シュートの構えは、バスケットボールの全ての動きなどの基本の構えを基にして行います。基本の構えは、すべてのプレイヤーが理解・実践しなければなりません。バスケットを行うのに最も基本的な姿勢は、足、ひざ、腰、上体の位置とバランスにポイントがあります。
顎はごく自然に保ち、目の目標をリングの中心点をターゲットとします。
ボールのセットは、肘から手首と手首から人差し指と中指の中間がゴールの方向に一直線になるように構えます。脇を開かないように注意します。そして、目、ボール、ゴールのラインが一直線になるようにします。また、シュートを構えたときに、目-ボールーゴールのラインを通って床に垂直な面内に上腕があるようにします(実際にはやや開きぎみに構える事もあります)。
ボールは身体の真ん中にセットするよりは、リリースが真っ直ぐになるように利き腕側に少し寄せた方が、ボールコントロールしやすいセットになります。
ボールを構えるセット位置は、ゴール近辺では高い位置の方がブロックショットにあいにくいため有利といえます。また、中・長距離のシュートでは、低めに構えた方が飛距離を出しやすく、安定するといえるでしょう。
プレイヤーがジャンプするためにしゃがんでシュートの構えをしたときからボールリリースまでがシュート・モーションの状態です。
重力は、腰と膝の屈曲と足首の底屈を通して身体を引っ張ります。これらの関節は、ジャンプのために必要とされる力に関連されて曲げられるべきです。プレイヤーは、個人の強さに関係なく深く曲げすぎてはなりません。筋肉の弾性エネルギーを最も大きく有効に利用するために、素早くかがまなければなりません。
この状態から、足首と膝を伸ばすと同時に肩、肘、手首を重心の移動に連動させて伸ばします。腕を伸ばす方向は、シュートした後に腕が頬にかかるようにします。この角度でシュートすれば、高いアーチ(約40〜45度方向)が得られます。
腕をゴールの方向へ真っ直ぐに伸ばし、手首を真っ直ぐに返す事によって、ボールはゴールの方向に対して真っ直ぐに飛び、そして真っ直ぐにスピンします(実際には腕がわずかに内旋する場合もあります)。
自然な状態で手首を返せ(スナップすれ)ば、ボールには自然に軽いスピンがかかります。スナップによってスピンをかけるためにはタメが必要です。手首に近い部分から指先に向かって徐々にボールが離れるようにしなりを与えるようにすればいいでしょう。
腕の力でボールを飛ばすのではありません。手首のスナップを効かせ、指で弾くようにしてリリースします。指の付け根から指先方向に向かって、ボールの表面に沿って滑らかな動きでスナップ加え、小指からボールを離してゆき、最も敏感な指である人差し指を最後にボールから離します。
通常、セットから腕を伸ばしきった状態を100とすると、ボールのリリースは70程度の位置からスタートさせます。
シュートアーチを高くすると、シュートがリングを通過するアングルが広がります。しかし、アーチを高くすることにより、飛距離を出すことが難しくなり、シュートに対する距離感がつかみにくくなりあmすので、実際には45〜50度くらいの角度でシュートを狙うべきです。
全身が伸び切った状態でシュートが終了するようにします。足首、膝、股関節、胴、肘、手首のすべてがシュートによって伸び切っていれば、安定した状態でシュートが出来ます。もし、手首や肘が不十分であれば、そのシュートは不安定なものになる可能性が高いでしょう。このとき、サポーティング・ハンドも半分から3/4程度伸びているはずです。
シュートの構えからフォロースルーまでの間、身体のバランスを保つために、視線はゴールにロックしておく必要があります。視線を動かす事によって、わずかに身体のバランスが崩れることがあります。シュートが終わるまで(リングに入るまで)、ゴールから目を離さない癖を付けましょう。
シュートのためにジャンプした地点から、最大20cm以上前方に流れないように、真っ直ぐにジャンプします。もちろん、左右のぶれもいけません。
ジャンプの着地の時、足首と膝と腰をうまく使って着地の衝撃を吸収させるようにしましょう。感覚としては、ストンという感じで、ドスンという風に降りないようにします。着地の後は、リバウンドなどのプレイにすぐに移れるように、基本のスタンスになります。
シューティングの重要なポイントとして3つの " C " があります。これは、(1)Consistentcy, (2)Concentration, (3)Confidence のそれぞれの頭文字を表しています。
Consistency は、シュートの一貫性を示しています。つまり常に同じシュートをするという事です。様々な環境や条件において同じシュートを行い、シュートの構えとフォロースルーを同じにするべきです。特にシューティングの練習のときに、同じシュートを繰り返して行い、身体に癖として身につくまで行う必要があります。
Concentration は、集中して行うという事です。これは、全てのプレイヤーがよく必要性を理解しているにも関わらず、多くの場合うまく実行できていません。例えば、シュートフォームを意識した練習の時に、選手に対して「今のシュートにおけるボール・リリースのポイントはどこか?」と聞いた場合に多くのプレイヤーは、「良く分からない」、もしくは漠然とした答しか返ってきません。しかし、本当にシュートにおける身体の動きに対して集中しているプレイヤーのほとんどは、明確に答が返ってきます。それこそ、cm単位の位置で、筋肉の動きまで詳しく説明する事が出来ます。これは、良い集中の状態においては自分の身体に対する”気づき”が高まっているために出来る事です。
Confidence は、自信を持つという事です。これは、たくさんの完璧な練習によってのみ持つ事が出来ます。ただ単に多くの練習を行うだけでは、良いシュートを作る事は出来ません。なぜなら、間違った技術を身に付けさせる事になりかねないからです。だからこそ、完璧な練習を多く行う事によってシュートに対する自信と何も考えずに行う事の出来るシュートの形成が為されます。
前節で説明したように、シュートはメンタルな部分が非常に重要になります。特に、自分の潜在能力を十分に発揮するためには上述の2つの要素、「集中する事」と「自信」に加えて「冷静さ」の3つの不可欠な要素が必要です。つまり、最高のプレイをするためには、集中し、感情をコントロールし、自分の能力を信じなければなりません。
実際のシュートにおける集中の方法は、ターゲットに狙いを定める事です。出来るだけ素早くバスケットに対して視覚を集中させなければなりません(ファインセンタリング:狭く限定した範囲に思考チャンネルをあわせて、他のチャンネルを無視する心理的な働き)。このときに、まわりの状況に対する感覚系に意識を向けると注意力が散漫になる。つまり、バスケットに対してだけでなくまわりを広く見る事や他の事を考える事などは、バスケットに視覚を集中することを出来なくします。シュートの時に、最後まで腕を伸ばしてフォロー・スルーしなければならないように、集中するときにも心のフォロー・スルー(最後まで気を抜かない事)が必要です。シュートのボールを放すときに、ボールを目で追いかけずにバスケットに集中し続けなければならない。バスケットに集中し続けることによって、あまりにも早い注意の切り替えを避ける事が出来ます。
冷静さ、つまり感情をコントロールする事は、最高のプレイをするために必要な事です。シュートだけでなく、他のプレイをする場合でも、感情は知覚をゆがめ、適切に反応する事を不可能にします。集中している状態としての「精神的にリラックス」していることは冷静さに対応しています。つまり、冷静になる事によって、始めて集中する事が出来るのです。プレイヤーはまず自分の感情をコントロール出来ない事には、状況を正確に認識する事が出来ません。
多くの場合、自分自身と自分の技術に自信が持てるのは、経験によるものです。技術がこれまで上達したことがなく、以前に成功した経験がないのなら、どのように自分に言い聞かせたとしても、シュートに自信を持つだけの正当な基盤がありません。この本当に自信が持てないと言う事が、冷静さを脅かし、不安を引き起こします。そして、失敗への不安は集中力をなくし、過度の緊張感を引き起こします。スキルに対する自信の他に、常に最高のプレイが出来るために、「自分には自信があるんだという自信」を持たなければならない。つまり、自分は競技中に3要素(集中、冷静さ、自信)をコントロールできる心理的なスキルを持っているという自信を持たなければなりません。