クララ 1
●2.3.4区分から全体

男性3 女性7
活動2 不動1 柔軟7
火2 地3 風1 水4
どちらかと言えば女性サインが多く、柔軟性質で、やや水が多くという所で、特に目立った感じはありません。柔軟の多い所は、環境の変化に自分を変えていくことの出来やすい感じを受けます。または、周囲の影響を受けやすい傾向があるといった感じ。しかし、実際のクララは割と頑固で強情な部分もあったようです。
おおざっぱに見ると、 ASC,IC,MC辺りに天体が感受点が集中しているようです。これは、軸の部分にトランシットなどで天体がかかるときもろに自分のチャート上で、影響を受けることを示しているのではないでしょうか。
それでなくても、軸の部分にかかるトランシットなどは、割と大きな影響を与えるようですが、クララの場合しっかりチャート上の天体にもそれらが合やオポジションで関わってくるということになるので、特に影響の出方が激しい感じも受けます。
それと、土星と冥王星の合という、非常に重たい天体が、MC付近に上がっていること。
これはエルフさやかさんの出して下さった資料にもありましたが、そのまま厳格な父親の重圧であり、またクララ自身が一生感じ続けていた、プレッシャーではなかったかと思われます。
夫のシューマンを精神病院に送ってからというもの、一人で7人の子供を養い、シューマンの治療代を、クララはただ1人ピアニストとしての演奏旅行で稼ぎ出していました。
夏の間だけ家族と過ごし、秋から次の夏前までは、ずっとヨーロッパ各国を演奏旅行という形で歩き、生計をたてていたようです。自分がやらなければという思いが、ここまで過酷な生活を、クララに強いても、彼女はそれをやってのけていたのでしょうが、そのプレッシャーは、さぞ凄いものだったろうと察します。
●1−3ハウスへの集中
また大ざっぱにみるもう一つの特徴として、個人的な天体、月、火星、太陽、水星、金星が、ほとんどチャートの左下部分にあること。太陽は4ハウスに入っていますが、 ICと合の状態です。
これは、彼女の個人的能力というものが、ほぼ1−3ハウスで使われているということではないでしょうか。 (火星は12ハウスですが)彼女にとっての個人的な関心というのは、1−3ハウスに重点を置いていたのではないかということが、考えられます。
彼女は幼い時から厳しい父親のしつけの元で育てられ、幼い内よりピアニストとして名声を手に入れました。シューマンとの結婚の確執などから、父親に激しく抵抗した時期もありましたが、ピアニストとしての自分を思う時、常に父の努力があったから、父がいたからこそ、今のピアニストとしての自分があるのだ、と思うような部分があったようです。
ピアニストは一生、自分の演奏能力をどこまでも高めていくような事が必須であるような気がします。毎日何時間もの練習、それに費やすため若い普通の娘が体験するようなことを、クララはほとんど体験出来ずに、娘時代を過ごしていたと思います。これは言い替えれば、ピアノや音楽以外の物事に対する関心を、極力集中して、絞っていくこと。
言葉が乱暴ですが、興味を狭めることで集中し、ピアニストは自分自身を訓練して、自分のピアノの腕や音楽性などを洗練させ、鍛えていくというのが、一番の関心事なのではないでしょうか。好きでなければ、出来ないことと思います。
肉体を鍛える人が自分の肉体に一番関心を持ち、管理するように、クララもまた、自分のピアノの演奏能力が上達することを願い、本当に年を取るまで練習を欠かさず、努力しつづけた人でした。
シューマンとの新婚当時、子供も生まれ家事も忙しく、自分はシューマンが散歩に出た隙2時間位しかピアノを弾くことが出来ず、どんどんピアノが弾けなくなるのでは、と焦るような部分を本で読みましたが、この部分と、クララの1−3ハウスへの天体の集中を、私は被せて感じてしまいます。
●3ハウスと年齢域
1−3ハウスの集中と、クララのプレッシャーにも似た、自分のピアノの腕を落とさないように練習するという辺りですが、これは、3ハウスカスプが獅子であること、また3ハウスに乙女の水星・金星があること、4ハウスに乙女の太陽があることからも、納得できる部分でもあるようです。
乙女というサインは、個人的な能力総仕上げの部分であり、また、3ハウスはナチュラルサイン双子の部分です。双子サインは、人間の体で言えば、神経に対応します。3ハウスは具体的には神経の発達、機械的な能力の増大に関わるとも考えられます。つまり手先が器用という場合、手先の神経が発達しているという言い方が出来るのではないかと思います。
3ハウスが双子と同じルーラーを持つ乙女で、3ハウスの強調が見られます。ここの水星は、強く働くことでしょう。双子の水星なら、知識または言語コミュニケーション能力としてでしょうが、乙女の水星ですから、細部まで細かく分析し、観察する能力として、自分自身の個人能力となる3ハウスで発達してきます。
この乙女の水星は、時には、批判精神にも通じるようです。シューマンが穏やかに批評するのに比べ、クララは好き嫌いがはっきりしていたと、本には書かれています。そして、3ハウスカスプが獅子ということは、ルーラーは太陽。
太陽は自らが輝きたいと思う部分ですから、3ハウスを高めていくことが、すなわち太陽が輝くという事にもつながる。厳密には太陽は4ハウスですから、クララが輝きたかったのは、実際には4ハウスの中。家族であり、家庭の中だった。
ピアノを子供に教えながら、クララ自身もまたピアノを練習し、そこにシューマンがいるという図。家庭をもってしばらくの間の様子は、クララの3.4ハウスの天体が示すように、大変であっても彼女にとっては、大変幸せだったのではないかと思えます。幸せというか、クララ自身が望んでいた生活、そんな感じを受けます。
彼女は、家事や子育てから、一時全くピアノを弾かなくなりますが、今度は夫であるシューマンを、世に認めさせたいと頑張ります。知り合いを自宅に呼んだ時など、シューマンの作った曲をせっせと取り上げて演奏していた。
彼女のこの水星・金星・太陽辺りは、マジョリティというには、オーブが広いですが、それぞれ隣の天体とは合を作るような状態で、惑星の年齢域を考えた時に、水星から金星へ、金星から太陽へという移行が、連続して行われることを表わします。(同じ乙女サインの中で連続する)
8歳でシューマンと出会っていることも大切と思えます。これは水星の年齢域に入ってのことで、文字通りシューマンとの出会いからその後、金星、太陽という一連の彼女の連続した人生は、展開していきました。
火星の年齢域で水星・金星・太陽と連続した乙女の流れがとぎれ、最愛のシューマンを失い、まだ36歳だったクララは第二の人生に向けて、生きていくことになるのです。
●幼少時と蟹の月
3ハウスの水星は、コミュニケーションのうまさを表わすように思えますが、クララは小さい頃、父母が忙しく、言葉が明晰でない女中に育てられ、そのせいか言葉の発達が遅れていました。それは8歳まで残っていた、と日記にはあります。
子供は両親の話す言葉を聞きつつ、育っていくらしいですが、月の年齢域は生まれてから7歳位までをさします。この時期の模倣する対象で、クララの言葉は遅れがちとなった。言葉の遅れが戻ってきたのは8歳、これは月の年齢域から、水星の年齢域に切り替わったという、転換点かもしれません。
しかし、ピアノは毎日聞いていたので、耳はよく発達していた。言葉より音楽に敏感になっていたそうです。 父親はこれを見て、同年代の言葉が達者に喋れる女の子たちと、クララを一緒にしてピアノの稽古をさせた。すると、クララの言葉を話す能力も次第に発達し、同時に音楽の記憶力も素晴しいひらめきを見るようになった。
ここからチャートを見て思い当たるのは、ASC蟹と合の蟹の月。蟹は模倣を表わし、月は光を反射することから反応ともなります。 二重に強められるこの模倣性を、父親が知らずとも、幼いクララにこのように指導したことは、ASCと蟹の月を考えると、ぴったり成功、と言える気がします。
5歳の10月から、父親がこの合同での稽古をさせたというのは、チャートにも出ているようです。彼女の5歳の誕生日から、彼女に「組織的な」ピアノ教育を施したとありますが、クララが5歳の頃は、進行の月と進行の金星が合になり、ネイタルの太陽と合という図。

5歳にして早くも彼女は、彼女の太陽 (目的意識)に、生まれ持った月の才能、これを母と見れば彼女の母親 (ピアニスト)の暗示と、MCとオポの金星 ・・常にMCに向けられ、MCを支える基盤であり、5ハウスカスプ「自己表現」、11ハウス「可能性」狭在サインのルーラー・・とを、進行で重ね合わせていたのでした。
彼女の母親は、クララの父親つまり夫によって、やはり名ピアニストへの特訓を受け、身重でありながら演奏活動をしたり、長時間の練習を強いられて、初めは辛抱していましたが、それが元で、離婚しました。
妻がいなくなってクララの父は、音楽的才能が芽生えかけていたクララに目標を変えたのですが、クララ=光輝く、という名前を与えられていたように、生まれた時から、ピアニストにするという父親の、強固な意志の下にいたのでした。
彼女の太陽のアスペクトは、後に書きたいと思いますが、非常にハードで、また、彼女のMC付近に陣取る、重たい土星と冥王星を、対抗から受けるような形にもなっています。
間接的ですが、進行の月と金星がこの出生の太陽との合の裏には、暗に、土星と冥王星で表わされるような、父親の意図があったという風に読むことができます。(これは、太陽と土星・冥王星の緩めのオポジションに見られます)
また、進行の月と進行の金星の合は、それだけをとれば身近な所でのちょっとした楽しみという感じで、クララはこの同年代の女の子たちとの稽古を、割合と楽しんでいたように思います。
進行のASCはそのころ、出生の月を通過していますが、これは、 出生でASC合月の課題は強められ、消化されるのか ?? 持って生まれた資質=ASCが進行し、出生の月との合は出生の月が持っているやり方で、持って生まれ進行した資質 (ASC)に変化を起こすことではないだろうか??
この頃、クララの生活で目立った変化があるとしたら、4歳の頃、母親から親権が、父親に移ったことかもしれません。 出生の月との合を離れていく進行の ASCは、ごく単純に母親との距離が、遠ざかると見ていいのだろうか。実際には、その後も遊びに行ったり、成長してからもずいぶんクララは、実母には助けてもらっているようでした。