こたつ(炬燵) 火を入れる炉(火炉)の上に櫓(やぐら)をくみ、周囲を布団でおおった暖房設備。室町時代に成立した。
ルーツは中国であるが、日本で独自の発達をとげた。
こたつのルーツ
現在ではおもに「炬燵」の字があてられる。それ以前は「火燵」と表記されることが多かった。たとえば室町末期の
「節用集」(→ 辞典の「実用的な辞典」)には火闥の字が、戦国期の天文17年(1548)に発刊された「運歩色葉集(うんぽいろはしゅう)」には
火燵の字が散見される。
禅宗の僧侶(そうりょ)により、中国から導入されたとされる行火(あんか)ともよく似ているが、こたつもまた、もともとは中国伝来の禅寺の
暖房設備として成立。やがて火鉢とともに、日本の家屋にはかかせない暖房設備として発達した。
炬燵弁慶
寺院や武家では、同じ布団の中にみんなで手足をいれるこたつは家族向けとされ、火鉢が客向けの正式な暖房設備と位置づけられていた。
そこから内弁慶(→ 弁慶)を意味する「炬燵弁慶」という言葉が派生した。炬燵弁慶とは、家族向けのこたつからでようともしない、
引っ込み思案の性格をいいあらわしたものである。
こたつの種類
こたつの形式は固定式の掘りごたつと、移動が可能な置きごたつとに大別できる。掘りごたつの原型は囲炉裏に櫓をくんだものである。
切りごたつともいう。室町時代に生まれた最初の形式が、この掘りごたつだった。
置きごたつは木箱の中に炭の入った瓦製あるいは陶製の火鉢を入れ、その上に櫓をくみ、布団をかけたものが原型。
江戸中期に生まれたとされる。
前述の行火は、移動が可能という意味でも置きごたつの一種とされる。行火は中国語で「火の使用」を意味するが、「行」という字は、
持ち運び可能をも意味する。行火の原型は、桐(きり)をくりぬいた木箱の中に銅などの金属板をはり火炉とした、桐火桶(きりひおけ)と
よばれる暖房器具である。江戸時代になって布団をかけるようになり、置きごたつの一種としての性格が強まっていった。

炬燵をかこむ家族 江戸時代には、寒い夜がつづく10月に入ると各家庭で炬燵開き(こたつびらき)がおこなわれた。この浮世絵は、
親子が顔見世の番付表をみながら布団をかけた櫓炬燵(やぐらごたつ)をかこんで暖をとっているところで、炬燵は冬の家族団欒(だんらん)の
中心であった。勝川春潮「風俗十ニ候 十月」より。
現在のこたつ
こたつ、行火とも、燃料には木炭を使用する時代が長くつづいた。しかし、昭和30年(1955)代以降は、赤外線を利用する電気ごたつが
主流となって現在にいたっている。
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