自由求めてざわつく新生香港


 7月1日に誕生する新生香港のチャートをみてみました。
日本時間の午前1時1分です。(ハウスシステムはレジオモンタナス)

 要点からまとめると、新生香港は、
「中国政府との軋轢は必至で、流血を伴う政治的混乱が発生する」
「経済面では大陸の最前線であり続ける」
ということです。

 新生香港を示すASCは牡羊4度にあります。支配星の火星が香港人の表示体となります。その火星は、7ハウスにあって天秤に入居。ASCとはオポジション(つまりほぼDSC上にのっかっている)。天秤の火星はデトリメントで品位が良くありません。

 新生香港のチャートで、根っこを示すIC、つまり4ハウスのサインは蟹です。4ハウスには太陽(政府を示す)と水星があります。特徴的なのは、伝統的な占星術の手法で中国を示すサインは蟹です。蟹に根っこがあり、さらに政府の表示体である太陽もあるということで、香港が土台部分で中国に組み込まれたという象徴です。

 その太陽(中国政府)と、火星(香港人)はスクエアになっています。さらに興味深いのは、火星の動きを追うと、まず11ハウスで水瓶にある天王星とトラインを形成した後、太陽とのスクエアへとアスペクトしていくという点です。天王星は、逆行しているとはいえ水瓶で品位が良く、さらに11Hということで「自由」の強い象徴といえます。火星で示される香港人は、この自由への強烈な指向を経て、中国政府と対立していく構図が読みとれます。

 もともと香港人の心情には、反体制的な傾向があるとチャートでは読めます。MC(10ハウス)は「権威」を示します。MCは山羊にあり、山羊の支配星である土星は1ハウス(香港人)に入居。喉に刺さった魚の骨のように気になり、プレッシャーをかけています。土星が牡羊というのは「フォール」で品位が悪い点も不満に輪をかけます。さらに、香港人を示す火星が、7ハウスにあるというのも、パートナーである中国政府との不和の表示といえるでしょう。

 「流血も」と書くと、オドロオドロシイので誰かに怒られそうですが、気になる表示があります。 マンデンでは、通常の人間のネイタルではあまり使われることがない「恒星」が影響します。新生香港のチャートで、死を示す8ハウスのカスプは蠍13度にありますが、実は「South Scale」という名の恒星(14度56分)がここにあります。この星は、火星と土星の性質を併せ持ったような星とされ、「忍耐、妨害」といった意味を持ちます。香港人が自由を求めて忍耐の限界に達し、自由を妨害されることがあれば、流血(というか、はっきりいえば死)の予兆をチャートから感じ取ることができます。冥王星が8ハウスにあり、7ハウスを支配する金星とトラインなのも、嫌な感じがします。金星は、火星のディスポジターでもあるからです。

 話を火星(香港人)と太陽(中国政府)とのスクエアに戻すと、ともにカーディナルサインにあり、結構早い段階から軋轢が表面化すると思われます。太陽は新生香港の軍事(6ハウス)面も支配していますし、MCとオポなので、混乱は強硬な手段で押さえ込まれる感じです。いずれにしても、香港の人は騒げば騒ぐほど、不穏な土星の圧力を感じることでしょう。

 では、新生香港の経済面はどうでしょうか?

 注目したいのは2ハウスにある月です。牡牛にあって品位が良い(イグザルテーション)のが光っています。 この月、実は新生香港のチャートの中でとても重要な役割を果たしています。月は「鏡のように天体の影響を反射する」と言われますが、占星術の技法でトランスレーション(ある天体の力を別の天体に運び込む、というような意味)に月が使われます。

 月の動きをみると、最も直前のアスペクトは、水星とのセキスタイルでした。この水星の影響を次にアスペクトする天体に持っていくわけですが、月が次にアスペクトするのは木星です。このアスペクトはスクエアですが、水星、月、木星とも力強いので、良い意味が現れることになるでしょう。

 サインには、ディグニティーやイグザルテーションの他に、「ターム(TERM)」という区分けがあります。例えば、水星の入居している蟹の場合、

 タームの範囲     支配星
 0度から5度まで   火星
 6度から12度まで  木星
13度から19度まで  水星
20度から26度まで  金星
27度から29度まで  土星

 という関係があります。水星は蟹14度にあり、蟹のサインの中で自分に最も有利なタームにいます。品位がよい状態です。 さらに水星は、恒星「カノープス」とコンジャンクションです。カノープスは「名声、完成した知恵」などの意味があるといわれています。度数は1度ずれますが、蟹13度には「信頼、力強さ」を示す強力な恒星「シリウス」もあり、ともにベネフィック的です。

 2ハウス(財力)の月は、この強力な水星を、幸運の星・木星へと運びます。木星も、実は水瓶サイン内で自分のタームにいる品位の良い状態です。しかも、11ハウスに入っていて「アクシデンタル・ディグニティー」です。木星近くでは、「幸運中の幸運」という意味を持つ恒星「サダルスード(Sadalsuud)」もありますね。

 新生香港のチャートで、水星は3ハウスと6ハウス(乙女が6ハウスで狭在になっている)を支配し、木星は9ハウスを支配します。水星は蟹で4ハウスですから「中国本土の情報」を、奉仕的(サービス満点!)に(6ハウス)、国外(9ハウスの支配の木星)に伝え(3ハウス)ることで、富を得る(2ハウスの月)という感じですね。今まで以上に、中国ビジネスの拠点として繁栄するのかもしれません。

 ただ、政情不安となればビジネスどころではないでしょうし、香港だけでなく中国本土のリスクも高まります。いずれにせよ、政治的安定を築かねば、経済的に栄えることなど無理な話です。実際、月と木星はスクエアなので、困難の克服に挑戦しないと、新生香港に明るい未来はやってこないのかもしれません。


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