リー・・・   

私が小学校の時、あの妖艶な姿が私のハートを射止めました
そう、その名もリー
皆がマッチやトシちゃんに夢中な中、私は彼の魅力に
とりつかれ、一目でいいから彼に会いたいというのが夢でした。
あれから、十数年、私がOL時代を過ごしていた時です。
1本の電話が私にかかって来ました。母からでした。母は
かなり興奮気味に「
来たよ!来たんだよ!ジェリー!」と。
算数だけが取柄だった私は経理の仕事を任され、決算
書類と格闘中だった為ジェリー?知らないよ。藤尾?
来たっていいじゃん。
そんな事で会社に電話しないでよ!」
と言ったら、母は「せっかくサイン貰ってやったのに・・・」
と悲しげに電話を切りました。
私はジェリー藤尾さんのファンじゃないので、そのまま仕事
を続けましたが、ふと胸騒ぎがしました。・・・もしや・・・・と。
震える手で母に電話をかけ直し、「もしかして
ジェリーじゃ
なくてジ
リー?」と聞いた所、母は「さっきも言ったじゃん
私は速攻で家に帰りました。腹痛で。
しかし、すでに彼の姿はなく、サインだけが残っていました。

「ママ、何で藤尾まで覚えてるのに、ジリーが覚えられないの!」
喉から出そうになりましたが、必死にこらえ、状況を説明してもらって
ますますショックでした。
母も緊張していたのでしょう。ジ
リーは奥様と一緒に来られて
楽しく食事をされていたそうです。私がファンなので、迷惑でしょう
がと、サインをお願いした所、心良く承諾され、なんと奥様(女優様)
までが
「一緒にサインしましょうか?」と言って下さったのにもかか
わらず、母は緊張の極みで「一人でいいです」と言ってしまいました。
リーは「彼女のお名前は?」と母に問いましたが、母はもう訳
の分からない状況で、
「難しい名前なのでいいです」と拒否。
お二人がお帰りになった時、その間、一人も帰らなかったお客様全員が
母に
「おばさんの馬鹿!なんでサイン2人の貰わなかったんだよ〜!!」
と非難の嵐。私もそのお客さんと同じ気持ちでした。
もう駄目だ・・・きっと気分もそこねてしまっただろうし(奥様が)、一生
お目にかかる事はないんだろうなぁと。母を責めましたが、母は逆ギレ。

「母さんだって頑張ったのに!もう一生サイン貰ってやらない!!」と。
それ以来、私が店に入ってからジリー様はお見えになりません。
私の小学校からの夢が、中途半端に叶った出来事でした。