小春日や開店祝いに華添える はにわ(ToT)
そちこちに笑ひ声あり室の花 睦月
小春日やぼそりぼそりと祖母の声 よしを
ゆけむりのゆれて暮れるやお茶の花 よしを
茶の花や長き坂道風の道 よしを
雲ひとつ流れて瀬戸の小春空 よしを
クッキーの味もわからで課金かな 斉門
顔見せや隈取り貌の眼に泪 よしを
銀幕のカーテンを背に卒業す 斉門
抱き帰る犬の重さや日短 睦月
着ぶくれて車を制す警備員 斉門
短日や卒業写真の顔と顔 よしを
楼欄は流砂の都星月夜 よしを
白墨の地面絵笑ふ小六月 斉門
陸橋を風も渡るや悴みて 睦月
歳時記でおいしい食事十二月 斉門
祈るようにイマジン歌う聖歌隊 はにわ(ToT)
鯛焼の板の凹みを目で数え 斉門
野の道や聖胎節の星あかり よしを
うるはしき母の舌爛く鮟鱇鍋 よしを
熱燗に角を出したる指二本 斉門
熱燗や肴は妻の高鼾 よしを
おでん煮る串にもしかと出汁の色 斉門
師走なり深夜なりせば人恋し 翔
冬天へ練習飛行の熱気球 睦月
鮟鱇がこちらですよとぶら下がり 斉門
十二月抹消線引く住所録 睦月
焼鳥は垂れか塩かと目が急かす 斉門
熱々のおでん頬張り澄まし顔 よしを
人恋ひし最終電車の窓灯り よしを
すり抜けて冬空昇る赤風船 よしを
鍋焼に図る玉子の落としどき 斉門
すき焼きに物を申せば拵へ役 斉門
河豚の皿淡き想ひは断ち切りて 斉門
湯豆腐を舌にころがし酔ひも飛び 斉門
呼びかけて呼びかけられて年の市 睦月
雑踏に抜け道のあり十二月 睦月
象の体に蚤の心臓 はにわ(ToT)
独り居に熱湯をどる根深汁 斉門
夏服の並びし写真ミステリ 斉門
寄鍋の蓋の重さや幹事たり 斉門
呪文効き野獣王子に変えられて 睦月
不意打ちの路地に聖樹の生るる夜 睦月
待ち合わす人も吊して聖樹かな 斉門
ちんすれば独りが良けれイブ迎ふ 斉門
星降る夜ポインセチアの密やかに よしを
湯けむりのゆれてかほだすふゆの月 よしを
橋数ふ浪速の旅や夏衣 よしを
雑炊に尽きぬ言葉も尽きにけり 斉門
ふるさとで寒酒ねだる子となりし 斉門
包丁の音の重みや冬の朝 斉門
納豆をまぜて二十歳の兄偲ぶ 斉門
数の子や一人娘はただ笑ふ 斉門
熱燗やちよこも頭も渦を巻く 斉門
初暦なほ添へられし花言葉 睦月
緑陰や欄干の獅子眼あげ 睦月
初景色小首傾げて鳩よぎる 睦月
初夢や有象無象の宮参り よしを
初詣襟首長き人の列 よしを
大根切る音の久しき郷の朝 よしを
年の餅丸と四角は交はらず 斉門
嫁ぶりの鰤捌きたり皿光る 斉門
鍋の葱己が怒りに憤怒せり 斉門
初夢のなかでも米を研ぎゐたり 睦月
初メール書いて保留のままにあり 睦月
初日記かなたの吾に宛てて書く 睦月
初夢の吾は他人となりにけり 斉門
米を研ぐ甲斐甲斐しさの二日かな 斉門
柳葉魚焼けば肋骨いと細きこと 斉門
Eメールシグ打ち込みて初電話 斉門
団欒の輪が耳になる嫁が君 よしを
高潔も卑屈さもある初日記 よしを
新巻も金太郎飴の切り身かな 斉門
買初や香煙こもる雑貨店 睦月
初喧嘩商館一階喫茶室 睦月
飾焚く諍ひも怒も喜びも 斉門
昇りて雲のしづけさのなか 睦月
人参を食むハムスター頬袋 斉門
嫁が君けふは客間に独り寝て よしを
小石踏む音のかそけき遍路かな よしを
風に手を差しのべられて遍路みち 睦月
寒卵茹でたれば殻剥き難し 斉門
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