42.外交

<外交>
「金印偽造事件」
三浦佑之/幻冬舎新書/\720
漢委奴國王の金印は、どこで誰が見つけたのかも明確でなく、経緯とかかわる人々の関係から、偽造品ではないかと考察して行く。確かに不明朗なところが多いなあ。
「フロイスの見た戦国日本」
川崎桃太/中公文庫/\800
宣教師ルイス・フロイスの著書「日本史」は16世紀日本の姿を伝える貴重な資料。その翻訳者がダイジェスト版を書いたのだが、力不足と言うかダイジェストするには勉強不足だろう。言葉が出来るということと価値観・歴史観がしっかりしていて文章力があるということとは違う。
「拒否できない日本」
関岡英之/文春新書/\700
在日米国大使館のホームページには「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」が掲載されている。市場開放、金融政策、郵政民営化、法制度改革など近年のいわゆる構造改革は、毎年米国から出されるこの要求に基づいて日本が行動しているのだ。 日本は米国の植民地なのか。とんでもない話だ。日本の文化をぶち壊し、グローバルスタンダードという米国化を急進している。一部の金持ちだけが富を独占し、大半の国民が圧政に苦しみ、諸外国に害を及ぼす。そんな米国のような国になってはならない。
「模倣される日本」
浜野保樹/祥伝社新書/\740
映画、アニメから料理、ファッションまで、日本が外国に模倣されているものは意外に多い。経済や政治だけが大事ではなく、自らの文化をきちんと保持し、世界に広めていく戦略を立てるべきだと主張する。筆者とはICUで重なっているかも知れない。
「日本の中のオランダを歩く」
河野實/彩流社/\1600
1600年にオランダの帆船デ・リーフデ号が大分県佐志生に漂着してから約400年の間、オランダは日本の教師だった。アメリカが日本の生活や文化に強い影響を与えるようになったのは、ほんの戦後のことだったのが良く分かる。もっとオランダとの関係を大事にしなくてはと思わせられました。それにしても、志は良いのだが、文章と構成がヘタな著者だ。
「シュリーマン旅行記 清国・日本」
ハインリッヒ・シュリーマン/講談社学術文庫/\800
トロイ発掘のあのシュリーマンが日本に来ていたなんてまったく知らなかった。しかも発掘に先立つ6年前で、15代将軍徳川家茂の時代。清国に対しては辛らつだが、日本の文化と民族に対しては好感を持って記している。
「岩倉使節団という冒険」
泉三郎/文春新書/\700
やはり凄いことをやったものだと思う。同行し「米欧回覧実記」を書いた久米邦武の偉業を顕彰した久米美術館も先日知って行って来た。我々はいろんな場所、事柄で過去と繋がっていることを実感する。しかし、筆者の事実と推論を混同する書き方はいただけない。思い込みから脱却して史実を明確にしなくては。
「堂々たる日本人」
泉三郎/祥伝社/\1553
維新後まもない明治4年に、岩倉具視を全権大使とする約50名の団員と約60人の留学生が二年あまりの世界歴訪を実施した。知られざる岩倉使節団を追いかけた著者の力作。失敗もあるが、あらゆる面で筋を通した堂々たる日本人だ。今の政財界、企業の不祥事や浮ついた世情とは一線を画した、当たり前のことを当たり前にひたむきに努力する日本人がここにいる。彼らが帰国後、日本の実権を握るのも無理はない。
「漂着船物語」
大庭脩/岩波新書/\780
長崎と言えば出島、オランダだが、実は江戸時代、日中貿易は日蘭貿易を遙かに上回る額で有ったという。日中交流の中でも、日本への漂着船の記録を渉猟することにより、意外な関係が明らかになる。

<日朝関係>
「朝鮮半島「核」外交」
重村智計/講談社現代新書/\740
北朝鮮外交は、軍事と政治だけではなく経済を抜きに出来ない。石油が無い国は戦争継続出来ない。国家予算とGDPは新潟県より少ない。いちいちご尤もだ。やはり経済制裁を基本に、体制改革するのが妥当。
「歪められた朝鮮総督府」
黄文雄/光文社/\800
崩壊していた李朝朝鮮を、政治・経済の全般に渡って梃入れし、近代化の基礎作りをしたのが朝鮮総督府だと主張している。韓国の被虐的史観はまったくいわれの無い勘違いだと思われる。
「韓国併合への道」
呉善花/文春新書/\690
著者の呉さんには私の勉強会にも来てもらい、その真面目な人となりは実感している。従来の侵略史観からではなく、日本に併合されるに至った「韓国側の問題点」を究明している。旧来の両班制度の弊害で近代化に思い及ばず、李王朝の継続しか念頭に無い政局と、閉じられた文化がその要因だと言う。とても説得力がある論だ。
「天武と持統」
李寧煕/文藝春秋/\1300
天武天皇は高句麗の将軍淵蓋蘇文だという。緑は古代韓国語のミドルで、ミは水、ドルは石、水の中にある石のこと。だから光線の具合によって緑色にも青色にも見えるので、緑という日本語でも緑と青を指すようになるのは当たり前。何でも古代韓国語といわれると着いてゆけないが、検討する価値は有りそうだ。
「枕詞の秘密」
李寧煕/文藝春秋/\1300
枕詞は意味不明の掛詞だと私たちは習ったが、著者はそうではなくちゃんと意味のある言葉だと主張する。日本語で読むから分からないのであって、古代韓国語特に吏読(韓国式万葉仮名)を理解すると何の齟齬も無く枕言葉は理解できるとのことだ。眉唾で読んでいたが、無理やり読了した今、そうかも知れないと思うようになった。 可能性としては充分ある。ただ古代韓国語で読むと、五七五七七のリズムに合わないのが気に掛かる。「もう一つの万葉集」も読んでみよう。
「朝鮮通信使の旅日記」
辛基秀/PHP新書/\720
江戸時代、12回の外交使節団が朝鮮から訪れていた。秀吉の文禄・慶長の役に対する戦後処理と国交回復に始まった朝鮮使節使の日本文化に与えた影響は大きいように思える。鎖国と言う言葉の意味するところは、事実を確認する必要がありそうだ。

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