シュニトケ[協奏曲その2]

"協奏曲"と名のつくものはかなりあり、便宜上二つに分けて紹介します。
ここでは、チェロ協奏曲、合奏協奏曲などについて。

シュニトケが初めて書いたピアノ協奏曲(だと思う)。この頃のシュニトケは掟破りなんかしない、正統派な作曲家だったことがうかがえる。聴いてみて、オラトリオ「長崎」と結びつく要素がありそう…にも感じたが、そんなことないか。27分くらいの曲。

CD
●PHOENIX Editor 103
実質的にはピアノ協奏曲。
1965年のワルシャワの秋の音楽祭で初演され、これをきっかけにしてシュニトケはソ連の前衛音楽家として西側に名が知れるようになる。全曲で20分弱である。
2楽章はピアノの独奏で始まり、短い3楽章はピアノ独奏、終楽章は打楽器も加わりジャズの影響をもろに受けた音楽になる。バス、ピアノから容易にうかがい知れる。


CD
●CHANDOS CHAN 9466
ピアニストのヴラジーミル・クライニェフに捧げられている。
25分少々の曲だが、鍵盤をこれでもかとばかりに叩き付ける演奏にただただ圧倒される。感情を直接的に表現したような曲。
曲想はいろいろ変わったりするが、終始悲劇的である。
近代のピアノ協奏曲の中でも傑作といえるだろう。


ピアノ協奏曲はこの前に2曲ほど書いているがいずれも番号は振っていない。
三省堂"クラシック音楽作品名辞典"にある"ピアノ協奏曲第2番(1979)"はこの曲を指す。


CD
●CHANDOS CHAN 9564
●BIS-CD-377

●Warner Classics apex 0927 49811 2
●CAPRICCO 67 016
●ONDINE ODE 893-2
●QUARTZ MUSIC QT2060
●PHOENIX Editor 103
チェロ協奏曲はヴァイオリン協奏曲に比べれば聴きやすいと思う。
ちゃんとチェロ独奏の見せ場があり、前衛的な側面もほとんど感じない。
第4楽章の盛り上がり方は泣かせる。まるで天に昇るようだ。鐘の使い方もいい。

交響曲第4番と曲の性格が似ている気がする。ナターリア・グートマンに捧げられている。


CD
●BIS-CD-507
●REVELATION RV10009
●CHANDOS CHAN 241-39
5楽章ほとんど切れ目なく演奏される。
ロストロポーヴィチを意識して書かれていて、常にチェロが全面に出ている。
中間部で3拍子の盛り上がる部分もあるが、終楽章では一転して瞑想的になる。この終楽章、
映画音楽「苦悶」からの引用である。


CD
●SONY CLASSICAL SK 48 241
●CHANDOS CHAN 9722
●CHANDOS CHAN 241-39
一連の"合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)"と呼ばれる曲は知っている限りで6曲。特に決まった編成がある訳でなく、曲によって様々な楽器が登場する。

この曲の場合は21人の弦楽、ヴァイオリン2、チェンバロ、そしてジョン・ケージ(1912〜1992)の開発したプリペアード・ピアノが登場する。第1楽章、第5・6楽章で鉄板のような"コンコン"という音がこれ。ピアノの中に櫛や釘などを差し込んだりおもちゃを入れたりするためにこうなる。
(以前故・黛敏郎氏の「題名のない音楽会」で見たことがある。ジョン・ケージの曲では多用される。)
チェンバロが活躍するのは第5楽章。バロックな雰囲気に一瞬なる。チェンバロ、ヴァイオリン2による三重奏は後のオペラ
「痴呆との生活」(1990)映画「苦悶」にも生かされる。

非常にいい曲だと思うが、あるサイトを覗いたら何もそこまでというくらいけちょんけちょんにやられていた。ま、意見は意見として。あんまり保守的すぎるのも困るけどね。


CD
●Deutsche Grammophon Masters (Polydor) 445 520-2 POL924
●BIS-CD-377
●collegno collage WWE 1CD 20510
●TRITON "シュニトケ・プレイズ・シュニトケ"

併録:「合奏協奏曲第3番」「ア・パガニーニ」

シュニトケ自身が演奏に参加したCD。国内版。
オレーク・カガン、ナターリァ・グートマン夫妻に捧げられている。
独奏チェロ・ヴァイオリンと管弦楽の為の曲だがハープシコード、ドラムス、ピアノ、エレキギターなども加わって編成は豪華。


出だしはかなり明るく活発に展開。2楽章からは様々な楽器が登場する。金管や打楽器が目立つ。
3楽章も短いがテンポよく明るい。終楽章では最初に弦の独奏とハープシコードが絡む。
今までとは一変し、暗く落着いた中で弦の独奏が郷愁感を漂わせた切ないメロディーを奏でる。


CD
●BIS-CD-567
●CHANDOS CHAN10180
●MOSCOW STUDIO ARCHIVES MOS19342
●CHANDOS CHAN 241-39
作曲年は様々な作曲家の生誕何百周年にあたる年だった。シュッツ、J.S.バッハ、ヘンデル、ベルク、スカルラッティなど。当然彼らを意識してこの曲は書かれた。
最初バロック調に始まるが、鐘の音を合図にへなへなと音が下がってしまう。パロディーがかって笑える。編成は弦楽の他にピアノ、鐘。


CD
●BIS-CD-537
交響曲第5番でもある。

CD
交響曲第5番参照。
舞台裏にピアノを置いて演奏する。その音はアンプで舞台に送られる。
第1楽章の最後、盛り上がるところでピアノの音響が最初に登場する。
終始ヴァイオリン協奏曲のスタイルだが楽章の最後の盛り上がりでピアノの音響が入ってくる。
聴衆は戸惑うだろうな。
だが一つの曲として考えると他の6曲に比べ曲想がまとまっている。
やはりヴァイオリン協奏曲として捉えるべきである。
終楽章の後半、ピアノとヴァイオリンの絡みが絶妙。合奏協奏曲の中でも傑作。


CD
●Deutsche Grammophon 437 091-2
合奏協奏曲第6番 (1991)
1.Andante-Allegro 2.Adagio 3.Allegro vivace


全体で15分くらいしかない曲。ミニ・ピアノ協奏曲ともいうべき規模。かなりあっけなく終わる。
ヴィクトリア・ポスニコヴァに捧げられている。


CD
●CHANDOS CHAN 9359
●BIS-CD-1437



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