安倍吉俊 関連作品レビュー

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DVD

・「灰羽連盟 COG.5」(パイオニアLDC)

最終巻。ラッカやレキの真の名が明らかになる展開や、グリの街独自の風習で
ある「過ぎ越しの祭」の描写が面白い。クライマックスでの演出・映像表現は
かなりの電界強度で、視聴者側もlain程には心の準備が出来ておらず驚かされた
が、物語としてはきれいに収まった。野田順子は大熱演。また、広橋涼は完全な
天然かと思っていたが、あのボケ味は演技によるところもかなりあるようだ。

シリーズの尺がギュウギュウに詰まっている感じがするのは否めない。序盤で
灰羽達の日常生活をもう1話、というのは贅沢にしても、ラストでラッカが目を
つぶっているシーンがあと5秒欲しかった。レキの感じていた罪悪感・孤独感や
ラッカが助力者となれるかどうか、廃工場の灰羽達とのやり取りといった点は
「青くさい」ととることもできるが、ここは安倍氏が今しか描くことの出来ない
物語だったと前向きに捉えたい。

ライナーノート「灰羽白書」は文字数が多く読み甲斐がある。灰羽手帳は実際に
メモとして使えるものだと嬉しかったが、表のシールの「手帳とは名ばかりの
カード入れ」は正直すぎ(笑) 特典映像のスペシャルEDも味わい深いが、上田Pの
お遊び「ヒカリえもん13連発!」も忘れてはならない。

 

・「灰羽連盟 COG.4」(パイオニアLDC)

第8話はサブタイトルが「鳥」と一文字であり、ラッカにとってのターニング・
ポイント。思春期特有の憂うつが巧く描かれており、日常の中での特殊効果も
良い電波表現になっている。第9話の森や井戸の描写、話師との会話は文学的と
言ってよい。

第10話のレキ誕生当時の回想シーンはシンプルな演出ながら哀愁が漂っている。
ラッカの壁の内側での仕事も実にファンタジック。レキの今後に興味の持てる
引きも良い。初回特典CD-ROM「続・粗品」に壁紙などと共に入っているラッカ・
ボイスコレクションは激萌え。

 

・「灰羽連盟 COG.3」(パイオニアLDC)

時間や場所によって色調の異なる背景美術が美しく、キャラもそれから浮かない
ような絶妙の色彩設計が為されている。作画自体もオンエア時からはかなりの
リテイクが入っている模様。ラッカは安倍氏本人も難しいと言っているくらい
なので、この程度のブレは許容範囲。

他の灰羽や図書館のスミカ(半場友惠)がしっかりとキャラを確立させた演技を
しているので、ラッカ役の広橋涼の個性的なボケ味のある喋りが良い意味で浮き
立っている。廃工場の灰羽達のガラの悪さも興味深い。

物語の展開の点ではクウとの別離はかなり性急だと感じるが、新生子ラッカの
漠然とした不安を表現するのにはこの速さが適切なのかも。その後の悲しみ・
冬の到来・発症の流れは見事。ここから少しずつ軸足がレキへと移っていく。
ピクチャーレーベルは油絵調の眼鏡のおねいさんクラモリ。初回特典はサントラ
「ハネノネ」未収録曲を収めた「プチノネ」で、十分単品発売に耐え得る内容。

 

・「灰羽連盟 COG.2」(パイオニアLDC)

灰羽や光輪を別にしても、異世界の空気感が画面から伝わってくるのはさすが。
ラッカがヒカリやカナの職場を回るうちに次第に新しい環境に慣れていく様が
穏やかに描かれている。またレキの寝起きのシーンなど、先の展開を暗示して
いる部分も。BOXやレーベルの発色が渋いのはいいとして、同梱の光輪モドキは
さすがに使い道がないのでは…(笑)

 

・「灰羽連盟 COG.1」(パイオニアLDC)

冒頭の落下シーン、不思議な色の空、くすんだ背景、細部まで描かれた設定で
その世界観に引き込まれていく。アニメにしにくいであろう安倍氏の絵を良く
ここまでと思える。ラッカ(広橋涼)・レキ(野田順子)はナイスキャスティング。
突然異世界に来てしまった少女とその世話役の関係が良く出ている。矢島晶子・
折笠富美子も巧い。第1話としては申し分のない出来。

リニアPCM収録なのでBGMのピアノ・弦の音もクリアに聞こえる。本編が通常の
OPではないのでノンクレジットOPの収録は嬉しい。設定資料もまずまずの分量。
ただ別メニューとはいえ「アパッチ野球軍」のCMは如何なものか(笑) CD-ROMの
壁紙は素直に喜べるのだが、キャラの3Dデータはどうやって楽しめば…

 

・「NieA_7 伍」(パイオニアLDC)

BOX入り最終巻。結局ニアはどこに行っていたのかといった謎は一切解明されず。
情景描写はなかなかきれいだったし、ギャグのテンションも高めだったので、
もう少しストーリー性があればもっと良かったのだが。

 

・「NieA_7 四」(パイオニアLDC)

確率はあまり高くないものの、作画が決まったときのまゆ子は本当にいいもので
ある。ミステリアスなシーンが別作品に見えるのも面白く、みやむーも健闘。

 

・「NieA_7 参」(パイオニアLDC)

ギャグ顔・コミカル顔のまゆ子の使い方はうまいのだが、作画がやや不安定で、
特に劇画調のコトミさんはちょっと怖い(笑) 落ち込んだまゆ子の目が死んで
いるのは意図的なのか。

 

・「NieA_7 弐」(パイオニアLDC)

まゆ子がチャダと遭遇した時のリアクションなどが面白い。おそらく川澄さん
の演技の幅のギリギリのところであろう。カーナのテンションはやや高すぎか。

 

・「NieA_7 壱」(パイオニアLDC)

冒頭のまゆ子のお肉に恍惚となる表情が良い。川澄さんは本当にはまり役。台詞
の細かいところまで気が配られており、効果音のタイミングもキマっている。
色彩が明るすぎるのと動きのぎこちないカットがあるのが気になる。EDのアニメ
は今一歩。


コミックス

・「NieA_7(2)」(安倍吉俊/gK/角川書店)

最終巻。アニメよりもテンションが高くネタがヤバげなのは良い。特殊効果が
使えないこともありビジュアル的には弱い。最後は花火大会ということで余計に
しみじみしてしまう感がある。巻末の対談が最もインパクトがあるのは作品と
しては問題か(笑)

6月にコレクションブック「SCRAP」が発売予定。CGの製作過程が詳細に載って
いるということで、これさえ買えばあなたも安倍氏のような絵が描けるように
なる(わけではない)。

 

・「NieA_7(1)」(安倍吉俊/gK/角川書店)

安倍氏の商業誌初コミックがこれか(爆) いや、とても面白いしトーンの印刷も
きれいなのだが(笑) 巻末の「激枯れ!糞対談!!」は…ネットでやるから面白い
のであって、誌面でやるとついてこれない人が大勢出そうな気がする。表紙だけ
は妙にさわやか。


ゲーム・その他

・CD:「ハネノネ」(パイオニアLDC)

大谷幸氏による微妙に哀愁と異世界感を帯びた美しい旋律が素晴らしく、特に
臨場感の高い弦楽アンサンブルの曲が秀逸。鍵盤楽器もなかなか良い雰囲気だし
撥弦楽器系の音もまずまず。

 

・BOOK:「NieA_7 SCRAP」(安倍吉俊/角川書店)

イラスト・資料集。安倍氏本人が「編集のたゆまぬ努力と特色インクを使う意味
があんまりない、彩度の低い僕の画風のおかげで(かどうかは知らないけど)」と
語るとおり、\1,400は角川にしては格安。20Pのオールカラーコミックは見事に
ヘタレている(誉め言葉)し、4PのCG講座も制作過程と心構えが分かって良い。
巻末のgK対談はツッコミ役の安倍氏が入っていないため大暴走(笑)

 

・BOOK:「an Omnipresence(遍在)」(安倍吉俊/ソニー・マガジンズ)

胸が苦しくなる程^_^;すばらしいです。AX連載分の人物・背景は勿論、カラー
コミック(PS版の欠番Movieにあたる)とか、鉛筆画とか。特にNaked lainが…
ぐはぁっ(吐血)

芸大修士はだてじゃないですね。人物などはかなりアニメ風にデフォルメされて
いますが、それでも「画家」という感じがします。タッチとかじゃなくて、気概
が違うとでもいうか…

装丁がしっかりしていて1kgあります(笑) もとの画像データも重くて、まとも
に展開すると1GBを超える絵もあるそうです。


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