9.美術

<聖書>
「オレたちに明日はない?」
視覚デザイン研究所/\1750
黙示録の解読ガイド。神話や聖書の解読シリーズ第五弾。信じることの強さと怖さを感じる。
「悪魔のダンス」
視覚デザイン研究所/\1748
聖書、絵画に表れた悪魔を、イラスト・漫画も駆使して解説した。眺めるだけでも楽しい本に仕上がっている。
「天使のひきだし」
視覚デザイン研究所/\1748
天使とは何か、についてシリーズ書と同様の手法で楽しく解説している。
「ヴィーナスの片思い」
視覚デザイン研究所/\1748
ギリシャ神話、北欧神話、ケルト神話の名シーン集。シリーズ書と同様の手法で楽しく解説している。四冊とも面白いです。
「マリアのウィンク」
視覚デザイン研究所/\1748
聖書の中の様々なシーンを、絵画・イラスト・漫画で紹介している。西欧人にとって当たり前なものごとでも、我々にはさっぱり分からない聖書の世界が垣間見られる。

<浮世絵>
「エロティック美術館」
田中雅志/河出書房新社/\2800
出来の悪い本だが、思想とか歴史とかは関係なく、人間の本質を表わす性のサンプルとしては意味がある。アングル、ゴヤ、ミレー、クールベの裸体画は魅力的だ。もっとたくさんのモノを屁理屈なしに並べれば良いのに。
「浮世又兵衛行状記」
篠田達明/文藝春秋社/\1200
昭和62年に新刊で買った本だった。10月24日に千葉市美術館の「岩佐又兵衛展」を見て、再読してみた。小説としては文体・構成共にお粗末だが、当時を類推するためには役立つかも知れない。
「江戸の春画」
白倉敬彦/洋泉社/\780
うーん、まあこういうことが有ったのか、という程度で新奇の視点はない。屁理屈捏ねずに、色んな分類をするとか、詞書を詳細に説明するとか、もっと楽しむという観点で書いてくれると良いのだが。
「視覚の魔術師北斎」
ウィークリーブック/小学館/\350
「日本の美をめぐる」シリーズ第一号。北斎はやはり凄い。でも本当に全部が北斎の本物なのかなあ、贋作や弟子の作もあるのではないか。
「江戸のアンダーワールド」
太陽編集部/平凡社/\1524
枕絵・物の怪アウトローのアンソロジー。文章はお粗末だし、浮世絵は良く知られたモノの使い回しが多く、新発見は何もないと言って良い。編集者の怠慢か。
「春画 片手で読む江戸の絵」
タイモン・スクリーチ/講談社選書メチエ/\1700
浮世絵は、あの役者絵でさえ自慰の道具だ、という見解は初耳。そうかも知れない。現代の書店に溢れているエロ本?の量は浮世絵の比ではないが、面白さに欠ける。

<鳥瞰図>
「山口晃作品集」
山口晃/東京大学出版会/\
初めて見たのは三越百年のポスター。洛中洛外図のようで、たなびく金雲も眩く、でも現代人と古代人が混在していて面白い。 今回の展示会を見てさらに面白く感じて、作品集を買ってしまった。考え方も面白い作者だ。
「鳥瞰図絵師の眼」
-/INAX出版/\1500
鳥瞰図にも色々種類があり、作者それぞれが独自の工夫をしていて面白い。

<辻惟雄>
「岩佐又兵衛 浮世絵をつくった男の謎」
辻惟雄/文春新書/\1200
どれが又兵衛の真筆かどうかが、この様な個人の恣意によって決まるというのは、納得できるものではないな。又兵衛は面白いけれど。
「奇想の江戸挿絵」
辻惟雄/集英社新書/\1000
黄表紙、読本、合巻などの挿絵を分類、解説してくれる。なるほど江戸の挿絵もたいしたものだ。こういう背景があるからこそ、現代の漫画文化に繋がるのだな。中でも北斎はダントツの力量を示している。
「日本美術の歴史」
辻惟雄/東京大学出版会/\2800
ここ数年、手当たり次第に博物館・美術館を見て回った作品などが、この本を読んでピシッと繋がってきた。たいてい見ているものね。でも辻さんの本としてはガッカリ。ありきたりの教科書的羅列に終わっている。もうちょっと期待していたのになあ。
「奇想の図譜」
辻惟雄/ちくま学芸文庫/\1400
「奇想の系譜」の姉妹編。日本美術は独創的で、その源泉は、新しいもの、綺麗なもの、新規なものを求める「かざり」の精神にある、と説く。納得です。
「奇想の系譜」
辻惟雄/ちくま学芸文庫/\1300
これが30年前に書かれたものとは思えない。まったく古びていない。江戸期の絵画史の中で、傍流だった又兵衛、若冲たちが、著者の本によって一気に本流に乗ってしまったらしい。主旨はとても分かりやすく納得だ。確かに見て面白い。

<岡本太郎>
「日本の伝統」
岡本太郎/光文社知恵の森文庫/\629
確かに、伝統とは崇め奉るものではなく、乗り越えて常に創り続けるものである。縄文土器は凄い、慈照寺(銀閣)の銀紗灘は一度見てみたい。太郎さんのいうことは的を射ている。
「美の呪力」
岡本太郎/新潮文庫/\590
本書のもとは芸術新潮に連載された「わが世界美術史」。面白い。石器時代、鉄器時代という区別はたまたま残ったもので時代区分しただけで、残らなかったもの、木製品や繊維そして歌、踊り、刺青、扮装にこそ思いを広げるという岡本の姿勢は正しい。
「青春ピカソ」
岡本太郎/新潮文庫/\400
岡本太郎がピカソを超えるために、ピカソを調査分析した真摯なレポート。やれば出来るじゃないの。
「芸術と青春」
岡本太郎/光文社知恵の森文庫/\514
やはり作品だけを見たほうが良かった。若く、屁理屈をこね、浅い、ドラマの無い文章。

<美術>
「ひらがな日本美術史」
橋本治/新潮社/\2800
面白い美術史をという主旨やテーマの建て方など、意欲は良いが、如何せん中身が伴わない。単なる思い付きと思い込みが強すぎて、納得にいたらない。本の体裁、装丁、文字数、デザインなどは好みなのだが。
「ニューヨーク午前0時 美術館は眠らない」
岩渕潤子/朝日新聞社/\1140
ニューヨークのホィットニー美術館などでの体験から、日米の美術館運営や文化の違いを詳述。独立独歩の米国美術館の逞しさと、お上の言いなりになる日本のひ弱な文化背景が対照的だ。企業の文化政策をもっと強力に推し進めるのが良いのだが。
「美術館商売」
安村敏信/勉誠出版/\1000
美術館の常識は社会の非常識、を標榜して、美術館をよくするために頑張っている。来館者の立場で書いた私のレポートと似通った指摘も多い。著者は板橋区立美術館に勤務。
「迷宮美術館」
NHK製作チーム/河出書房新社/\933
裏話集みたいだが、なかなか面白い。もう少し具体的な裏付けを、きちんと記載してくれると良いのだが。
「すぐわかる絵巻の見かた」
榊原悟/東京美術/\2000
どうしても耐久性に劣る巻物だが、その簡便性で広まったのだろうなあ。実物をたくさん見てみたい。絵巻ではないが、大倉集古館で見た平家納経の豪華華麗さは驚くばかりだった。
「LATEX・GALATEA」
空山基/エディシオン・トレヴィル/\3800
大好きなエッチな女性のイラストを延々と書き続けて、冨と名声をつかんだ空山さんは偉い。時々、ハッとするほど綺麗な絵があるので楽しい。
「百鬼夜行絵巻を読む」
小松和彦等/河出書房新社/\1800
百鬼夜行をアニミズムや博物学的意識の進展と見るのも良いのですが、単純に、我が祖先達の創造力を楽しむと言う見方もOKでしょう。付喪神も妖精も、大きく見ると世界共通なんです。
「似顔絵」
山藤章二/岩波新書/\940
いや凄いね、この人の筆力は。現代の似顔絵の良さは、写真のように似ているかではなく、書く側がいかに本質を掴みとって表現するかにある。本物と表現の間にあるズレを楽しむことが出来るのが山藤流の似顔絵。
「絵金と幕末土佐歴史散歩」
鍵岡・吉村/新潮社/\1500
絵金と彼の生きた土佐との両方を表現しようとの主旨は分かるが、どっちつかずになってしまった。ただ、土佐という土地に対する興味をかき立てられてしまったという点で、私にとって意義有る書物だ。
絵金、岩崎弥太郎、やなせたかし、四万十川だけでも見に行く価値がありそうだ。
「芸術新潮」
−/新潮社/\1143
特集の濃さ、頻度の高さに驚かされます。ウイスキー片手にパラパラとめくるだけで、幸せな時間が過ぎて行きます。
「巨匠に教わる絵画の見かた」
視覚デザイン研究所/\1850
巨匠達が自作・他作に対してどう評価していたかを散りばめて、美術史を紐解いてくれる。絵はやはり自分が好きなように楽しめば良いんだ。ゴッホは勉強家だったのだなあ
「オールドノリタケ」
コロナブックス/平凡社/\1524
100年を経て里帰りした陶磁器。ノリタケがこんなにも過剰な表現をしていたなんて知りませんでした。やはり日本の職人は凄い。
「システィーナのミケランジェロ」
青木昭/小学館/\1800
13年間に及ぶ、システィーナ礼拝堂の壁画修復プロジェクトの記録。修復から表れた鮮やかな色彩は、それまで重厚だと思われたミケランジェロの色彩感がまったく誤りだった事を教えてくれる。

<建築>
「イタリアの歓び 美の巡礼」
中村好文・藝術新潮/新潮社/\1300
8月2日に松下電工NAISミュージアムで見た中村さんの著書かと思って買ったら、ほんの一部で、藝術新潮を再編集したものだった。それでもイタリアの美しさ・楽しさは充分に伝わってきて、行きたくなった

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