'02アコースティックファンフェアー報告
遅くなりましたが、しとろんさんからもご要望のありました、10月26、27日に
刈谷市で開催されたアコギフェアレポートです。日本中のハンドメイドギター製作家
が一気に集まったこの大イベント、
中には、う〜んまあこれから完成度を上げていくのかな?
という感じのモノも混じってはいましたが、それ以外は全般にどれを弾いても素晴らしい音
がして感激しました(耳ドキュソ?笑)。絶対前よりレベルが上がっています。
筆者はあまりギターの上手くない、マーティン万歳男TAKEです。
東海楽器ブース
フェア用に特別試作とかで30万、40万から上は90万のスペシャルギターがずらり。
特に90万のモノは本物の柾目ハカランダで今までどこに隠していたのか?という感じ、
まあまあ、国産ギターらしく少し重そうながらいい音で鳴っていました。色々言われて
いますが、70年代全盛期のモノより良いように感じました。
モーリス
雑誌で見た事があるだけのチーフクラフトマン横山氏が目の前に普通に立っていて
びっくり。さらにフィンガーピッキング用Sシリーズの最高級の上をいくS150、
130、120系の試作品がずらり、それぞれ通常のスプルースとシダートップの
ものと2種類あり、素晴らしい目をしたハカランダとシダーの組み合わせなどは、
一種、スパークするような前衛的?な面白い音色がしていました。
一番惹かれたのが、型番の後ろに「R」とつく、ラウンドパックタイプのシリーズ、
素晴らしい鳴りをしていて完成度があり、弾いていて楽しかったです。マホガニー
サイドバックにシダー組み合わせのS−121R(31万円、右画像のモデル)がマイベストでした。
ちなみにこの機種、某有名フィンガー系マニアさんも絶賛していました。ネックは
20年以上前の本物のホンデュラスマホガニーだそうです。
志賀ギター
お世話になっています、志賀鉄三さんのギター。オリジナルカッタウェイに、クラシックギター
を大きくしたようなオリジナルドレッドノート?にマンドリン。今回は風邪でご不調の様子、
さらに筆者の記憶力不足により、弾かせていただいたギターがどんな音だったか完全に忘れて
しまったという..ちょっとナットの部分の弦高仕上がりがイマイチだったような。
右半分と左半分で違う種類の材を混ぜて組み上げた複合ギター?も展示されていました。
ヘッドウェイ
HD115,450、HN25Aなどずらり。前2機種は相変わらずのきちっとした
感じの作り、ただ音もなんだかきちっとしたイマイチ開放感のないマジメな音に聞こえ
ます。意外なのは25周年モデルのHN25A(画像中3本のうち一番右のモデル)
、小さなボディーなのになかなか濃密な
バランスのいい音が飛び出して魅力的、一番良かったと思います。ネット上の一部で
高い評価を受けている
のは正しいみたいですね。だいたい、15万円でピラミッドブリッジが、塗っていない真っ黒な
黒檀からの削り出しなんてまず無いですよね。マーティンだって塗っています。その意味でも
作り、音ともにHN25Aはコストパフォーマンス抜群でオススメです。
有満ギタークラフト
プログラマーからギター作りの夢嵩じてKヤイリに飛び込み、レディーバードシリーズの
開発、自作モデルのヤイコその他プロミュージシャンへの提供を経て、このほど独立された
という、まさに夢のような経歴の同い年でした。
ギターもカリンサイドバックのもの有り、セラックニス仕上げなど創意工夫に溢れデザインセンス
もしゃれていて中々秀逸。そして音がわりとテンション軽い目で弾きやすく、バランスよく、
印象に残る良い音でした。高槻の彩色ラーメンきんせいの裏に工房があり、もちろんラーメン
の話で盛り上がりました(笑)。
HOSCO
かつてのザカスガギター担当者がいらっしゃいました。材は無く、コスト的にきつく、
販売店からは叩かれ、ギターをただ組み立てるだけの作業員達、それらの中でかなりの
出来にまで持っていって世に出されたモノであることが分かりました。
吉田弦楽器工房、大越ギター
2人で仲良く出展、吉田弦楽器さん(写真左側)の方はサイドもバックも赤と黒の材ですべて
ツートンカラー
構成という、どうみてもキワモノ系にしか見えないギターでしたが、中々バランスよく、重い目
で深みのある良い音で気に入りました。サイドなど、なぜわざわざ2ピースにしてツートンに
するのか首をひねりましたが、音がいいので疑問も解消。ちなみにデザイン統一のためだそうです。
大越ギターさんのほうは少し軽い目の、アタックの反射音を強調した感じのカンカン音でした。
工房ソニード
サイドバック削り出しギター。今回は竹集成単板トップのギター(画像の一番右端のギター)
を出展しておられなかなか
魅力的な仕上がりでしたが、音自体は出来たてのせいか、スカでした。
他のギターはラウンドバックのせいか、やはり独特の空気感のあるなりでした。サイドのフィン
の数などを試作段階では多かったのを減らしたり、それでバランスが変わるそうです。
スズカワギターズ
これはびっくり!かなり素晴らしいです。サイドバックにココボロをつかったり、各種ヘンな
素材を使ったギター
をだしておられましたが、なんというかどれもそれぞれの材なりに独特のよさが引き出されて
いる感じでレベルが高い!完成日をみたらことごとく2002年10月25日という突貫ぶりなのに。
今回のフェアで一番気に入りました。バランスよく、音に深みと、音色に材を生かした感じの軽い
個性を伴った芯があって気持ちよいです。エレキ製作の人でアコギは試作をはじめて1年くらい
らしいですが。素晴らしいと思ったのは僕だけではないようで、某○○フィンギターズも買い付け
に来ており、弾いてみて早速店に電話していた様子。ついでに若い奥さんもはきはきでナイス、
ギターショップメイヤの噂通りの奥さんと並んで特萌え、とすべてに抜かりのない(笑)ブースでした。
弦楽器工房ヴレ
本来はヴァイオリンやマンドリン製作が本業、ギターはついでみたいな感じらしいですが、
たしかについでな感じでイマイチ手馴れた感じは無いものの、普通でない深い太い鳴りと
気持ちのいい響きがあって、さすがなにか根本的な所で実力のある感じでした。特に
マホガニーだったかのギター(写真左側のギター)の鳴りはハカランダ的、違う素材で
そういう響きを出す技術が
あるようです。また、メイプルサイドバックのギター(写真右側のギター)で、あ、これいい
良く鳴る!と感じたのも
初めてで、かなりいい音が出ていました。本気を出して作ってきたらえらい事になりそうです。
クレーン
かの有名な楽器自作HP。かなり美しく仕上がったリュートなどの古楽器が並んでおり、
弾き方が違うので戸惑いました。昔の音は、小さくてとても柔らかい、優しい音です。
どこかのリュート専門
ミーントーン(純正率?)を追求するとやらで、フレットは移動式、しかもフレットと
言ってもガットをネックに巻きつけてあるだけ、というのでびっくり。弾き方もやはり
アルアイレで斜めに!というのでとても難しいですが、やはり優しい柔らかい夢のような
音が出ておりました。
夢弦堂
結構有名みたいで、かなりしっかりした仕上げの美しいオリジナルギターが並んでいました。
音は記憶力不足で忘れてしまいましたが..悪くなかったような。トップコア単板のモデルは
やはり鳴りにくい感じでした。
結局一番気に入ったのはスズカワギターズです。
印象に残ったのが弦楽器工房ヴレと、有満ギタークラフト、吉田弦楽器工房です。
あと手堅いところでモーリスのSシリーズ特にラウンドバックはグッド!ということで。
全体に、以前はもっと玉石混交だったと思うのに、今回は「石」が減って「玉」もしくはそれに
準ずる出来のが急増した感じ、日本の手工ギターの未来は明るいかも?と思いました。