6.人類学

<宮本常一>
「菅江真澄」
宮本常一/未来社/\2600
旅人たちの歴史2。菅江真澄遊覧記を宮本さんが解題・講義したもの。菅江真澄の書いた内容も素晴らしい歴史だが、むしろ宮本さんの体験・知識が現れていて勉強になります。
「調査されるという迷惑」
宮本常一・安渓遊地/みずのわ出版/\1000
人と文化を調べる人類学・民俗学では、現地での聞き取り調査は欠かせない。しかし調査すること自体が、現地の文化を変えてしまうのは否めない。この本は、その事実に対して目を反らさず、きちんと対峙しようとする姿勢があり、評価できる。
実は私自身が学生時代、人類学を専攻し、沖縄・奄美でフィールドワークをさせてもらっていたので、身に染みることが多々ある。
「空からの民俗学」
宮本常一/岩波現代文庫/\1000
「翼の王国」「あるくみるきく」掲載のエッセイを収録。ここに書かれていることは、私の良く知っていることだが、子供たちはまったく分からないだろうなあ。

<人類学>
「東北学/忘れられた東北」
赤坂憲雄/講談社学術文庫/\1050
東北は、稲をもたらした西日本とは違い、縄文から続く世界だと証明したい。その趣旨は分かるが、思いが情緒に流れ過ぎて、読み物としてつまらない。
「新宗教ビジネス」
島田裕巳/講談社/\1300
因果関係において、原因と結果の区別ができていない。これで宗教学の博士で教授とは。ビジネスモデルの説明も、新宗教と既存宗教を故意に混同させているし、創価学会に対して変にに甘い。御用学者だな。
「ノンバーバル事典」
金山宣夫/研究社/\2400
50の仕草の絵を20ヶ国のインフォーマントに見せて、回答を分析。確かに同じ仕草でも民族によって意味は違う。しかし後半の随筆部分ではノンバーバルから外れてしまうし、思い込み、女性蔑視、風俗業への傾倒など、学者としての資質を疑う文章が鼻につく。まあ出版自体が古過ぎる。
「みにくい日本人、みにくいアメリカ人」
ミンビョンチョル・ネビットリーガン/洋販/\1143
英和対訳、イラスト入りで、それぞれの文化の違いを明示している。やや累計的すぎるが、それなりに面白く読みやすい。
「日本妖怪異聞録」
小松和彦/講談社学術文庫/\800
酒呑童子、玉藻前、つくも神など日本の妖怪の履歴書。やや独断が気になるが、入門として最適。
「異界 陰陽道」
本間肇/徳間書店/\1300
深みはないが、資料としては使える。
「安倍晴明 闇の伝承」
小松和彦/桜桃書房/\1600
人類学と言うよりは民俗学、歴史っぽいけれど、陰陽師・安倍晴明を中心として、日本文化のまさに闇の部分を垣間見せてくれる。夢枕獏の小説、それを原作とした岡野玲子の漫画の、背景となる部分を研究している。 陰陽師が活躍する背景は、平安京の妖怪や鬼、酒呑童子。陰陽師の使う式神を放置した河原から発生したエタなどの非人・河原者。陰陽師とつながる高知のいざなぎ流陰陽道。安倍晴明は、狐の母と人間との異類婚のおとし児だとか、日本人の根底にある想像力が面白い。
「大阪学」
大谷晃一/新潮文庫/\400
母方の実家が大阪なので、親しみがある反面、大阪の町はうるさくて煩わしいというのが実感です。筆者は大阪を愛しながら、文化、歴史、文学などを学際的に軽やかに分析している。なるほどこういう切り口も有ったのか。
「神樹 東アジアの柱立て」
萩原秀三郎/小学館/\2800
諏訪大社の御柱が特殊なものではなく、東アジアに普遍的な文化だということが理解できる。古代出雲大社の高さや、縄文時代の柱に通ずる神観念の流れが東アジアにある。
「極限の民族」
本多勝一/朝日新聞社/\
カナダエスキモー、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民との接触ルポ。
「サンダカンの墓」
山崎朋子/文春文庫/\
海外に売り飛ばされた「からゆきさん」たちの生涯。
「人種的差別と偏見」
新保 満/岩波新書/\
カナダインディアン、仏系カナダ人、日系カナダ人を通じて、人類の差別と偏見の根源に迫る。著者はICUの先輩。
「気違い部落周遊紀行」
きだみのる/富山房百科文庫/\
村の生活を通して日本人の民族性に迫る。

前のページ