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木洩れ日の中に音あり寒雀
眠る子のおしろい匂ふ雛祭り
すれちがふ猫の足音春寒し
春眠やみるくの海を漂うて
衣擦れの坂登り来る春の闇
石垣の影揺れ止まず花篝
遠足の列の乱れる河童沼
ぼうたんの漂うてゐる朝ぼらけ
髪赤き馬上の君よ風薫る
まつすぐに田を駆け上る夏嵐
炎天や異国の宙に月昇る
朝顔の庭より母の訪へり
背の子の寝息静けし天の川
うるはしき母さくさくと西瓜くふ
子供らの輪の欠けてゆく盆の月
妻の手をまた煩はせ秋刀魚焼く
並び来て肩に触れゆく赤蜻蛉
父の背のふといとほしき秋の風
父母の出会ひし村や星流る
コスモスや母となる子の白帽子
十月の風に見つけし蝶ひとつ
ふるさとの空のあをさや曼珠紗華
まだあをき檸檬を絞る君とゐる
山の端にあをぞら残す谿紅葉
煮凝や下駄の音する母の里
短日や吉備路の丘に塔の影
いづこより風の音する十二月
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