2001年9月16日(日)

エビの遡上を見た

 大変お待たせいたしました。ほぼ一年ぶりのフィールドレポートです。

 去年の9月24日付けの日記にエビが上れる魚道の話を書いていましたが、実際にエビが川を上る様子は観察していませんでした。
 これじゃあいかん。そのとおりです。
 両側回遊型のエビは夏から秋にかけて繁殖のために遡上しますが、特に新月の夜に上るエビが多いということを聞いていたので、行ってきました。
 場所は鹿児島県薩摩半島を流れる万之瀬川。鹿児島市内からは車で一時間ほどの道のりです。
 午後八時到着。車を降りると満天の星空。あたりまえです、周りには人家も、まして街灯の一つも無いうえに今日は新月一日前、空も真っ暗です。
 川の方に降りていくと、妙に轟々と水が流れる音が大きく聞こえてきます。
 以前昼間に下見をしていたからいいものの初めてだったら間違いなく恐怖が先に立っているはずです。
 歩いていたら突然ボチャン!と大きな音がして、飛び上がるかと思うぐらい驚きました。ドキドキしながらその先をよく見ると大きなカエルが出迎えてくれていました。
 夜、川に一人で行くのは危険ですから絶対によい子はまねをしないでください。

 今回目星をつけていたのはここです。
 川をせき止めるように高さ一メートルほどの堰が作ってあり、ちょうど中央部が切り込みのようになっていて、平常はここから水が流れ落ちるようになっています。
 見ておわかりのようにこの部分はかなりの激流になっています。
 とてもエビが泳いで上れるような流れではありません。

 では、エビはどうやって上流に上っていくのでしょう。

 なんと彼らは激流の横、自分の体が隠れるかどうかというぐらいの水量のところを歩いて上っていくのです。ここの角度はほとんど垂直です。
 高さ一メートルというと人間にはなんて事無い高さですが、体長2センチ程度の彼らにとっては断崖絶壁にも等しい高さに違いありません。おまけに上から水が流れてくる!筋○番付でもそこまではやらないであろう厳しさの中を、時には押し流されつつも彼らはひたすら上だけ目指して上っていくのです。

 見ていてなんだか熱いものを感じました。
 いつか絶対子どもに見せてやろうと思います。



出迎えてくれたウシガエル


万之瀬川の堰を上から見ています
エビはここを上っていきます


エビは日が沈むとこうして落ち込みの下に集まってきます
光っているのがエビの目です


エビが健気に上っていく姿
感涙ものです