30.デザイン

<広告・コピー>
「広告批評」
島森路子/マドラ出版\1048
年一回のカンヌ国際広告賞の受賞作中心のCD-ROMに引かれて購入。ウイットに富んだCMはそれを見るだけで楽しい。売らんかなのモノは御免だが、知恵を絞ったモノは美しい。
「あの広告コピーはすごかった!」
安田輝男/中経出版\2400
昭和・平成のコピーを、元博報堂のディレクターが収集。さすがにインパクトあるコピーが多く、参考になる。ただ、解説はあまりいただけない。
「COPY BIBLE」
-/宣伝会議/\2000
装丁が古びた茶色で、気になって中を見たらコピーライター達の一言集でした。それなりに面白かったけれど、文章の上手い人はあまりいなかった。

<海洋堂>
「創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある」
宮脇修/講談社/\1800
宮脇館長が過去に書いたものも採録して、歴史を振り返っているが、読み物としては面白くない。歴史検証の素材としては使えるが、それにしてももっと事実に即して書いてくれないと、本当かどうかも疑わしくなる。奥さんのこと、全国キャラバンのこと、四国一周自転車旅行のこと、初期のメンバーと袂を別ったことなど、書かないでごまかしている部分が気になる。それぞれの事実をキチンと書かないで、理屈の部分が多すぎる。立派な仕事をされたのは間違いないが。
「海洋堂マニアックス」
あさのまさひこ/竹書房/\2800
フィギュアの業界通史に焦点を当てて書かれているが、結局、海洋堂の凄さが理解される。それ以上に、筆者の思考の深さ、インタビューの上手さ。そして装丁、レイアウト、デザインなど本そのものへの拘りに感心。
「海洋堂クロニクル」
あさのまさひこ/太田出版/\2800
「人間的な完成度なんてどうでもええ。造形物の完成度がすべてなんじゃ、ボケ〜っ!!」。こうだからあのモノが出来たんだと納得。宮脇専務と仲間に感心しきりだが、著者のあさの氏の調査、文章、装丁などへの拘りにも感心。やっぱり自分の拘りをトコトン追及する人は良い仕事をする。ぬるい仕事は駄目だ。
「海洋堂フィギュアコレクション」
-/日本文芸社/\1500
最新食玩から秘蔵コレクションまでの一覧。じっくり見ると、動物の形態や動きに難点もあるけれど、これだけのものを安く作った力はたいしたもんだ。
「メバエ」
岡田斗司夫/音楽専科社/\1600
カートゥーン、食玩、怪獣のその道の第一人者を迎えて、オタク学の岡田氏とトンデモ本の山本氏が司会をする座談会記録。海洋堂の宮脇専務の話を見たくて買ったが、やっぱり面白いわ、この人。生き方が素直。見習わなければ。
「造形集団 海洋堂の発想」
宮脇修一/光文社新書/\720
専務の宮脇さんへの聞き書き。好きな模型を作るために、世の中に受け入れられるために、いかにやってきたかが分かる。好きなことを、時間を掛けて、一生懸命やると上手くいく事もある。もし上手くいかなくても、筋を通して生きてきたという誇りは残るだろう。中卒の専務、狂熱の造形師たちの残した仕事は素晴らしい。
「チョコエッグハンドブック」
/けい文社/\950
デザイナー松村氏の力量と、中国の成形・塗装の技術が結合、何とも可愛らしいフィギュアが出来ました。買い出すとチョコを食べるのが大変。

<デザイン>
「銀座界隈ドキドキの日々」
和田誠/文春文庫/\590
1959年、和田さんは銀座のライト・パブリシティに入社し、デザイナーとしての生活を始めた。先輩、同僚、異業種の人たちとの交流・切磋琢磨が淡々とした筆致で描かれていて羨ましい。デザインとイラストの本業が、趣味の映画・ジャズなどのせいで豊かなモノになる。先日見たギンザ・グラフィック・ギャラリーの四人展の作品は、こういう背景から生まれたものなんだ。東レの広告デザインをしてくれていたとは知らなかった。
自宅の美術関係の本棚を見たら、1993年発行の初版ハードカバーが有った。まいったなあ。なんとなく有るような気がしたけれど、内容はまったく覚えていなくて、とても面白く読めたのです。デザイン関係の仕事を10年以上しているし、博物館美術館にも多々通っているので、業界やデザイナーの内情が分かり、より理解できたのだということにしておこう。
「ぼくは「つばめ」のデザイナー」
水戸岡鋭治/講談社/\1200
九州新幹線800系誕生物語。筆者は岡山出身のデザイナーで、ドーンデザイン研究所主宰。日本らしさ、和を取り入れた車内デザイン、職人気質あふれるナイスガイじゃないか。こういう仕事の仕方が日本の伝統だし、これからも無くしてはいけないものだと思う。子供向けの文体だが、中身は濃い。
「これ、誰がデザインしたの?」
渡部千春/美術出版社/\1905
「デザインの現場」の記事の出版化。良い発想なのだけれど、突っ込み不足。ただ並べただけ。筆者の引き出しの狭さ、甘さだな。
「日本のロゴ」
成美道出版編集部/成美道出版/\1300
こんな値段で、デザインの力を見せてくれる凄い内容。装丁もシンプルで良い。シンボルマークとロゴタイプ、合わせてロゴマークと云うのは日本だけ。良いデザインも悪いのも、こうやって見ると一目瞭然。
「デザイン解体新書」
工藤強勝/ワークスコーポレーション/\2500
筆者の作る書籍のデザインレイアウトを、実際の指示書に即して見せてくれる。何度も読み直したい本だ。
「企画のお手本」
西尾忠久/KKロングセラーズ/\1200
副題が、VWビートルによる発想トレーニング副読本。まさにそのまま。ビートルの広告の変遷をじっくり見せてくれる。確かに発想だわ。自分のふところが狭いせいか、これだけ?という気も若干するが。
「形とデザインを考える60章」
三井秀樹/平凡社新書/\780
百余年前に日本の造形が欧米でブームとなった。ジャボニズムである。その前にはシノワズリも有った。閉塞した欧米の美学に深さと広がりをもたらしたのは、日本の造形だったのだ。もっと日本を勉強しよう。
「幕の内弁当の美学」
榮久庵憲司/朝日文庫/\780
日本的発想の原点は幕の内弁当にある、と言う視点で思いを語っている。確かに、幕の内弁当の分析は頷ける物がある。ただ、如何せん文章と構成が稚拙過ぎて読むに耐えなかった。まるで学生の粗末なレポートのように、思いを羅列するばかりで起承転結、メリハリがない。あれだけ優れたデザイン業績を残していても、文章の推敲などは出来ないらしい。
「フューチャー・スタイル」
山中俊治/アスキー出版局/\2700
未来の可能性を、工業デザイナーがイラストと文で描いたもの。散見される短文に啓蒙される。曰く、デザインに正解はない。アリはビルから落ちても、落下の衝撃で死ぬことはない。
「口紅から機関車まで」
R.ローウィ/鹿島出版会/\2800
「美しい良きデザインは機能にそったもので、商品のコスト高をきたすものではない」インダストリアルデザイナー、レイモンド・ローウィの個人的記録。デザインってのはこうありたいものだ。
「バウハウス」
G.ネイラー/パルコ出版/\1800
1919年から14年間存続したバウハウスをきちんと紹介してくれる。ヴァルター・グローピウスを中心に、近代デザインへの道を開いた大きな流れが理解できる。

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