ペトロニウスの自己紹介

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2002/09/18 修正 (2000/10/01 公表)

ペトロニウス(Petronius)」は、私が普段ネットワーク上で使つてゐるハンドル(ニックネーム)です。この頁では、自己紹介を兼ねてこのハンドルの由来などを説明してみようと思ひます。

ペトロニウス・アルビテル (Petronius Arbiter)

ローマ帝国、五代皇帝ネロの時代に生きた人物です。出生の頃は明かでは有りませんが、西暦66年に動脈切除による自殺で歿してゐます。

タキトゥス『年代記』16,18-19に記述されてゐるガイウス・ペトロニウスと云ふ名前は実際は誤りで、現在ではティトゥス・ペトロニウス・ニゲル(Titus Petronius Niger)が正しいとされてゐます。

●人物像
昼日なかに眠つて、夜を仕事と享楽に生きた人物で、贅沢の通人として世に聞えてゐた。其の后、皇帝ネロの最も親しい仲間に入り、趣味の権威者(elegantiae arbiter)となつた。此れに嫉妬した護衛隊長ティゲリヌスの陰謀により、立場を悪くする事になつてしまつた。ネロとカンパニア地方へ旅行中、クーマエで足留めを食ひ、血管切除による自殺を決意。友人と不真面目な話題で閑談したり、ネロの愚行に対して独自の趣向で解説した書を記して封印してネロに送つたりし乍ら、死を迎へた。

年代記には記されてゐませんが、ペトロニウスは、生前文人として、悪漢小説サテュリコン(SATYRICON)を執筆したとされてゐます。

タキトゥス『年代記 下』国原吉之助訳、1981年、岩波文庫青408-3

サテュリコン (SATYURICON)

文人ペトロニウスが著作したと言はれる悪漢小説です。Σατυρικων libri「サテュロスたちの物語の巻」が正しい題名だつたのだらうと考へられてゐます。現存する巻は、第14,15,16の僅か三巻のみ。

●粗筋
主人公のエンコルピオスが美少年ギトンや取巻き連中と共に南イタリアを放浪し乍ら、男女入乱れた旅が続く。特に、『トリマルキオンの饗宴』では、成り金長者の宴会にエンコルピオス一行が呼ばれて乱痴気騒ぎを起す馬鹿げた内容になつてゐるが、当時の宴会や風俗を知るには非常に有用な資料となつてゐる。

ペトロニウス『サテュリコン』国原吉之助訳、1991年、岩波文庫赤122-1

クォ・ヴァディス (QUO VADIS)

副題、ネロ時代の物語。1896年刊行されました。作者はリトアニア生れでポーランドの小説家シェンキェヴィッチ(Henryk Sienkiewicz,1864〜1916)です。1905年にはノーベル文学賞を受賞してゐます。

帝政ロシアによる祖国ポーランドの受難を初期基督教徒の受けた迫害に擬へたものとして、この小説が書かれました。

●粗筋
皇帝ネロが支配するローマで、主人公のヴィニキウスが基督教徒でリギ族の王女リギアに恋をする処から始る歴史時代物の長編恋愛小説となつてゐる。ネロの行動や、ローマの大火や、其の后の基督教徒迫害の様相が非常に解り易く且、生々しい描写で描かれてゐる。

この作品でペトロニウスは、ヴィニキウスの叔父の立場として現れて来ますが、ローマ帝国に実在したペトロニウス・アルビテルがモデルとなつてゐる事は言ふ迄もありません。

作者は、ネロの時代のローマ帝国の事をよく調査されたのだと思はれます。臨場感がたつぷりで、一寸読んで其の内容に魅了されたら、全巻を一気に読み干してしまふ事でせう。お勧めの小説のひとつです。

古代ローマに興味のある人であれば、是非とも読まれたはうが宜しいでせう。初めて手に取られるお方には、吉上昭三訳をお勧めしておきます。

シェンキェヴィチ『クォ・ヴァディス(上・中・下)』河野与一訳、1979年、岩波文庫赤帯

シェンキェーヴィチ『クオ・ワディス(上・中・下)』木村彰一訳、1995年、岩波文庫赤770-1,2,3

シェンキェヴィッチ『クォ・ヴァディス(上・下)』吉上昭三訳、2000年、福音館書店

夏への扉 (THE DOOR INTO SUMMER)

1957年刊行されました。作者は、ロバート・A・ハインライン(Robert Anson Heinlein,1907〜)です。

ハインラインは、SF作家のやうで、他にも色々なSF小説を生出してゐます。

SF小説に種明しは禁物なので、あまり多くは語らない事にしますが、タイムトラベルで主人公のダニイは飼ひ猫の牡猫と共に過去に行つて…。

其の牡猫は普段ピートと呼ばれてゐるのですが、正式には護民官ペトロニウスと云ふ名前である事が小説の始る最初の一行目に記されてゐます。猫に何でこのやうに大仰な名前を附けるのか、其の心理は定かでありません。唯、ダニイにとつては大切な仲間である事に相違ありません。

この小説は、一部の猫好きな人々や、SF愛好家に支持されてゐるらしく、其れ迄この事実を知らなかつた私は、最初自身のハンドルを検索エンジンに掛けた時に何で猫のホームページが出て来るんだらうと考へ込んで夜も寝れないやうな思ひをしました。本を入手してやつと疑問が氷解したんです。ははは。

ロバート・A・ハインライン『夏への扉』福島正実訳、1979年、ハヤカワ文庫SFハ-1-10

自己紹介

最後に私自身の事を書きます。1966年に生れて、現在までの殆どを武蔵国に暮してゐます。旅行が好きで、郵貯の通帳を携へて国内の色々な所に出没してゐます。古銭も好きで少しだけ集めてゐます。読書も好きで、よく図書館に行つてゐます。古い本が好きで其れから転じて歴史的仮名遣ひの使ひ手になりました。

ペトロニウスと云ふハンドルを使用する事となつたきつかけは、趣味の権威者と云ふ称号が気に入つた事と、クォ・ヴァディスでの行動言動が大変粋に思へた事からに外なりません。其の内、猫のやうに悠々自適な生活ができたら、なんて思つてゐます。

Yahoo!のIDは、"petro_jp"で取得してゐます。旧IDは使用しない事にしました。