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このお父さんがみえた日も店がドタバタしていた日でした。
最近気がついてきたのですが、印象深い方々は忙しい日に
限って、お見えになるという関連性を見出しました。
季節は寒い冬、スーツにコートを羽織った、一見普通の中年
男性が入店されました。あいにく小さい2人掛けの席しか空い
ていなかったので、そちらをご案内し、おしぼりと水の支度を
しに、キッチンに行きました。ウチの1階席は、奥側が長椅子
になっており、手前が椅子席で、お1人でお見えのお客様は、
たいがい奥の長椅子に座られます。しかしこのお父さんは、手前
の椅子席にテーブルとかなり距離を取ってお座りになりました。
お客様の後ろを通る時に、お父さんの椅子にぶつかりそうだった
ので、どうしようかなぁ・・。と思っていたら、お父さんの膝の
上に、風呂敷で包まれた、荷物らしき物を発見。その荷物を向か
い側の席に置いてもらえば、後ろに隙間が出来て、通りやすく
なる。私はお客様に笑顔で話し掛けました。
私:「お客様、もしよろしければ、お膝のお荷物を・・はっ!」
・・!!!違う!荷物じゃない!それは・・・お腹だった!
嗚呼、なんという悲劇。私は瞬時に荷物という言葉をかき消す
言葉を捜しました。
私:「(さっきの続き)お荷物を・・はっ!・・ないようですね、
コートを向かい側に置きましょうか?」
我ながらなんと言うフォロー。自画自賛。お父さんには気付か
れずに、さも親切な店員を装う事に成功。あ〜よかった。
私は、2階の料理をお出しするのに、その場を離れました。
それがいけなかった。マスターは、そのお父さんの料理を既に作
っており、私が戻ってくるのを待ちきれずに、お父さんの元へ。
私が階段を下りるときに聞こえた会話。
マスター:「お客様、よければ膝の荷物、向こう側に置きますよ。
あ、ごめんなさい。違いましたね。は、はは・・・」
マスターの馬鹿!駄目じゃん・・・。私のフォロー、台無しじゃん。
私に、「あのお父さん、荷物乗せてるようにしか見えなかったから!」
などと、沢山言い訳してたマスター。もう手遅れだよ・・。
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