タオの日記
ジョン太の夫が書く日記。
夫婦で一緒に居ても、思うことはそれぞれ。
同じこと考えてたり、なかったり、そんな普通な毎日です。
忘れられないクリスマスの想い出がある。
まだ結婚する前、彼女と知り合って半年、初めてのクリスマスの話だ。
2年前のクリスマスイブ、彼女からクリスマスカードが届いた。
それを手にした私はその時ひどく驚いていた。
なぜなら私たちのクリスマスは先週末に済んでいたと思っていたからだ。
当時私たちは週末ごとにお互いの家を行き来していた。
彼女は博多で、私は小倉だった。新幹線で20分、特急で40分の距離だ。
私が彼女の家に遊びに行くと、その翌週は彼女が私の家を訪ねる。
そんな週末だけのデートを繰り返していた。
その年のクリスマスは平日だった。平日は仕事があるので会うことができない。
私たちは一足早くその前の週末にクリスマスのお祝いをした。
そこで私たちのクリスマスは終わったはずなのだ。
それなのにクリスマスカードが届いている??
そんな話は聞いてなかったのだが・・。
クリスマスイブの日、仕事が終わり、みんなとお酒を飲み、少しだけ
クリスマスのお祝いをして、私が家に帰ったのは午前3時のことだった。
ポストに届いてた彼女からのクリスマスカードを見つけ、部屋で開いてみた。
彼女からのクリスマスカード。それは開くと音楽が流れるカードだった。
しかし・・。そのカードはなぜか音が出なかった。何度も開いたり、閉じたり、
いろいろ試してみたが、カードに取り付けられている装置から音楽が流れる
ことはとうとうなかった。私は酔った頭で考えた。
配達の途中で壊れてしまったのだろうか?それとも彼女が何度も試して
電池切れでも起こしてしまったのだろうか?いずれにしてもカードから
音楽は流れない。そのことをどうやって彼女に伝えたらいいのだろう?
どんなふうに話しても、きっと彼女はがっかりするに違いない。
クリスマスカードを開けると、音楽が流れ出し、それを見て、
私がちょっと驚いたり、喜んだり、そんな姿を想像しながら
そのカードを選んでくれたのなら、壊れて音が鳴らないことを
一体どうやって伝えたらいいのだろうか?電話で話すか?直接会って話すか?
「クリスマスカード届いたよ。ありがとう。でも壊れてて音鳴らなかったよ」
なんて言えるはずがない。私には彼女を傷つけずに話す自信がなかった。
ひとの”思い”は大切にしたい。相手のことを思いやり、してくれたことには、
それをきっちり受けとめたい。いいかげんな返事で傷つけたくはない。
どれだけ嬉しかったか、それをきちんと伝えたい。
どんなふうに話しても上手く伝えられないのなら、
どうやって彼女に伝えたらいいのだろうか?
私はもう一度コートを羽織って外に出た。クリスマスカードを買うために・・。
真夜中コンビニに行き、クリスマスカードを探した。
さすがにクリスマス当日のため、置いてあるクリスマスカードは
売れ残りで、あんまり良いデザインのものはなく、何軒かコンビニをまわり、
ようやく気に入ったクリスマスカードを買うことができた。
私は考えたのだ。話す前に、手紙で先に伝えておけば、きっとショックも
少ないだろうと。ただその年のクリスマス・イブは木曜日、私が家に戻った時
は、すでに金曜日のAM3時だった。土曜日になればまた彼女と会う。
その前になんとしてでも手紙を届けなければいけない。金曜日の朝、郵便局に
出せばその日のうちか、土曜日の午前中には届くだろう。ぎりぎりセーフって
ところだ。そんなわけで私は真夜中クリスマスカードをつくることになった。
その日の朝、クリスマスカードを投函するために・・。
家に戻り、長い時間をかけ、彼女へのクリスマスカードをつくった。
すべて終わったのはAM5時に近かった。
そして出勤までの数時間、私は深い眠りについた。
これが2年前に起こったクリスマスの話の全てだ。
思えば誰かのためにこんなに一生懸命になったことはなかったような気がする。
でもその時の私はなぜかそうせずにはいられなかったのだ。
音の出ないクリスマスカードを手に取った時、そうせずにはいられなかったのだ。
(おまけ)
=- 彼女へのクリスマスカード -====================
クリスマスカードをもらうなんて、生まれてはじめてかもしれません。
クリスマスイブに届きました。
ありがとう。
クリスマスイブは仕事が遅くまであって、あいかわらず忙しい一日でした。
でも会社で買わされたクリスマスケーキが届くと、なんとなくクリスマスっぽ
く感じられるから不思議です。
夜、私が仕事をしていると課長が会社に戻ってきて、自分が頼んだはずのケー
キがないと騒いでいました。食いしん坊の課長のために、結局私のケーキは夜
食となり、会社に残っていたみんなで食べてしまいました。おまけに、これま
た買わされていた生ハムを課長に見つけられてしまい(会社の冷蔵庫に保管し
ていた)、これも差し出す結果となりました。
これだけではみんなお腹がいっぱいにならず、寿司を買い出しに行く人がいた
りと、結局会社でクリスマスパーティ?をしてしまいました。
その後飲みに繰り出し、いま家に帰ってきたところです。時間はAM3:00。
届いたクリスマスカードに感激して返事の手紙を書いています。
残念ながらカードに付いている機械の調子が悪いみたいで、音楽は鳴りません
でした。たぶんクリスマスソングが流れるんじゃないかな?違うかな?
クリスマスカードを手に取り、流れるクリスマスソングを想像しています。
ちょっと遅くなったけど Merry X'mas!
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大きなモミの木の下で(第3話)
大きなモミの木の下で(第2話)
大きなモミの木の下で(第1話)
4年前の1996年冬、クリスマスにまつわるオムニバス小説を書いた。
私は大学時代、映画研究会だった。OBとなってからもインターネットを通じて、
OBたちとの交流が活発だったこともあり、4年前の冬、ある企画が持ちあがった。
それは現役当時あった映研の機関紙を、OBたちの手でもう一度復活させてみようと
いうものだった。社会人となったOBからEメールで原稿を送ってもらい、
それを編集して、フロッピーディスクに入れ、OBたちに発送するというわけだ。
その機関紙のひとつのコーナーとして、クリスマスをテーマにした話を書こうと
いうものがあった。小説、エッセイなど好きな方法でとにかくクリスマスについて
書いてみようというものだ。私はクリスマスのオムニバス小説を書いてみた。
生まれて初めて書く小説で、今読み返してみると稚拙で恥ずかしいのだが、
自分にとってはとても思い入れのあるものでもある。
4年前、私はまだ東京にいた。その当時感じていたことが、その小説にどこか
表われているような気がするから不思議なものだ。先日久しぶりに読み返し、
そんなノスタルジーにひたってしまった。
※
今回その小説をせっかくなので公開してみたいと思います。
まぁ、くだらないと笑い飛ばしてください。
それで少しでもクリスマスが盛り上がればさいわいです。
3話のオムニバスなので1日1話ずつの公開で3日連続という趣向です。
明日から順次公開します。お暇な方はどうぞ。
11月の終わり頃から仕事がとても忙しくなっていた。
この3週間は家に帰るのも遅い毎日で、土日出勤も当たり前になっていた。
まだまだしばらく忙しいものの、この週末を迎えてようやく仕事のピークも過ぎようとしている。
日記を書くのも本当に久しぶりだ。日記を書く余裕を持てることがとてもうれしい。
さて、あなたはこんな状況に陥った時どうするだろうか?
24時間働いても仕事が終わりそうになく、しかもそれが何週間か続くような状況のとき、
どのように対処するのが最善なのか?(ほとんど悪夢のような状況だ)
その人の置かれた立場により異なるので、これが常に最善という対処法はないと思うが、
私は今回そんな状況に陥ってしまった為、私なりの対処法を考えた。
その私が出した結論とは「2回寝る」ことだった。
正確には「2度に分けて寝る」こと。なぜこんな結論になるかというと、
体調を維持する為に他ならない。普通なら仕事が終わるまでぶっ通しで
やり、深夜あるいは早朝まで働き、それから家に帰って寝ることになる。
しかしそれを毎日続けることは不可能に近い。朝は朝で普通に出勤しなければ
仕事が間に合わないからだ。これでは体を壊さないほうがおかしい。
そこで考えたのは、発想を逆にすれば良いのではないか?ということだった。
やるべき仕事を優先して、残り時間を睡眠に当てるのではなく、全く逆に、
睡眠などの必要最低限の時間を確保して、それ以外の時間すべてを仕事に
当てれば良いのではないか?
つまり必要な睡眠時間をあらかじめ決めて、それをきっちり守るのだ。
そうすれば、なんとか体調を崩さずに済む。実際に必要な時間は、睡眠のほかに、
食事をする時間と、ジョン太との団らんの時間があり、それは欠かしたくはない。
私は必要な睡眠時間を4〜5時間と決めて、それを2つに分けた。
まず夜10時ぐらいまで働いて、いったん家に戻り(通勤時間は自転車で約10分)、
ジョン太がつくってくれた料理を食べながら団らんの時間を過ごし、仮眠を2時間程度取る。
そして深夜2時ぐらいに再度出勤して朝方まで働き、また帰宅、2〜3時間寝て、
朝は普通に出勤して、また一日が始まるという具合だ。
なぜ2度に分けて寝るかというと、深夜までぶっ通しで仕事をすると、疲れと眠気で
仕事の効率が落ちるからだ。ここはいったん帰宅し、気分転換を図り、睡眠を取ったほうが、
深夜からの仕事もはかどるというものだ。仕事の効率と体調の維持を考えた、
今の私ができるこれが精一杯の方法だった。
さいわい私はもともと眠りが深く、短時間でもぐっすり眠れるほうなので、
こんな方法が取れるのだが、できるならもちろんこんな事はしたくない。
まるで2交代制の日勤と夜勤を一人でこなしているようなものだ。
気がつけばもうすぐクリスマス。この間まで秋だと思っていたのに、
すっかりコートが手放せない時期になってしまった。
もう少しで仕事も一段落する。そうしたらジョン太とゆっくり過ごしたい。
それが、クリスマスに向けて祈るたったひとつの願い・・・。