クララ 2


●火星の年齢域とサビアン

 なかなか、進まないまま当日になってしまいましたが、書けるだけ書いてみたいと思います。とても、シューマンやプラームスとの関連まで見られませんが、書けなかった分は、反省を兼ねて復習出来れば...と思います。(と言いつつ、ビル・ゲイツもそのままにしてしまった^^;)

 前回は、クララの幼少時の蟹の月の辺りまで、書いたと思います。 年齢域の部分で触れたように、水星から太陽の年齢域が、クララの場合同じ乙女サインにあるので連結していくこと、そこから火星の年齢域になる頃に、火星が蟹サインということから、一度乙女で連結した流れが途切れるのではないか、という想像がつきます。

 またその通りに実際、クララが34歳の時、シューマンは精神病から川に投身自殺を計り失敗、精神病院に入院することとなる。ブラームスがシューマン家を訪ねて3人が出会ってわずか5ヵ月後のことで、クララは妊娠していて身重でした。クララの消耗も激しかったので、入院してからもクララは、夫に会いに行くことを止められていました。

 34歳の6月、末の男の子を出産し、9月の35歳の誕生日を過ぎて彼女は各地に演奏旅行に出て、一家の生計を一人で担うことになるのですが、それはシューマンの病いを考えると、とても何もせずにはいられなかった、という精神的な重圧や悲しみなどを、自分が生計をたてるということで、ようやく崩れるのを防いでいたという状態。

 その時、まだ知り合って1年足らずのブラームスが、彼女の支えとなっていたのは、大きな運命の流れとも言えることでしょう。 クララは、シューマンに会うことを病院の主治医から禁止されていたようで(精神的な興奮を与えるためらしい)結局、亡くなる直前にしか会えなかったようです。 ですが、ブラームスは時折、シューマンと会うことを許されていたので、その間、クララとシューマンの間を取り持つ役目もしていました。手紙を渡したり互いの様子を、彼等はブラームスを通じて会えない間伝えあっていたのでした。

 話を戻して、このクララの火星の年齢域ですが、火星は蟹の4度少しで、サビアンで見ると「踏切で列車とぶつかった車」これは軌道修正の度数で、まさにそのまんまーという感じもします。 火星の年齢域で大ざっぱに言えば、水星、金星、太陽という流れを修正するような生き方に変わっていくと、見ることができるのではないでしょうか。

●ディスポジター

 ディスポジターを見てみます。 木星と天王星のミューチュアル・リレプションに、月を根に、また、水星を根に持つ形です。

 面白いのは、木星以遠の天体、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の流れが、木星と天王星のミューチュアルになること。月と火星で、一つの独立した根になること。水星、金星、太陽でまた、一つの根になることがあげられます。

 木星から遠い天体は、時代の流れとか、社会とか、本人の個人性よりもっと大きなものを表わすと思いますが、クララの場合、この部分と個人の天体が、アスペクトとしてはあっても、ディスポジターとして関連し合わない形で、これは彼女の1−3ハウスの個人的天体の集中をあわせて考えて見ても、彼女個人と時代の流れは、どうもスムースには連結されていないような感じを受けます。

 彼女が当時珍しかった、女性のピアニストということですが、女性のピアニストが珍しかった時代だったので、父親が野心を抱き、ピアニストにしたいと思っていたようですし、また、そのピアノで彼女が生計を立て生きてゆくのも、普通の女性では、当時大変だったと思うし、珍しかったのではと思います。

 どうも、このミューチュアルと2つの根を見ていると、クララの中にはいろいろな葛藤があったようにも感じます。 水星を根にする方は、ピアニストとしての個性と才能を磨いていきたい彼女であり、月を根にする方は、幸せな家庭生活をしたいという感じが伺えます。そして、そんな彼女の思惑とは別に、時代は動いて行っているような。

 クララの父親は、バッハやベートーベンを崇拝していましたが、時代は華麗な、宮廷音楽のようなものが、もてはやされていて、ベートーベンは当時亡くなっていましたが、忘れ去られていたということです。

 シューマンもクララの父親と同様に、ベートーベンやシューベルトの流れを汲んで行きたいと思っていたらしい。シューマンが初め、クララの父親に弟子入りしたのは、この辺の一致があったのでは、と思われます。

 当時、メンデルスゾーンやショパンなども生きており、シューマンやクララとも交流があったようです。この頃、ロマン派としてシューマンは、まさか自分の名が後世に残るとは、自分では思っていなかったようで、ショパンやメンデルスゾーンを高く評価していました。しかし、クララはシューマンこそが名を残す者と信じて疑わなかったようです。

 また時を同じくしてリストとも交流しますが、リストとは後にシューマン家は決裂するようになっていきます。 音楽を聞けばわかるように、リストのはっきりわかる作品の派手さと、シューマンの内面的な作品の美という対比は、どうやら出来ないようです。互いに相手を認めなくなってゆき、特にクララは、リストや、後にリストの弟子となったワグナーの音楽は理解できない様子でした。

 あくまでも、素朴で美しい音楽の世界に生きるシューマンとクララに対しリストは、ピアノの華麗さを追求していくので、タッチに関して特にうるさかったクララは、叩きつけるようだと、リストのピアノを批判することもしばしばあったようです。

 ですが、時代はどちらかというと、地味なシューマンの作品よりも、華麗なリストの方に優勢だったようです。 シューマンの後をつぐのはブラームス、ドイツロマン派はブラームスで完成されるような形となるのですが、シューマンとクララが見込んだブラームスの作品を、クララはまだ彼が無名の時代から演奏会の曲目に加えていました。

 そう、クララの演奏するものは、ベートーベン、バッハ、シューマンなど、とても当時のコンサートとしては、取り上げられないような曲ばかりで、これは敢えて、クララの時代への挑戦とも取れる部分です。

 シューマンとのウイーンで演奏会、1846年は失敗に終わり、クララは楽屋でヒステリックに叫んでいて、シューマンになだめられていたという記載があります。 ドレスデンに移ってから、なかなか希望通りの活動が出来なかったので、クララが以前成功したウイーンでの演奏会の再現を夢見て、演奏会が行われたようですが、客の入りも少なく反応も冷たかった。彼女は「みんな冷たい人なんだわ」とわめいており、シューマンは静かに「落ち着きなさい、クララ、10年たてば全てが変わるよ」と言ったそうです。

 クララは、シューマンの音楽が認められることに対しては、非常に野心家だったとも言えますし、またそれは、彼女の盲目的な愛情の裏返しでもあったし、彼女のチャートに見られるディスポジターの状態から、伺えるような部分でもあります。ピアニストとして、また母親や妻として時代に挑戦していったような...。

●火星とパラスの合など

 彼女の火星を、もう少し見てみたいと思います。

 火星のサビアンは軌道修正が暗示されているようですが、彼女の火星とシューマンの水星は合。 シューマンが精神病になるというのは、シューマンの水星の病と捉えることはできないでしょうか。

 とすると、シューマンの水星を合の火星で支えていたクララは、(つまり、シューマンの水星で生まれる作品を、実際に演奏していたのはクララである。また世渡りの下手なシューマンに代わって、彼の働き口を探したりしたのも彼女である=行動の星、火星の暗示)シューマンが病いに倒れた後、自ら、彼の水星を代弁するかのように、生きていくようになるとも考えられます。

 彼女の火星は、小惑星パラスと合。パラスは、真実の愛と正義に向かって戦う部分を持つのではないでしょうか。これは、彼女の12ハウスという、見えないハウスではありますが、縁の下の力持ち的な出方をしていたのではないかと。

 このパラスの対向には、ネイタルの海王星が6ハウス。芸術を仕事としていくという感じを受けますし、彼女の海王星は射手25度「戦場の旗手」。 彼女の掲げる旗は、シューマンの音楽であったけれど、それはなかなか、当時、認められるのに時間のかかるものでした。でも、彼女は、シューマンの音楽、またはブラームスの音楽という旗を掲げつづけた。彼女がそれを仕事としてやっていた裏には、パラスの表わす正義感や、彼女の精神的な愛というのも、考えられる部分です。

 この12−6ハウスのオポは、10ハウスのベスタや土星とスクエアになっており、大きなプレッシャー、また精神的に犠牲にしているもののやりきれなさみたいなものも、大きかったように思えます。

 月にはセレスも合しており、蟹にパラス、火星、月、セレスと4つ天体が入っていることになります。非常に養育という蟹サインのキーワードとおりに、保護したり、慈しんだり、育てるという方向が、強い女性のように感じます。

 12ハウスの火星で裏で働きながら、1ハウスの月という妻の顔に徹したという辺りも、クララの生き方とチャートの関連があるのでしょうか。 この12ハウスから1ハウスへ固まっている天体などと、3ハウス、4ハウスの乙女の天体といくつも出来る60度は、彼女が才能を生かしながら、月の部分を生きていたという感じもしないでもないです。

●まとめ

 また、全体的な部分に戻りますが、個人性の強い天体が彼女の場合は、主に左側にあり、木星以降の遠い天体が主に右側にあり、その境目が10−4ハウス、土星、冥王星と太陽のオポという形でつながっている。

 これは彼女自身が4ハウスと10ハウスという葛藤の中で、時代を代弁し個人で挑戦していったというようにも、私には見えるのです。 彼女のこのハウスのオポと、それをTスクエアに格上げする6ハウスの天王星と海王星の辺りは、夢を求めての革新的行動として、十分現代の私たちの目には映るのではないでしょうか。

 天王星を根にした太陽の絡んだTスクエアは、急進性も表わすようで、10ハウスの土星と冥王星を、否定するスクエアとして働きます。10ハウスとの土星と冥王星は、社会の中で、形式がもうでき上がっているような、強大で、何か頑固なものでしょう。

 彼女は古典を目指しながら、古典から生まれたシューマンのロマン派作品を自らピアノの演奏会で演奏することで、広めようとしたのですが、MC-ICは、集団性の軸で、個人として生きるASC-DSCと比べると、はるかに集団としてのパワーが強く出る部分。

 自分が、どの集団に属しているのかを思い知る部分で、彼女は4ハウス太陽という保守的な位置の太陽を持ち、土星や冥王星のオポで非常にスタイリッシュに型にはまったことをやっていくという形に見えながらも、ここのオポの葛藤、つまり集団の意見を代表するかのような彼女の4−10ハウスのオポは、6ハウス海王星と天王星で、Tスクエアという状態になっており、これは夫シューマンを太陽とし、土星を父と見た時の二人の葛藤を表わしているようでもあります。

 結婚問題では、裁判所に持ち込んでいますし、クララの父親は、怒りの挙句クララに財産を譲らないとかめちゃくちゃな条件を出したり、クララを失墜させようとまで手を回したりし、ますますクララに父親離れをおこさせてしまいます。

 しかし、クララとしては、何度も和解に持ち込もうとしたようですし、シューマンとの生活での経済的な不満などは、一度も実家にはこぼさずにいたということです。これを言えば、そらみたことか、と言われるとわかっていて、言わずにいたものと思えます。

 6ハウスの天王星と海王星ですが、これはシューマンを有名にし、困らずともお金が入り、生計を立てられるようになったら、頑固な父親にもシューマンを認めてもらえると思っていた20歳前のクララの思いの延長であり、(土星と天王星のスクエアは、土星を父親と見た時に、その束縛を打ち砕くという形で、天王星=独立精神、が関与する感じに見える)

 それを、海王星という、音楽を演奏する仕事の手段の中で行ったこと、海王星とオポのパラスで、正義感と純粋な愛情というのが、そこには裏うちされていたということが、あげられるでしょう。

 太陽と天王星のスクエアは、独立性を強めます。クララにとって、独立してほしかったのは夫だったのでしょうが、クララがピアニストとして一生家族を養っていけたのも、この部分での独立性の強さがあったからとも思えますし、蟹サインの強調に見られる家族に対する愛情の細やかさも、考えなければならない部分です。

 ブラームスとの結婚は、周囲は当然するものと思っていたようですが、シューマンの死後、クララはシューマンへの愛情を再確認するようで、また、ブラームスも、うわついていた気持ちも収まってくるようです。

 シューマンが入院してから亡くなる2年の間は、クララとブラームスがプラトニックな関係だったのかどうかは、ちと疑うような感じも持ちますけれど、シューマンの死によって、何か二人の間は一つ結論が出てしまったようです。シューマンの死によって、二人はかえって高められたというような感じで、捉えています。

 全然、相性まで入れませんでしたが、後は復習に回したいと思います。


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