1月3日 ドレーク海峡を行く

帰りもドレーク海峡は静かだった。そこそこは揺れるのだが、噂に聞いていたほどではない。安心した反面、肩透かしをくったような気持ちで少々残念だ。
このころになると、他国の乗客とも顔見知りになり、コミュニケーションもだいぶ増えている。いろいろな雑談をしたり、船の図書室にいったり、昼間からサウナに入ったりして時間は過ぎていく。レクチャーも続くのだが、私の英語力では到底集中力が持続しない。。。図書室は日本の乗客が残した日本語の本もある。また綺麗な写真集も沢山あるので楽しめる。もっとも楽しむ以前に(揺れで)気分が悪くなってしまう。。。。。


1月4日 帰 還

最終日、この日は清算からはじまる。船旅中の食堂での飲物代、クルーへのチップ、売店での買い物代等をまとめて清算する。米ドルの他、VISA,MASTERなどのカードも使える。

船はだんだんと揺れを増してきた。舳先で砕けた波が、バケツで水をかけるように最上階のデッキまで飛んでくる。そのとき、はるか彼方に陸地が見えた。南米最南端のホーン岬である。南極に向かうときは、はるか地の果てに思えたこのホーン岬だが、今度は「人の住む所に帰って来たんだ」という感動がこみ上げてくる。船は前後に大きく揺れながら、ゆっくり前にすすんでいく。陸地はほんの少しずつその大きさを増して来る。この船の右は大西洋、左は太平洋なのだ!
前方に見える荒涼とした岩山はストンと海中に没しているが、その中腹に申し訳程度に灯台がへばりついている。船は岬に近づくとビーグル海峡を目指し、大西洋側に進路を変える。空には南極では決して見ることのなかった、暖かい太陽がきらめいている。イルカ達が楽しそうに船と平走している。かつて南極に挑んだ冒険家達も、この岬に帰って来て生の喜びを感じたのだろう。
今日はキャプテンも加わってのディナーだ。また、預けてあったパスポートには先日訪れた基地のスタンプが押されていた。夜9時、外は夕暮れの様相を示してくる。もうウシュアイアの町はすぐそば、船は明朝には着岸だ。1週間ぶりの「暗い夜」の到来に旅の終わりを感じた。


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