ルドルフ・ゼルキンのピアノ、オーマンディ指揮するフィラデルフィア管の演奏で、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴いています。SONY、1960年録音。冒頭、憧憬に満ちたホルンと繊細を極めたピアノとの睦み合う呼応の導入からして、もう、陶然とさせられます。主部に入って強奏される部分でも、ソロとオケが互いに協調しながら、全体が輝かしい音色を放ちます。そうして、両者ともによく歌う。ゼルキンのピアノのタッチは自在に変化し、表情がのびのびしていながら細やかで愉悦に満ちています。オーマンディ率いるフィラデルフィア管の豊饒な響きもいい。これはすばらしい演奏です。後年、ゼルキンはセル指揮、クリーヴランド管とも同曲を録音していますが、私はそちらはまだ聴いたことがありません。比較してみたいと思うけれど、セルのものは現在廃盤ぽいです。
このオーマンディとの2番が気に入ったので、同じ顔合わせの1番をネットで廉価中古で求めたのですが、送られてきたのは、懐かしいODYSSEYのシリーズのものでした。これはずいぶん古いプレスで、音質がシャリシャリ、ガリガリしていて、フィラデルフィア・サウンドが聴き取れず、ゼルキンの振幅のあるピアノも頭打ちになってしまっている印象です。2番の翌年の1961年の録音ですから、しっかりリマスタすれば、同じ程度には音質が改善されると思うのですが。1番についてもゼルキンは後年、セル指揮、クリーヴランド管と録音していて、これは私は所有しています。しかし、音質の条件がフェアではないため、比較しにくいです。オーマンディ盤がリマスタされれば、恐らくそちらを採るのではないかと思います。
ともあれ、ゼルキン、オーマンディ指揮、フィラデルフィア管のブラームスの2番の協奏曲は、お薦めです。
●参考CD
○ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
・ゼルキン(ピアノ)、オーマンディ指揮、フィラデルフィア管(日SONY) →♪amazon.co.jp