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チリの首都サンチャゴ。そこは私たち日本人にはきっと、最も縁の無い街のひとつだろう。巨大なビルが立ち並び、車がひしめき合い、地下鉄が走る、実はそんな街なのである。
南米の中でも、比較的治安は良い国の、その沖合(といっても4,000km近く)に僕の気持ちをかき立ててやまない島があった。モアイでお馴染みのイースター島である。
早朝、日の登るころ、サンチャゴの空港に到着した。
念のためということで、だいぶ早めにホテルにタクシーを呼んだが、南米旅行ではあたりまえのことである。まだカウンターも開いていない。。。本当に飛ぶのかな? こういった不安がよぎるのも南米らしいといえばそれまで。
しかし、無事カウンターは開いた。さっそく搭乗口に向かうが、何故か一回出国の手続き。イースター島はチリ領なのに。。。まぁ、この飛行機はパペーテ(タヒチ、フランス領)行きだから、と気にもせず、ゲートに向かう(実はこれは問題であったのだ。。)
のんびりカフェでくつろいでいると、先日のマイアミ→サンチャゴ便では私以外いなかった東洋人(というか日本人)が何故かポロポロ集まってくる。さすがゴールデンウイークだ。
南米の飛行機は遅れるという心配をよそに、ほぼ定刻テイクオフ。
ランチリ航空のB-767-300ERはまだ出来たばかりかとても新しく、ピカピカだ。
朝食はオムレツ、パン、フルーツ、ジュース、コーヒー。。と、なかなかゴージャス。
1時間半後、フェルナンデス諸島(ロビンソン・クルーソー島がある)上空通過。順調な飛行だ。食事後寝ていると、やたら機内が騒がしい。欧州の人がやたら大声で笑ってる。ナゼ
と思い、スクリーンを見ると、何と南米版ドッキリカメラをやっている。確かにこれは面白いし、言葉が無くても笑えるので良いアイディアだ。笑いのセンスは"基本的には"万国共通らしい。
5時間半後、飛行機は高度を下げ、紺碧の海上をかすめだす。いよいよ着陸だ。
イースター島はチリ領だが、サンチャゴとは2時間の時差がある。そこは、チリ本土の沖合3,760km、一番近い人が住む島からも2,000Km離れている、南回帰線近くにある周囲約60kmの絶海の孤島なのだ。
着陸間近になると、機内がやたら騒がしいくなる。いよいよ島が眼前にせまったようだ。
島に着陸。感動の一瞬だ。
イースター島唯一のマタベリ空港(Mataveri)は、平屋一棟の簡単な作りのもの。
しかし、1985年にNASA宇宙局のチャレンジャーの緊急着陸滑走路として、拡張工事がなされ、滑走路長は3,300mもある立派なものだ。
空港では沢山の宿の客引きが待ち構えていた。宿泊客が書いたとおぼしき「推薦状」(これがちゃんと各国語そろっている..)を見せて、うちに泊まれという。みな民宿で、だいたい相場は一泊20ドル位だ。何人もの人が寄ってくるが、結局そのうちの一件に決定。
マルティンインという民宿だ。主であるマルティン氏はポリネシア系らしく大きな体で、お相撲さん風、しかし、とても優しそうな笑顔をもつ。「町の中心には近そうだし、まぁいいか。」ということで、5泊の滞在を依頼し、車に案内されると、ひとりの日本人青年が乗っている。彼もここに決めたらしい。
マルティンインは平屋の民宿で、各部屋には外部との独立したドアがある。一歩外に出れば、そこは屋外である。さて、荷物を置いて外へ出ようとすると、鍵が無い。???と思っていると、マルティン氏ニッコリして、「ここは治安が良いから鍵なんていらないのさ!」、エッ、と思って見てみると隣の部屋も開けっ放しである。「その部屋の連中は、島の裏側で野営するそうだよ。星を見たいらしいね」なるほどね、、、まぁトランクに鍵をかけておけば平気か、と彼の弁に従う。本当にのどかな所である。

さっそく、海岸にあるタアイの遺跡に向かう。
「なんて綺麗な海なのだろう!!こんな綺麗な海見たことが無い!」それほど美しい海だった。しかし、この綺麗な南太平洋で核実験をやるとは、フランスも訳のわからない国だ。フランス人でこの綺麗な海を見たことのある人は何人いるのだろう。自分の家から遠くでやればいいというつもりなのかなぁ、、、同じ太平洋に向かう民族としてやはりそう感じてしまう。
タアイ遺跡(Tahai)
ここには五体のモアイが紺碧の海を背にしてたたずんでいる。モアイは一部のものを除いて、全て海を背にして、内陸を向いて立っているのだ。ここタアイ遺跡のモアイ前の広場は宗教や儀式の集まりに使われた所である。五体のモアイ、アウ・タアイ(Ahu Tahai)の向こうには「コテ・リク(Kote Riku)」という名前のモアイがポツンと立っている。ピアウ(Pijau)と呼ばれる、赤石のかぶりものを載せ、目も入っている。。。「モアイに目?」と思う人もいるかもしれないが本来はそうなのである。
島にはかつて約1000体ものモアイがあったが、全て、過去の部族闘争により倒され尽くしていた。特にモアイは目から超能力を出したといわれ、まず、目を抜くことにより、その霊力を絶ったそうである。そんなわけで、倒されたモアイには目が無い。今、こうして立っているモアイは全て復元されたものだ。特に、唯一目を入れられた、コテ・リクはじっと見つめていると、本当に動きだしそうな気配を感じる。
また、モアイは「アウ(Ahu)=祭壇」という土台の上に乗っているが、これもただの土台ではない。ここは神聖な場所で、登ることは非礼にあたる。島民にはその意識が強く、現にアウの上に上がり、注意されている西欧人もいた。
やがて日が西に傾き、モアイは真っ赤な夕日に黒く浮かび上がる。
そして夜の帳とともに、南十字星が輝きだし、孤島は夜につつまれた。

闇に浮かぶモアイと南十字星(長時間露光)
画面下方、モアイのすぐ横にあるダイヤ型の星座です
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