22.海外ルポ

<中国>
「北京で七年暮らしてみれば」
石川郁/トラベルジャーナル/\1650
筆者の頑張りと北京の風俗文化が分かって面白い。しかし、中国の変化はあまりにも激しいので、1996年の発行なのに既に過去の風俗となっていることが多々ある。私が上海に行った2002年でも既に旧聞に属するものも有るし、今2004年では、中国のモータリゼーション、富裕化は著しい。その時を切り取り保存するという意味でも、こういう本は貴重だ。
「北京大学てなもんや留学記」
谷崎光/文春文庫/\619
中国での商社活動、語学留学を経て、北京大学へ留学。よくまああんな中国に住めるなあ、と私は思うが、そこはしぶとい光ちゃんのこと。中国人に負けないパワーで北京生活を乗り切ります。経験を積んで、中国文化への理解、翻っては日本への思考が深まっている。
「北京の愉しみ」
谷崎光/角川春樹事務所/\1143
どちらかと言うと、北京の観光案内。もちろん谷崎さんだからユーモアタップリだが、推敲を重ねた面白さは無い。
「スチャラカ東京のオキテ」
谷崎光/祥伝社黄金文庫/\562
処女作「中国てなもんや商社」の出版後、上京して東京と大阪の違いを実感する。作者にとっては大阪以外は東京も中国も同じ外国。面白いけど、若いよね。
「てなもんやOL転職記」
谷崎光/文春文庫/\524
「中国てなもんや商社」の姉妹編。裏話、思いのたけをユーモアを持って語る。やっぱり行動力ですね。内気でトロい光ちゃんが、切羽詰るともの凄いパワーで体当たり。見習いたいもんです。
「中国てなもんや商社」
谷崎光/文春文庫/\524
腰掛で入社した大阪の貿易商社で、著者が担当したのは中国の縫製品。中国生産の光と影をモロに感じながら、鍛えられていく著者の成長が楽しい爆笑ノンフィクション。私もモノつくりに携わったので身につまされる。
「上海路上探検」
渡辺浩平/講談社現代新書/\640
80年代は留学生、90年代は企業人として上海に住んだ筆者の滞在記。上海に行った後の私が読むと、ああなるほどねえ、そういうことなのかと頷ける。冷静な記述だけれど、発想の面白さはない。
「踊る中国人」
原田純子・中華生活ウォッチャーズ/講談社文庫/\695
私の常識からすると中国は「何じゃこりゃ」ということが多い。でもそれがどうした、どっこい生きているという強さがある。どんどん進歩して世界を席巻するのが中国人かも知れない。どちらかと言うと私は、淡々と優しく気持ちよく生きていたい方なのだが。

<韓国>
「在日の地図」
山野車輪/海王社/\1000
文章と漫画で日本のコリアタウンについて、よく分かるように教えてくれる。でもこの漫画の下手さには辟易。これだけ下手だと、文の内容も正しいのかなあ、と疑いたくなってくる。
「ソウル駐在 コンドレマンドレ日記」
米澤浩太郎/双葉社/\1500
題名通り、富山の公務員米澤氏の二年間のインターネット日記を書物化したもの。感性が若々しく、妙な偏見が無く楽しい。普通の日本人が普通の韓国人と仲良くなって、お互いに歩み寄れれば、もめ事も少なくなるのにと思います。
「無敵のソウル」
まのとのま/スパイク/\1500
真野匡さんと乃間修さんという二人の女性?によるイラストレイテッド「ソウル観光案内」。イラストが可愛くて買ってしまったが、中身も楽しく、ソウルへ行きたくなった。

<東南アジア>
「ランクル大王のアジア派ドライブ紀行」
守屋裕司/光人社/\2000
守屋さんは私より三歳年上なのに、アジアをドライブ旅行して楽しむ余裕と体力があり、誰にでもどこにでもそれなりの真実があると受け入れる強さをお持ちだ。欧米の基準も日本の慣習もそれぞれ真実だが、アジアにはアジアの真実があると教えてくれる。俺もやはり車で日本一周するか。アジアではとても運転できないが。
「アジアの熱い風」
徳納志信/総合法令/\1600
アジア八カ国の実情と革新の様子を、平成7年に記述。アジアの躍進を確信し、日本の地道な発展を祈願する。数字をあげつらう専門家の意見よりも、自分の五感で感じ取ったものが大事、という意見は共感するところ大。
「無敵の台湾」
まのとのま/アスペクト/\1500
台湾に行ってみたい。その時には、この本を持っていこう。
「無敵の香港新装改訂版」
まのとのま/アスペクト/\1500
まのとのまシリーズの第一作の改訂版。香港には勉強会の秋草さん、学生アルバイト仲間だった倉知さん、東レで同期の井黒さんという親しい三人がいるので遊びに行こう
「無敵のバンコク」
まのとのま/アスペクト/\1500
まのとのまは二人とも女性ということが判明。良かった良かった。相変わらず楽しげなイラストで、行きたくなります。
「無敵のバリ」
まのとのま/アスペクト/\1500
まのとのまは男女ということが判明。ちょっぴり残念だが、イラストの楽しさは変わらず。文章が多くなると粗が目立つが、バリは楽しそう。
「何もなくて豊かな島」
崎山克彦/新潮社/\1214
フィリピンの小島カオハガンを購入した筆者の生活雑記。300人の島民との交わりと自然との融和によって、豊かな生活を送ろうとしている。王様ごっこの軽薄さを感じるとともに、羨ましくもある。
「アジア無銭旅行」
金子光晴/角川春樹事務所/\1000
ワールドカップのチケット無しで数万人の日本人がフランスへ行き、10数万円でチケットを買い求める。80年ほど昔、金子光晴は放浪の旅を続け渡仏した。この人の凄まじい生命力は何なのだ? 日本対クロアチア戦の前日に読了したのも縁なのか。

<英国>
「英国式人生のススメ」
入江敦彦/洋泉社/\700
筆者は、西陣生まれでMICHIKO LONDONのコーディネーター。没落しても、それぞれの階級の人間が誇りを持ってそれぞれに生きていく英国。その中での身近な、しかし本質的な事象を解説してくれる。
「お金とモノから解放されるイギリスの知恵」
井形慶子/大和書房/\1500
確かに今の日本はおかしい。イギリスの生活習慣の良い点も納得する。20年程前イギリスに行ったとき、私達夫婦のために、ホテルのエレベーターの戸を開けて待っていてくれたイギリス人には感謝した。かと言って、著者のように表面の現象だけを捉えてなんでもかんでもイギリスは良い、と狂信的になるのも考え物だ。そうなるまでの歴史や経済活動があって現在に至るのだから、現在だけを見てどっちが良いなどと言うのは浅薄すぎる。例えば、イギリス人は政府の福祉制度を信頼しているからあまり貯金をしない。貯金ばかりする日本人はおかしいと主張する。その場合、日英の社会制度や税金の違いについての調査・記述はまったくない。これでは小学生レベルだ。イギリスの中でも差異があり、アイルランド、スコットランド、ウェールズとはまた違う。ましてフランス、日本と違うのが当たり前。表面現象をあげつらうのではなく、そこにいたるまでの経緯や制度の違いも理解した上で、お互いの差異を楽しむのが大人の生き方ではないか。
「イギリス人はおかしい」
高尾慶子/文藝春秋/\1429
日本人ハウスキーパーの慶子さんが見たイギリス階級社会の素顔。アメリカに盲従して行くと、貧富の差が激しく、道徳観の無い社会が出来ていくのだなあと感じます。今の日本への警鐘と受け取り、人間らしい心を無くさないようにしたいです。
「日本はなぜここまで壊れたのか」
マークス寿子/草思社/\1400
書いている日本の問題点はその通りだとは思うけれど、一般論ばかりで切迫感がまったくないし、解決案の提示もない。著者個人の経験やマスコミが書きなぐっただけのことを、全国民が、などと書かれると白けてしまうなあ。
「大人の国イギリスと子供の国日本」
マークス寿子/草思社/\
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<その他>
「謝らないアメリカ人すぐ謝る日本人」
木哲也/草思社/\1648
うーん、あまり面白くない。普通の人なら知っているし、想像も出来ることを得々と語られてもなあ。言っている事にあまり間違いは無いのだが。筆者は、米国ヤマハの副社長で、永くアメリカでビジネスに携わっていたが、多分、庶民の世界とは縁遠かったのではないかな。もっと自分の経験を赤裸々に書けば面白いのに。
「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」
周防正行/文春文庫/\638
表題映画の米国公開に関する異文化衝突を淡々と書き連ねています。真面目な人なんですねえ。アメリカ人との対応もそうだし、この本の作りもそうです。米国側とのカット部分での応酬、最終章までテンションの落ちない文章に、彼の能力が表れています。映画は馬鹿にしていて見なかったのだけれど、この本を読んでから見たくなりました。
「アフリカにょろり旅」
青山潤/講談社/\1600
うなぎを求めて、灼熱のアフリカをさまよい歩く東京大学大学院学徒。喰うこと、寝る場所を確保することが彼らの最初の仕事。それからうなぎを求めて道無き道を掻き分ける。不肖・宮島と通ずる、恐るべき状況にも果敢に立ち向かい、何とかしてしまうバイタリティが微笑ましい。指導の教授の登場場面が少ないが、面白いキャラだから拡大すると笑える。
「もの食う人びと」
辺見庸/共同通信社/\1500
紛争地帯や刑務所、チェルノブイリなど世界の問題地点に行き、そこでものを食い、感じようとした記録。最初、物足りなさと違和感を感じた。上っ面だけなぞって中身が無く、短い。其のとき読んで捨てられる新聞記事なんだ。食うことから離れ、見て真面目に言葉を尽くすようになって、面白くなってきた。やはり新聞記事では駄目だ。
「ジャングルで乾杯!」
林美恵子/スターツ出版/\1100
整形外科医の職と婚約者を捨て、アマゾンで暮らすようになった女性のアマゾン生活記。文章と写真から想像すると、ピッタリとした環境を手に入れ、観光業の仕事と良いパートナーに恵まれ、生き生きしている。ただこの本を書くこと自体に少し違和感を感じる。ジャングルだけでは不満なのかな。初版が出たのが1996年。2004年の今、44歳の彼女はどういう生活をし、何を考えているのだろうか。楽しんでいてくれると良いが。私にはアマゾンは無理だけど、一度行って見聞するには楽しいと思う。

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