55.浮世絵・性

<浮世絵・性>
「性欲の文化史」
井上章一編/講談社選書メチエ/\1600
文化の中に性を読む、というコンセプトは良いが、中身が伴わずつまらん。世の中を知らない学究というのは度し難い。
「エロティック美術館」
田中雅志/河出書房新社/\2800
出来の悪い本だが、思想とか歴史とかは関係なく、人間の本質を表わす性のサンプルとしては意味がある。アングル、ゴヤ、ミレー、クールベの裸体画は魅力的だ。もっとたくさんのモノを屁理屈なしに並べれば良いのに。
「浮世又兵衛行状記」
篠田達明/文藝春秋社/\1200
昭和62年に新刊で買った本だった。10月24日に千葉市美術館の「岩佐又兵衛展」を見て、再読してみた。小説としては文体・構成共にお粗末だが、当時を類推するためには役立つかも知れない。
「江戸の春画」
白倉敬彦/洋泉社/\780
うーん、まあこういうことが有ったのか、という程度で新奇の視点はない。屁理屈捏ねずに、色んな分類をするとか、詞書を詳細に説明するとか、もっと楽しむという観点で書いてくれると良いのだが。
「視覚の魔術師北斎」
ウィークリーブック/小学館/\350
「日本の美をめぐる」シリーズ第一号。北斎はやはり凄い。でも本当に全部が北斎の本物なのかなあ、贋作や弟子の作もあるのではないか。
「江戸のアンダーワールド」
太陽編集部/平凡社/\1524
枕絵・物の怪アウトローのアンソロジー。文章はお粗末だし、浮世絵は良く知られたモノの使い回しが多く、新発見は何もないと言って良い。編集者の怠慢か。
「春画 片手で読む江戸の絵」
タイモン・スクリーチ/講談社選書メチエ/\1700
浮世絵は、あの役者絵でさえ自慰の道具だ、という見解は初耳。そうかも知れない。現代の書店に溢れているエロ本?の量は浮世絵の比ではないが、面白さに欠ける。

<足立瑤>
「ざ・だぶる」
足立瑤/祥伝社文庫/\600
これも映画にすると面白いが、ヒロインになれるレベルの女優が日本にいないだろうなあ。
「色悪党」
足立瑤/徳間文庫/\590
いじめを受けていたオタクが、ネットトレーディングで金と力を身につけ、復讐をしていくうちに真の幸せを見出していく、というありふれた話だが、まあそれなり面白いけれど再読する気にはなれない。
「危な絵のおんな」
足立瑤/ベスト時代文庫/\657
うーむ、この人には時代劇は無理なのではないだろうか。第一作ではあるけれど、説明文になっていて、キャラが立たない。現代小説と時代小説ではこんなに違うものなのか。
「警官狩り」
足立瑤/祥伝社文庫/\657
良いです。が、著者がちょっとパターンに慣れすぎたのではないか。悪刑事の佐脇のハチャメチャぶりが温くなってないか。もっと過激に、もっと新しいパターンを開発しなくては。
「悪漢刑事、再び」
足立瑤/祥伝社文庫/\657
これも面白い、映画にしたい。ストーリーがきちんとしていて、トコトンいやらしい。
「悪漢刑事」
足立瑤/祥伝社文庫/\657
わるデカ。面白い。金や出世には興味なく犯罪者ややくざを食い物にし、女に執着するやり手刑事。部下を殺され、自分を陥れた警察上層部に強烈なカウンターを食らわす。きちんとしたストーリーが描かれていながら、エロチックな場面も容赦なく描写する。こえいう映画を作りたいなあ。

<私のヌーベルバーグ>
「美臀おんな秘画」
御堂乱/フランス書院文庫/\819
いかに女をいたぶり喜ばせるかに注力しているが、なんというか、男の身勝手なエロですな。興奮はしますが、もう少しストーリーを作ればもっと面白くなるのに。
「いましめ」
睦月影郎/徳間文庫/\533
プロローグを読むとスリラーかと思うほど緊張感ある設定と文章だったが、本編が始まるとエロチックコメディだった。筆力があれば面白くなるネタなのに、いかんせん構成力と筆力に欠ける。まあそれなりに楽しいのだけれど。
「新妻DE狂騒曲」
矢神慎二/徳間文庫/\533
良いぞ良いぞ。良いんだけど、ちょっとテクニックに溺れて、エロチックに走り過ぎ。この作者は構成力があるのだから、安易にエロに走らず、プロットをきちんと書き込んで欲しい。エロはエロで楽しいのだけれど。
「情事接続マドンナ」
矢神慎二/徳間文庫/\590
エロチックコメディーというか、青春サラリーマン小説というか、面白い。麗熟女、美少女、極道との友愛、営業マンと来れば興味津々。ボケと突っ込みがあり、セックスシーンもたっぷり。ちょっと膨らませて、AVの脚本にピッタリ。売れるぞ。

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