23.不肖・宮嶋

<編集・パパラッチ>
「編集者という病い」
見城徹/太田出版/\1600
幻冬社社長の独白。クリエイターとの凄まじい付き合い方には感心せざるを得ない。年代も近いし、劣等感の裏返しで頑張ってしまうところは自分と同じだが、そのパワーと、山谷の高さ深さは大違い。ここまでの欲求は私には無いなあ。
「我、拗ね者として生涯を閉ず」
本田靖春/講談社/\2500
読売新聞社会部の名物記者だった筆者の回顧録。実は生前のレポートについて私はほとんど知らなかったのだが、確かに頑張った人だと言える。病魔に襲われながら、書く事に命を掛けたのは分かるし、その気力努力には敬服せざるを得ない。でも何かしっくり来ないものを感じてしまうのは私だけだろうか。書くだけで実質的な成果がどこにあるのだろうか。
ともに酒を酌み交わそうぜ、と思えない。彼が同僚だったら、勝手に詰まらんことをやってろ馬鹿たれが、と私は言うだろう。世のため人のため、という部分で独り善がりが過ぎると思うのです。結局空回りだったのじゃないだろうか、と言うか本当の意味での社会との接点が分からなかった人じゃないかなあ。
「花田式噂の収集術」
花田紀凱/KKベストセラーズ/\1180
これを読んでると、花田さんはとっても常識人であるかのように思えてくる。韜晦が上手いのだろうか、私が馬鹿なのだろうか。面白い人生を送っていることだけは確かだ。
「編集者!」
花田紀凱/WAC/\1400
現WILL編集長で、出版界の名物男の回顧録。文藝春秋を皮切りに、週刊文春、マルコ・ポーロ、uno!などを遍歴し、毀誉褒貶はあるけれど出版界への貢献は大きい。私は、勝谷誠彦さんの元鬼上司として強く認識している。
「週刊誌血風録」
長尾三郎/講談社文庫/\714
「女性自身」「週刊現代」などのアンカーとして活躍した著者が、時代の流れと書き手の移動を上手く表現しているので、そのまま週刊誌の歴史となっていて興味深い。確かに今でも、体制におもねらず不正を暴くのは週刊誌がほとんどだ。テレビや新聞の腰砕けぶりは情けなくなるほどだ。このまま日本は滅びるのだろうか。
「噂の眞相 トップ屋稼業」
西岡研介/講談社/\1600
神戸新聞を経て、噂の眞相編集部に3年在籍した筆者の遍歴談。筆者なりの自負と正義感が好ましい。雑誌そのものの正当性は別として、読み物としては面白い。
「さらばフォーカス!」
斎藤勲/飛鳥新社/\1300
フォーカスのアンカーライターを20年務めた筆者の回想。私より10歳上の61歳で、あとがきで「我が朱夏、白秋に悔いなし」と書いている。確かにやったね、という実感が持てる仕事をしている。私もこうありたいものだ。今の時代にこそ、追及するフォーカスのような媒体が必要だと思う。
「フォーカス スクープの裏側」
フォーカス編集部/新潮社/\1100
宮嶋さんのライバル誌の裏話。宮嶋さんの語り口の面白さには負けるが、きちんと写真報道を教えてくれる。ただ、なぜ休刊にしたのかという肝心な点を書いていないことや、 発行部数とトップ記事の関係を数字で表現していないなど、お粗末な部分もある。今の日本にこそ、フォーカスのような問題点を抉り出す写真雑誌が必要なのではないだろうか。誰も彼もがいい加減な仕事や生き方で、世の中が滅茶苦茶になってしまっているのだから。

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