46.池波正太郎

<随筆>
「江戸切絵図散歩」
池波正太郎/新潮社/\590
これは文庫本じゃなくハードカバーを買わなきゃ駄目だね、切絵図が見えねえモン。池波節は相変わらず。
「味と映画の歳時記」
池波正太郎/新潮社/\950
それぞれ12編のエッセイ。いつも同じパターンながら、筆者が想い出を楽しみながら書いているのが心地良いし、勉強になります。
「日曜日の万年筆」
池波正太郎/新潮文庫/\705
老いを強く感じ始めたが、まだまだ余力はあり、人生の酸いも甘いも噛み締めた人の面白みがある。一番乗って書いているんじゃないかな。
「池波正太郎の銀座日記(全)」
池波正太郎/新潮文庫/\705
銀座のPR誌「銀座百店」に掲載されたのだが、読んでいてつらくなる。体調が悪くなり、自分の衰えにも気づいている著者が、なお日々の仕事や生き方に自分を貫こうと努力している。彼の伝記を誰か書かないものか。 きっとご自分で書いているものよりも面白い事実が沢山あることだろう。あまりにもスタイルを守ろうとしすぎていて、本音が出ていないように思う。
「男の作法」
池波正太郎/新潮文庫/\400
鵜呑みには出来ないが、なかなか良いこと言ってるよ。オレも男を磨いて一人前にならなくちゃ。
「散歩のとき何か食べたくなって」
池波正太郎/新潮文庫/\476
「食卓の情景」の続編という位置付けかな。グルメ本ではなく、グルメ人情本と言えるかも。それにしても、この人は食いしん坊だったのだ。私は若い頃でも、ここまで量を食べられない。
「食卓の情景」
池波正太郎/新潮文庫/\552
表題どおり、食に関して縦横に機智を巡らしている。単なるグルメ本ではなく、筆者の価値観を明確に出しながら、シンプルな筆致で風俗と人情と世情を記録している。大したものだ。
「池波正太郎の春夏秋冬」
池波正太郎/文春文庫/\680
エッセイ、インタビューと絵。歌舞伎役者や常盤新平とのインタビューは、筆者の価値観が分かって面白い。絵は下手糞と思うけれど、彼はこういう絵を描くのか、という好奇心を満足させてくれるので良しとしよう。

<小説>
「戦国幻想曲」
池波正太郎/新潮文庫/各\781
織田信長の嫡子信忠の危機を救ったことから「槍の勘兵衛」と称えられ武名を高めた武士の一代記。小説らしく人物が踊らないし、変に著者が解説に顔出しするので、いまいち気分が乗りきれない。
「元禄一刀流」
池波正太郎/双葉文庫/各\552
上泉伊勢守、男谷精一郎などを主人公にした時代小説集。まだ若書きで、史実の説明が買って、人物描写が弱いけれど、後年の味わいをうかがわせる部分がある。上泉伊勢守が上州の大名だったとは知らなかった。
「堀部安兵衛」上下
池波正太郎/新潮文庫/各\667
「高田の馬場の決闘」と「忠臣蔵」とで知られる堀部安兵衛の一生を描いたヴィルドゥングスロマン。武士として男として成長する安兵衛がきっちりと表現されていて面白い。
「忍者丹波大介」
池波正太郎/新潮文庫/各\781
甲賀でも伊賀でもない、丹波忍者として生きようと決めた丹波大介の日々を描く。長編らしく淡々とした筆致で、清々しい男の生き方を見せてくれる。もっとドラマチックに膨らませてもよいと思うが。若書きなのか。
「あばれ狼」
池波正太郎/新潮文庫/\590
表題作を含む股旅三部作と、「真田太平記」のサイドストーリー四編。やはり出来は未熟。
「江戸の暗黒街」
池波正太郎/新潮文庫/\476
「仕掛人・藤枝梅安」の先駆をなす、江戸の裏世界を生きる人間達を描く短編集。やや未成熟の感がある。
「武士の紋章」
池波正太郎/新潮文庫/\476
「武士」は「おとこ」。運命に逆らうことなく、しかも自己を捨てることなく悠然たる人生を送った滝川三九郎。黒田如水、三根山、牧野富太郎など、己れの信じた生き方を貫いたおとこ達への賛歌。池波ワールドの原点。
「男振」
池波正太郎/新潮文庫/\590
武士の世に、若くして髪が抜け落ちた主人公が、実は主君の落し胤だった。一連のお家騒動が起こり、さて主人公は、というストーリーで、面白くなりそうでならないもどかしさが有った。面白くなりそうなテーマなのに、登場人物が生きていず、小説ではなく説明文になっている。筆者も分かって書いているんじゃないかなあ。
「真田騒動 恩田木工」
池波正太郎/新潮文庫/\552
真田藩を題材とする短編5話。第一篇「信濃大名記」でいきなり池波正太郎の世界に引きずり込まれた。関が原の合戦で、父と弟が豊臣方参戦するのに、真田信幸は徳川家康に付き従った。男として、領民と部下を養わねば成らない領主として、信幸の戦いと我慢が始まり、成長していく。
表題作も良い。真田藩の改革を、着実に手を打って成功させる恩田木工は偉い。口先だけの小泉では出来ない実務を、木工はやってのけた。木工のやり方はまっとうだが、小泉は嘘場仮で浅ましい。
最後の「この父その子」は若書きで下手糞。習作程度ではないか。
「まんぞくまんぞく」
池波正太郎/新潮文庫/\476
16歳のときに浪人に襲われかけた旗本の娘が、9年後に男装の女剣士となり辻斬りまがいの事を仕出かすようになる。その心は、その婚姻は、旗本家の行く末は。「剣客商売」の骨子を借りた、著者お手の物のストーリー展開だが、あくまで主役は女剣士、堀真琴。面白いエピソードがあるのだから、もっと長編にすれば楽しかったのに。面白いだけにちょっと拍子抜け。

<四代シリーズ>
「仕掛人・藤枝梅安」1〜巻
池波正太郎/講談社文庫/\495
世のため人のためにならない悪人を、金で始末する仕掛人。一巻を読み終わったところだが、ちょっとコクが無い。二巻からどうなるかな。
「真田太平記」1〜12巻
池波正太郎/新潮文庫/\629
天正10年(1582年)の武田氏滅亡から、元和8年(1622年)に真田信之が信州上田から松代へ移封されるまでの約40年間を描いたもの。ブックオフで買った一巻を読み終えたばかりだけれど面白い。次巻を読むのが楽しみだ。
昨夜は明け方まで読んでいたがダウンして、今朝10/8読了。歴史の説明部分はやや退屈だが、面白かった。先日沼田の近くにキャンプしたのだが、今度は関係の各地を訪ねてみよう。
「剣客商売読本」
池波正太郎/新潮文庫/\629
池波自身と周囲が剣客商売を語る。じっくりと構想を練った原稿や地図が物珍しい。
「ないしょないしょ」
池波正太郎/新潮文庫/\552
越後、新発田の剣客神谷弥十郎の道場で下女として働いていたお福の成長物語。お福の敵討ちを秋山小兵衛が助成する。
「黒白」上下
池波正太郎/新潮文庫/\705
若き日の秋山小兵衛とその周辺を描いた秀作。
「剣客商売」全16巻
池波正太郎/新潮文庫/\552
とうとう読み初めてしまった。人生智に長けた剣客秋山小兵衛と、道場を開いたばかりのストイックな長男大治郎が江戸で織り成す物語。次ページを、次巻をと読みたくなって寝不足は必至。
「鬼平を歩く」
毎日ムック編・西尾忠久監修/知恵の森文庫/\838
鬼平ゆかりの町や店のムック。中身は無いが、ガイドブックとしては重宝するか。
「鬼平犯科帳」全24巻
池波正太郎/文春文庫/\514
大衆小説という感じで、何となく今まで手付かずだったが、やはり面白かった。文章は簡潔でストーリーは分かりやすく心地よい。確かに面白いテレビドラマを見ているような文章だ。時間潰しには最適。それに江戸市中の地理が上手く散りばめられていて興味深い。

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