しい気がするんだよなぁ。今回もケニーさんの出番。

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1. Desolate Landscape 2. Mina 3. The Battle of Good and Evil 4. Sinistera 5. Van Helsing 6. Fatal Sunrise 7. Hypnosis 8. Lucy 9. Nosferatu 10. The Stalking 11. The Undead 12. Death Ship 13. Jonathan Harker
14. Vampires at Large 15. Renfield 16. Stalker Dub

"ノスフェラトゥ"とは吸血鬼を指すルーマニア語。今回のCDは小説家ブラム・ストーカー(1847−1912)によるホラー小説「ドラキュラ」を映画化した作品"吸血鬼ノスフェラトゥ"のリメイク、と言うか舞台化した?作品に付けられた音楽らしい。ブックレットの写真からそれがなんとなくうかがい知れる。ゾーンさんがサックス吹いてることでも聴く価値があるのだが、全体的な音楽としても十分に楽しめる。バーガーさんのオルガンはおどろおどろしさを出すのに非常に効果的。ラズウェルさんの地を這うようなベースも欠くことのできない要素。ノートンさんも頑張ってる。恐々した曲ばかりでなく、ハッとするような美しい曲も随所に見られる。たっぷり1時間も収録されてるので大満足。
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