2000年5月28日(日)

鑑定結果

皆さん御存知のように国産の淡水エビについては一般書店で売られている資料が少なく、素人ではなかなか同定が難しいというのが現状ですね。
僕自身も今飼っているエビが果たしてなんなのか、スジエビはまあ間違いないとして、ヌマエビの方はミナミヌマエビではないかと以前にも書きましたがまだ確信が持てずにいました。
そこで先日、長崎大学環境科学部教授で我が国の甲殻類研究の第一人者、三矢泰彦(みややすひこ)先生に僕が飼っているエビを同定していただきました。(写真1)
ひょっとしたら2〜3種類いるんじゃないかと思い、出来るだけ姿の違うものを選んで大小10匹ほど持っていきました。(写真2)
三矢先生の研究室(写真3)では国内の様々な淡水エビが飼われていました。
先生はエビをけっこう簡便なシステムで飼ってらっしゃって僕にとっては大きな驚きでした。
ただ毎日助手の人がフンの処理などをまめに行っていらっしゃるようで、それがために簡便なシステムでもやっていけるようです。

さて、持ち込んだエビですが、早い話、ミナミヌマエビ(写真4)であるとのことでした。
少し違うように見えた個体もミナミヌマエビであったということで、僕が飼っているヌマエビはおそらく全てミナミヌマエビであろうと思われます。
先生にミナミヌマエビの外見上の特徴を教えていただきました。せっかくなので御紹介します。見分け方の参考にして下さい。
ミナミヌマエビは背中に「ハ」の字の模様を背負っている。これです。

それから卵が大卵であるということ。非通し回遊型(陸封型)ヌマエビの卵の特徴です。そのため必然的に卵を抱く数が少なくなり、大体100個ぐらい。これに対して通し回遊型の、例えばミゾレヌマエビは小卵型であるため数千個の卵を抱いています。
あと額角の長さが長くて上側のトゲが何個とかいろいろあるんですが、解剖顕微鏡(写真5・6)などで見ないとなかなかわかりづらいのでとりあえず割愛します。とにかく「ハ」の字で見るのがオスメス問わず一番分かりやすいです。

ちょっと話は変わりますが、今回御協力いただいた三矢先生はエビカニが登れる魚道についても研究を続けておられます。
先生の論文によれば近年、取水や洪水調整のための堰・ダムのためにエビやカニの遡上が制限され、本来上流部にいるべき甲殻類がいなくなってしまうケースが多々あるそうです。
これが進むと、今エビがいるところでも将来いなくなる可能性がでてきます。僕たちは堰のかたちを飼えることはできませんが、せめて今の環境を維持できるよう川に対する配慮を忘れないようにしたいものです。



写真1、三矢泰彦教授

写真2、エビを運んだバケツ


写真3、三矢教授の研究室


写真4、抱卵中のミナミヌマエビ


写真5、解剖顕微鏡を覗く三矢教授


写真6、顕微鏡で見たエビ