45.心の処方箋

<勢古浩爾>
「まれに見るバカ」
勢古浩爾/洋泉社新書y/\720
まあその自分の反省材料か暇つぶしに読むには丁度良いのではないか。言ってる事に間違いは無いし、反省すれば世の中良くなるのは間違い無し。だが政官界や経済界の真性バカを漏らしているので役には立たない。
「こういう男になりたい」
勢古浩爾/ちくま新書/\660
この人の書いている事はほとんど私の考えと同じだ。「たったひとつの覚悟、その場、その時に、最も適切妥当な事をおこない、自分が考えることを、口にし、できるだけそのように行動すること」が男の唯一の条件だと言う。正しい。だが、考え、判断するには確固とした価値観がないと出来ないのだ。そこについての言及が無いのが惜しい。まあそれを言うとこの本が書けないだろうけれど。
「わたしを認めよ!」
勢古浩爾/洋泉社新書y/\680
世界に誰一人自分を認めてくれる人間がいなかったら、多分生きていけないだろう。人間の行動は、すべて自分を認めてくれる事を望んで起こされる。確かに、誰も褒めてくれず、理解してくれず、必要とされなかったら生きている意味が無くなってしまう。自分が腹立たしくなるのも無視されたと感じる時が多い。
著者の考えには頷ける点が多いが、やや日本人の文化に基づき過ぎていて、外国への普遍性についての考察が少ないのが気になる。説明が、日本文化だけの特質をあまりに人間一般に敷衍してはおかしくなる。

<心の処方箋>
「生協の白石さん」
白石昌則/講談社/\952
東京農工大学の生協にある「ひとことカード」への回答がインターネットに広がり、本となった。白石さんのウィットに富んだ回答が話題となったのだが、確かに良いけれど凄いわけではない。参考にはしたいけれども。
「アタマにくる一言へのとっさの対応術」
バルバラ・ベルクマン/草思社/\1400
まったく関係のない別の話題で話をそらす。それがどうかしたかいの一言でやっつける。頓珍漢な諺で煙に巻く。毒抜きの問い返し。まず譲歩して、でも意思を貫いて話す。色々役立ちそうなテクニックがある。基本的には自分の意思とテクニックを磨くしかないのだが。
「人生にはしなくてもいいことがいっぱいある」
高橋龍太郎/青春出版/\1400
著者は精神科医で、なかなかまっとうな参考になる考え方を書いているのだが、表題がまったく中身と違う。副題の「ちょっときゅうくつな日々を変える考え方」の方がピッタリだ。文章としては読みやすいが、50歳過ぎた著者が「〜じゃない?」とか「〜でしょ」とか若者に媚びたような取って付けたような言葉遣いはいただけない。中身はそこそこなんだから、もう少し文章の推敲をして欲しいものだ。
「毒舌・仏教入門」
今東光/集英社文庫/\495
これは凄い、もっと早く読むべきだった。昭和50年に琵琶湖西湖畔の東南寺で行なわれた戸津説法のテープ起こし。天台宗の大僧正であった今春聴が、五日間に渡って講会を行なった記録だが、彼らしく型破りな仏教漫才になっている。もともと戸津説法は、大僧正が自分の学問の信仰の深さの見せ所と、難しい仏教用語を駆使して話したので、近隣の人々は、屁理屈を捏ねたり難しい言葉を喋る輩を「あいつは戸津説法や」と言うそうだ。 それを今春聴は漫才に変えた。痛快だ。しかし本来の仏教はこうだったのではないだろうか。聴いてもらえるように面白おかしく話し、その話を聞くと実は仏教の神髄が盛り込まれていると言うのが有るべき姿だろう。彼の作品を読み直してみよう。
「橋本治の男になるのだ」
橋本治/ごま書房/\1100
羊頭狗肉。期待外れだった。「できない、わからない、知らない」を認めてそこから出発するとか、自立など関係なく一人前になれなど、良い事も言っているのだが、男論ではなく、橋本治の昔語りになっている。もう少し論理的で鋭い人だと思っていたのだが。
「日本人はなぜナメられるのか」
中山治/洋泉社新書y/\680
書名が気になっていたが定価で買う気も起きず、ブックオフで100円だったので買った。しかし書名に偽りあり。著者は典型的な現場知らずの本読みで、本に書いてある事と現実の違いがわかっていない。こんな粗雑な論理で学者が勤まるのだから、それこそ日本は楽なものだ。
前半は日本人論のつまみ食いで、後半は「武装永世中立」という自論の押し付け。途中は粗雑だが、結論としての「武装永世中立」には、私はほぼ賛成できるのが不思議で面白い。
「まちがったっていいじゃないか」
森毅/ちくま文庫/\500
中学生向けとして1981年に書かれたそうだが、大人じゃないと分からないんじゃないかな。でも本は、その時一部分でも面白いと思えば、それで充分だから誰が読んでも良いんです。「権限には責任が伴い、自由には危険が伴う」、「自分は人生の主人公」等、傾聴すべき点が多い。
「生き方のツケがボケに出る」
金子満雄/角川文庫/\552
若いときからの生活習慣がボケにつながるとの主張で、納得。もっと早くこの本を読んで、母のボケを理解してやればよかった。
「老いて、わがままに生きる」
大原健士郎/講談社/\1500
エッセイは面白い視点で書かれているし、過去の書物からの研鑽も勉強になるが、いずれも短くて煮詰め不足。
「やる気の出る人、出ない人」
大原健士郎/法研/\1300
さすが大原先生。「小さいことにくよくよするな!」とは違い、実務者のアドバイスは使えそうです。生活にリズムを作り、外見を整える、と言うあたりからやるのが一番のようです。 ただし、やる気のでない原因は色々ですから、それぞれの原因に対応するのが肝心。私も心しておこう。
「小さいことにくよくよするな!」
リチャード・カールソン/サンマーク出版/\1500
題名に惹かれて買ったのです。私も救われるかと思ったのです。言っていることは正しいのですが、この本を読んで心を入れ替えられる程度の症状の人だったら、自分で問題解決出来るでしょう。これがベストセラーになるのなら、多分アメリカ人ってお気楽な人種なのかも知れません。
「間違いを活かす発想法」
シャーロット・F・ジョーンズ/晶文社/\1900
失敗は誰にでもある。大切なのは、失敗しないことではなく、失敗をどう活かすかだ。我々の回りには、ミスから生まれた素晴らしいモノがいっぱいある。
「こころの処方箋」
河合隼雄/新潮文庫/\400
「人の心などわかるはずがない」「ものごとは努力によって解決しない」「100点以外はダメなときがある」「うそは常備薬 真実は毒薬」「羨ましかったら何かやってみる」この本の見出しです。奇を衒った物ではなく、深い体験と実践から生まれた常識が披露されています。
「400字の恋愛論」
山口真理子/祥伝社/\1300
わたくし、修行が足りません。勉強します。
「30日間で幸せになる方法」
サリー・ハス/大和出版/\1200
原題は「Happy Book」、翻訳者の山口真理子さんからいただきました。幸せになるには、課題設定と具体的な行動が必要。そして楽しく努力すること。まったく賛成です。イラストも可愛い。
「人から大切にされる人されない人」
斎藤茂太/新講社/\1238
人に大切にされるための100項目。根本は人にやさしく接すること。厳しさの方が、自分にも他人にとっても為になると思ってきたが、その為に人間関係がギクシャクするのに疲れてきた。そんな時、題名にひかれて手に取ったが、やっぱり私にはやさしさが足りないようだ。少し行動を変えてみよう。
「あなたに友だちがいない理由」
笠原真澄/新潮OH文庫/\505
自分を大嫌いだった筆者が、悩みに悩んだすえ、自己改革に成功して自分を大好きになった。立派だし、よく頑張ったね、と思うけれど、そんなもんじゃないんだよね、本当のしんどさは。
「育てたように子は育つ」
相田みつを・佐々木正美/小学館/\1500
良い本です。暖かいとともに、厳しい題名です。

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