岩手・宮城内陸地震

岩手・宮城内陸地震とは

2008年(平成20年)6月14日(土)午前8時43分(JST)頃に岩手県内陸南部(仙台市の北約90km、東京の北北東約390km)で発生した

マグニチュード7.2の地震。

被害総数

官邸対策室による2008年6月17日14時30分の発表における被害総数は以下の通り[2]

被害

被害は建物の損壊よりも主に栗駒山周辺の山体崩壊が中心に広がった。

建築物被害

地震による原子力発電所の停止はなかった。揺れによって、福島第二原子力発電所4号機において使用済み核燃料プールから飛び散った

多少の水が発見されたものの、所外周辺地域への放射性物質による汚染はなかった。

岩手県平泉町の中尊寺では、国の重要文化財に指定されている釈尊院五輪塔が一部破損した。本堂前にある表門も激しい振動で

ゆがんだ。また、宮城県大崎市岩出山町の有備館(国の史跡及び名勝)では、建物の柱や壁にひびが入っているのが見つかった。

奥州市の石淵ダム(北が古上川水系胆沢川)は地震の揺れで堤体が変形した事から緊急放水を行った。また通常より多い漏水が確認された。

なお、地震動の周期が短かかったため建物自体への影響が小さかったこと、また、この地域では屋根に軽いトタンを用いている家屋が多い

ため、屋根による家屋の押し潰しが少なかったことが、地震の規模に対して家屋の倒壊被害を少なくしたのではないかと専門家が

見解を述べている。

交通機関被害

東北新幹線と山形新幹線・秋田新幹線が一時不通になり、約2,000人の乗客に影響した。仙台-古川間で停止した下りはやて・こまち1号の

乗客約1,000人は、線路等の安全を確認した上で仙台駅に戻るまでの間、約9時間30分車内に缶詰状態になった[。鉄道の在来線や

高速道路も不通になった。

奥州市ではバスが転覆し、がけへと転落した。宮城県名取市では社員旅行で石巻市から仙台空港へ向かっていたバスが

仙台東部道路の新名取川橋を走行中に4,5回バウンドし、3人が重傷、22人が軽傷を負った。

 

その他

荒砥沢ダム上流の崩落地の最大落差は148m。また、この崩落地の中で、土砂が水平距離で300m以上も移動した箇所も確認されている。

岩手・宮城内陸地震に伴う地殻変動が、東北地方に設置されている電子基準点(GPS連続観測点)で検出。水平変動は、

秋田県湯沢市で東南東方向へ約29cm、岩手県平泉町で西北西へ約15cm。

地震に対する対応

地震発生当日の6月14日だけで、警察庁は広域緊急援助隊約270人、消防庁は緊急消防援助隊790名、

厚生労働省は災害派遣医療チーム36チームを、それぞれ被災地に派遣した。防衛省では人員約360名、車両約90両、

航空機23機を投入し、海上保安庁も、巡視船艇25隻、航空機10機、特殊救難隊1隊で対応した。

発生から1日経った6月15日は、警察庁の広域緊急援助隊276人、消防庁の緊急消防援助隊200隊815名、防衛省の人員1076名、

車両280両、航空機26機が対応にあたった。農林水産省はヘリコプターによる林地の崩壊状況の調査を実施し、厚生労働省は被災者の

心理的被害の軽減を図るため専門家や担当官を派遣した。宇宙航空研究開発機構は陸域観測技術衛星「だいち」による緊急観測を実施し

被災地の画像を撮影した。国土交通は6月14日から15日にかけて緊急災害対策派遣隊73班延べ183名を投入し、石淵ダムの水位変異や

河川閉塞の対応に当たった。

6月16日には、文部科学省は調査団3名を派遣し、警察庁は遺族支援のため臨床心理士ら約10人、避難所の相談活動のため女性警察官ら

十数人を派遣、農林水産省は被災した国道342号線の迂回路とするため林道復旧緊急整備を開始し、国土地理院は被災地の空中撮影を

実施した。国土交通省の緊急災害対策派遣隊はさらに増強され、地震による土砂で発生した天然ダムが決壊する危険のある捜索現場には、

遠隔操作可能な無人ショベルカーを投入した。なお、防衛省による孤立者の搬送作業は、ほぼ完了した。

共同通信

最新ニュース

岩手・宮城内陸地震:「福島にも未知の断層」 警鐘鳴らす専門家 /福島

 ◇大規模地震確率「ほぼゼロ」だが…

 岩手・宮城内陸地震は地震発生確率が「ほぼゼロ」とされた活断層の近くで起こり、「未知の断層による地震の可能性が高い」(気象庁)とされたことで、県内でも想定地震や断層調査の見直しを求める声が上がっている。県内の大規模地震の発生確率も「ほぼゼロ」とされるが、専門家は「福島にも未知の断層が存在する可能性は十分ある」と警鐘を鳴らしている。

 国の地震調査研究推進本部が05年、県内で双葉断層(約40キロ)や関谷断層(約38キロ)、福島盆地や会津盆地周辺の断層帯の計五つの活断層について、断層ごとにM(マグニチュード)6・8〜7・8の地震発生確率を推定。「会津盆地東縁断層帯」で「30年以内に0・1%以下」としたほかは、すべて「ほぼ0%」(300年以内)だった。

 これに対し、真鍋健一・福島大名誉教授(地質学)は「国の調査は、活断層の存在が以前から疑われ、都市部に近い場所を優先している。猪苗代町の川桁断層など、他にも活断層が疑われる個所はたくさんある」とし、「福島にも未知の断層が存在する可能性は十分あると思う」と話した。日大工学部の梅村順専任講師(地盤工学)は「東北地方の地盤は地滑りが起きやすく、近くに活断層がなくても近隣の地震で、土砂災害が起きる可能性は十分ある」と指摘する。

 今回の地震や新潟県中越沖地震(07年)など想定外の活断層が地震を起こす例が相次ぎ、同推進本部は断層の調査方法や発生確率の見直しを検討している。県災害対策課の五十嵐孝雄課長は「地震発生確率が当てにならないことを思い知らされた。確率の問題でなく、どこにでも大地震は起こり得ると自覚し、災害に備えていきたい」と話した。【西嶋正法】

毎日新聞 2008年6月18日 地方版

 

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