バスケットボールにおいて、ストップは様々な状況で出てきます。特にオフェンスではトラベリングにならないように2歩で止まらなければなりません。そのために、無理な姿勢でストップしたために、足関節、膝、腰を痛めることが少なくありません。正確なストップの基本動作を習得することは、ルールのためだけでなく、身体を守るために必要なことです。
ランニング動作からのストップには、次の3種類があります。
素早いストップを行うためには、前方へ進もうとする運動量を急激に減らすために重心の低い姿勢を必要とします。着地後のスタンスとしては基本の姿勢を取らなければなりません。基本のスタンスをとることによって次への動作が早くなり、ターンや方向変換につなげるためにも必要です。顔が下を向かずに周りを見れるようにすること、膝が伸びて、腰から曲がるような姿勢をとらないことが大切です。
バスケットボールで良く起こる前十字靭帯損傷はバランスを崩した状態でのストップ動作による失敗が原因であることが多く、不適切なストップ動作は膝の障害になることもあります。ストップのときに起こる怪我の原因としては、爪先の方向と膝の向きがずれること(knee in toe out, knee out toe in)による下肢アライメント(骨の並び)の不一致が起こり、膝関節に回旋ストレスがかかり、靭帯の強度が耐え切れないためです(注1)。この点を特に注意する必要があると思います。ジャンプストップの場合は、ジャンプして着地をしますので、大きな体重移動が起こると関節部分に強い力がかかり転倒する場合があります。膝や足首のケガなどの障害予防のためにも、ストップ動作を正確に行えるような指導を行わなければなりません。
ストライドストップは、他のストップ動作に比べより自然な動作であるために、スピードのある場合に特に用いられることの多い動作です。1歩目で足関節と膝関節を柔らかく曲げて、前方へ行こうとする力を吸収するようにします。上半身は特にそのまま前方へ突っ込みやすいので、下を向かないように上体を起こします。2歩目の足も足関節・膝関節を柔らかく曲げて、足の幅を肩幅で1足分前後にずらした状態で止まります。このストップの方法は、片足をかかとか強く踏みしめて、もう一方の足は良いバランスを維持するために前に踏み出す。ストップしたときの姿勢は、低くして膝を曲げ、ストップするために出される足が、床に対して鋭角になるように後傾姿勢でなければならない。
スピードがやや遅いときは、次の切り返しが速く行えるように、身体の向きを進行方向から横に向いた状態で止まることがありますが、これは正確なストップの動作が出来ていなければ、怪我をする危険性がありますので注意します。
具体的には1歩目で減速し2歩目で止まるが、そのときに重心を1歩目に残したまま2歩目には移行しなように、1歩目で股関節と膝関節とを曲げて、ストレスを分散させ、そして上体が運動方向に移行するのを腹筋で支えて、身体のバランスを保つようにする。これを行うためには、下肢のトレーニングに加えて、腹筋運動や、下肢と腹筋とのコンビネーションのトレーニングが必要となる。
ストライド・ストップには、内側の足を一歩目とするインサイドステップと、外側の足を一歩目とするアウトサイドステップがあります。
ジャンプストップは、スピードがやや遅いときに用いることが多く、両足同時に着地します。このときの姿勢は、基本の姿勢を取ります。このときに注意するのは、足(つま先)の向きと膝の向きを一致させて、膝をつま先よりも前に出さず、膝を内側に倒れ込まさないことです。このことは練習の初期に徹底して癖が付くように指導する必要があります。バスケットボールのコーチは、プレー中に発生する靭帯損傷の多くは、ストップの時に正確な動作が出来ないために起こるということを意識して指導しなければなりません。
ジャンプ・ストップとは、動作中にフロアーから前方へジャンプし、両足を同時に床につけてストップする方法です。これを正しく行うためには、重心を低くし、膝を十分に曲げて、足が床につけられたときに体重を足のかかとにのせます。
そのためには、身体が空中にある間に後傾姿勢になるように十分両足を前へ振り出して、足の床に対する角度を出来るだけ鋭角になるようにしなければならない。
ワン・ステップ・ストップとは、進行方向に対して前方の足でストップし、2歩目の足を後方に置き、切り返しを早く行うことを目的としたステップです。このストップの方法はそれほどスピードが早くないときに用いられ、より早い切り返しを行うことが可能です。しかし、正しいボディ・バランスを保つことも難しい動作ですので、習熟には時間がかかります。
最初はゆっくりと走り、決まった場所あるいは笛の合図で止まります。このときに、ストップの動作についてチェックします。ゆっくりした速さで出来るようになれば、徐々にスピードを上げて行き、最終的にトップスピードで行います。
笛の合図でダッシュとバック・ペダル(バックワード・ランニング)を切り換えて、床を両手でタッチします。
注1:十字靭帯は縦方向の強度は強いが、回旋に対しては弱い。