親鸞会と科学
はじめに



 1.人間死んだら、どうなるか

 親鸞会会長の著書『白道燃ゆ』に「人間死んだら、どうなるか」という項があります。
 そこでは、「マイクロ波の研究などで、昭和十九年に文化勲章も受けた、大阪大学の名誉教授、岡部金治郎氏」の著『人間は死んだらどうなるか』を引用し、その結論は「大聖釈尊の説き下された輪廻転生説に近いもの」だったと述べられています。


 これが日本のトップ科学者が、自分の納得のいく考えを押し進めて「人間死んだらどうなるか」の問題に下した結論である。(『白道燃ゆ』32頁)


 このように書かれていると、岡部教授が科学的な根拠に基づいて前世や魂の存在を主張しているように受け取られるかも知れません。

 しかし、岡部教授の本について、ジャパン・スケプティクス安斎育郎会長は、次のように述べています。


 文化勲章受賞者・岡部金治郎博士の著書『人間は死んだらどうなるか』(共立出版)は、同博士の生真面目さと結果の荒唐無稽さの好対照という点で、非常に興味深い本だ。
 それはまた、科学と神秘主義の混合物は非科学でしかないことを示す好個の例でもある。

 (中略)

 岡部博士の論の根底には「人智の及ばぬ神秘」の導入がある。エミール・デュルケウムによれば「宗教的なものの特質は神秘・不可知・不可解の導入である」ということだから、岡部博士の「死後の世界」論は、まさに「宗教」の域にあるというべきであろう。 (『人はなぜ騙されるのか』64〜65頁より)


 「誰が」言っているかではなく、「何を」言っているかを見ると、岡部博士の論は科学的に妥当なものではありません。

 もちろん、『白道燃ゆ』では傍証の一つとして岡部説が引かれたに過ぎず、会長の主張の核心はそのようなところにないのは分かっています。
 ただ、文章の筋の中で、いまいち妥当に思われない点が一箇所あるというだけです。


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ジャパン・スケプティクス

 「超自然現象」を批判的・科学的に究明する会。会費は高め(^^;
 アメリカのオカルト批判団体「CSICOP(サイコップ)」と提携関係にあります。

 なお、安斎郁郎氏は立命館大学国際平和ミュージアムの館長で、反原発運動などでも有名。

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 2.前置き

 前述のように、親鸞会で「科学」を掲げているにも関わらず、実はあまり科学的ではないことが言われている場合があります。

 しかし『白道燃ゆ』の例は、「科学的に証明されていないことを定説だと主張する」ような間違いをしているわけではありません。
 ただ「引用文献が科学的に妥当性の低いものだ」という程度です。

 ですが、科学的証拠のない事柄に関して「仏教のこの教えは現代科学で証明されている」と親鸞会で教えることもあります。
 余計なお世話とも思いますが、せっかくホームページという場があるのですから、ここで若干の指摘を行うのも何かのプラスになるかも知れないと思います。

 そうした管理人の趣味とお節介の産物がこの項『親鸞会と科学』なのですが、これは『ジャンヌ』において重要な項目ではありません。
 間違いは誰にでもありますし、まして仏教が専門の人が幽霊・超能力などの分野で一つ二つ思い違いをしていたからといって、親鸞会の教義の真偽を考える材料にはならないでしょうから。

 以上のことをご理解頂いた上で、以下の項目をお読みください。




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