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私もマスターも野球観戦が大好き。でも、仕事柄、
ひいきにしている球団は同じ球団を愛するお客様以外
には極秘です。なぜなら、それが分かって、お客様
がいらっしゃらなくなる事がありますから。
このお父さんにも分かっちゃったのかなぁ・・・。
日頃からプロ野球の情報を、愛する球団の為に蓄え
ている私達。
私とマスターは、半端ない「アンチ○○」(球団名)です。
そのお父さんはこの上なく、私たちの宿敵○○(上記の球団)
を愛している方で、毎週かかさず見えて下さっていました。
お見えになっては、○○のお話をされていて、私達も、勝利
するには宿敵の情報からと、その球団の情報もある程度は
仕入れていましたので、お父さんもご満悦でした。(多分)
愛するチームがその○○球団に負けて、ハラワタが煮え繰り
返りそうになりながらも、喜ぶお父さんの為に笑顔でトーク。
それが仕事ですから。
そのお父さんは、すっかり私達も同朋の仲間だと、信じて疑わ
なくなっていました。
プロ野球の開幕戦が近づいたある日の事、お父さんはお会計の
際、とびきりの笑顔で、マスターと私に声を掛けて下さいま
した。マスターは聞こえないフリをかましていました。
お父さん:「いよいよ開幕だねぇ!今年こそ絶対優勝だね」
私 :「そうですね、絶対優勝ですよ。開幕ピッチャーの
○○も調子良さそうだし、出だしから好調ですね」
お父さん:「△△の調子が心配なんだよね〜」
私 :「抑えに□□が入ったから、逃げ切りの試合には強
くなるんじゃないですか?中継ぎも安泰だし」
お父さん:「あ、そうだ。今日はマスターとお嬢さんにいい物
持ってきたんだ」
お父さん、バックから宿敵○○球団の選手別応援歌の歌詞が載っ
たコピーを私に差し出す。私、怒りモードMAXに達する。
お父さん:「テレビ観戦でつまらないと思ったから、コピーして
きたよ。これで臨場感のある観戦ができるでしょ」
私、怒りに震えた手で、その紙を受け取り、口だけ笑う。
私 :「わぁ(ややトーンダウン)うれ・・し・いなぁ・・」
お父さん:「今年も一緒に、応援しようね!」
その年の優勝は宿敵○○。お父さんの喜ぶ姿をみて、頭がヘンに
なりそうでしたが、それ以来、お客様のお顔は見ていません。
私達から発せられた○○球団への憎しみが伝わったのかも・・・。
お父さんが、本当のファンのよりどころを見つけたのを祈ります。