20.スポーツ

<サッカー監督>
「オシムがまだ語っていないこと」
原島由美子/朝日新書/\700
著者は元朝日新聞のジェフ千葉番記者。オシムさんの知らない面を少し知ることが出来るが、木村元彦の本を読んだ後では、文体も深みが無く没入できない。人生経験の浅さだろうなあ。
「オシムが語る」
シュテファン・シェンナッハ、エルンスト・ドラクスル/集英社インターナショナル/\1600
オシムさんが日本に来る前、オーストリアのサッカーチーム、シュトルム・グラーツ監督を辞める直前のインタビュー集。政治、宗教、生き方、サッカーについて、独特の答えを出している。プリンシプルのある素晴らしい人だ。
「イビチャ・オシムの真実」
ゲラルト・エンツインガー、トム・ホーファー/エンターブレイン/\1400
オシムさんの前半生記。日本に来てくれるまでの彼の活動と生き方が分かる。筋道の通った考えと生き方は、男として尊敬します。
「オシムの言葉」
木村元彦/集英社/\1600
やはりこの人は凄い。プロとして、人間として尊敬します。彼の言葉の一つ一つが、人生の深い経験と実力に裏付けられている。戦争そのものと戦った男の強さが伺える。俺もこういう親父になりたい。ジェフの「オシム監督語録」も素晴らしい。
「ヒディンク革命」
李東 ・金華盛/新潮文庫/\1600
2002年のワールドカップまで500日しかない韓国サッカーチームを任されたヒディンクは、類まれなリーダーシップでチームをベスト4まで押し上げた。ピッチ上でも、サッカーより年齢の上下関係を重んじる若手、ただ走り回るだけで創造性や考える速さの欠ける選手。全権を委譲されたヒディンクの準備周到な計画と頑固な実行力は韓国サッカーを変えた。本書はヒディンクの足跡を追いながら、彼の活動はまさに企業のCEOの仕事と同じであるとの認識に達した。各国企業の事例とヒディンクのやり方を並列して、韓国文化革新の意欲に燃えている。事実をそのまま捉えようとする真摯な姿勢に共感する。
「サッカー監督という仕事」
湯浅健二/新潮文庫/\514
ドイツのプロコーチであり、読売クラブのコーチとして活躍した筆者が、監督という仕事についてレポート。憶測で書く部分が多くてやや信頼性に欠けるが、言っている事は納得できる。ジーコへの不安、トルシェ、オシムへの客観的な賛辞にも納得。サッカーはクリエイティブな無駄走りが大事、という指摘はその通りだと思う。監督にとって一番大事なのはパーソナリティ、という指摘は100%納得なのだが、考えて見ると恐ろしい指摘だ。企業でも社会生活でも同じなのであって、パーソナリティ勝負と言われると私は立つ瀬が無い。
「ベンゲルノート」
中西哲生・戸塚啓/幻冬社/\1500
元名古屋グランパスのJリーガー中西が、当時のベンゲル監督の思想と練習メニューを再現している。戸塚のルポも的確で面白い。やはりベンゲルは凄い、当たり前のサッカーを当たり前に出来るように緻密に組み立てていく。周りを巻き込み、自分の考えをしみこませていくやり方には頭が下がる。トルシェは、まったくベンゲルと同じことをしようとしているのが良く分かる。ただベンゲルが大人で、論理と情熱とを組み合わせて物事に立ち向かうのに比べて、トルシェはあまりにもガキで肝心のところで逃げる点が違う。

<サッカー>
「ありがとうストイコビッチ」
ピクシー担当記者グループ/ライオンブックス/\1400
ヨイショと自己満足の本だな。ストイコビッチは素晴らしいプレーを見せてくれた。記者と云うならば、単に褒め称えるのではなく、状況証拠や内面についてキチンと書くべきだ。グランパスの三選手が起こした問題についても逃げている。こんな内容なら出版に値しないし、ストイコビッチに失礼だ。
「悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記」
木村元彦/集英社文庫/\724
世界の悪者にされ、NATOの空爆にさらされたユーゴスラビア。ストイコビッチとユーゴスラビアサッカーに魅せられた著者は、双方の意見を聞きたくて、自分の目で見たくて戦地を彷徨う。サッカーを中心とする群像劇。矜持を保つ本当の男達が居た。何度も目頭が熱くなって文字を追えなくなった。紛争当時、自分の忙しさにかまけて、知ろうともせず何の手助けも出来なかったのが悔やまれる。ユーゴスラビアが一方的に悪者とされた経緯は「戦争広告代理店」に詳しい。
「誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡」
木村元彦/集英社文庫/\571
ストイコビッチ、PIXYがJリーグでプレーしてくれたことに感謝します。「タメを作れ、テクニックで勝負しろ、何より美しくあれ。」PIXYのサッカーはまさにファンタジスタ。政治に翻弄されたユーゴスラビアの中で、自分の出来ることを必死でやった彼を、男として尊敬します。
「日韓サッカー文化論」
盧廷潤・二宮清純/講談社現代新書/\660
韓国からの初めてのJリーガーだった盧廷潤は、MLBに挑戦した野茂投手と同じくらいに評価して良い選手だ。サンフレッチェ広島で活躍した彼の背景には、日本と韓国という超えがたい溝があったにも関わらず、飛び込んで成果を挙げた彼を讃えたい。
「日本サッカーリーグ全史」
編集委員会/-/-
JSL27年の記録。大住氏が編集担当で、印刷は文祥堂。上野駅そばの古本通りで見つけました。中学二年からサッカーを始めて、市で優勝、県で三位になったのは自慢の一つ。その頃のJSLは、Jリーグに劣らず元気で、それを知らないでJリーグだけを持て囃す風潮はいただけません。記録を書き残すというのは貴重です。
「Jリーグプロ制度構築への軌跡」
Jリーグ法務委員会/自由国民社/\971
Jリーグ法務委員会は、博報堂法務部の小竹伸幸氏と、古川電工から独立した弁護士・池田正敏の二人からなり、Jリーグ設立から法務関係の作業に携わった。1994年7月のC3V定例会では小竹氏を迎えて「Jリーグの誕生は、なにをもたらした?」というテーマで講演をお願いした。
「日本サッカーと「世界基準」」
セルジオ越後/祥伝社/\740
ドイツ・ワールドカップで日本は惨敗した。いや闘いさえしなかったと私は思う。セルジオさんは平易な言葉で問題点を指摘し、改善策を提案し、日本サッカーの隆盛を目指している。ジーコの無能力、川渕の浅ましさ、マスコミの保身、ファンのいい加減さ。その通りです。補欠という制度を無くして、いつでもどこでもだれとでもサッカーを楽しめる日本に、という提案は納得。
「日本サッカー勝つための準備」
セルジオ越後/講談社/\1500
日本サッカーへのセルジオさんの提言は、理にかなっていて面白く納得する。しかし、なぜ取り入れられないのか。力不足か。世間と同じで、正しいものが勝つとは限らないということか。
「予感」
セルジオ越後・金子達仁/ザ・マサダ/\1400
2002年ワールドカップに向けて、遅々とした歩みを見せている日本サッカーに対する苦言提言。セルジオさんの言うことはいつも正論で納得だが、サッカーに限らず、政財界・企業でも同じような無責任で非効率な事態が横行している。

<スポーツ>
「豊田泰光のチェンジアップ人生論」
豊田泰光/日本経済新聞社/\1500
豊田さんの野球解説は、スッキリ元気で気持ち良く大好きです。本になると、悪くは無いけれどそれほど衝撃的ではないのでちょっとガッカリ。まあ深く考える人じゃないからなあ。解説を楽しむ程度にしておこう。
「バレンタイン流マネジメントの逆襲」
高木徹/講談社/\1500
戦争広告代理店」の著者がバレンタイン監督の実像に迫る。彼は単なる明るいアメリカの小父さんじゃなく、とことん情報を集めて戦略を立て実行するマネジャーだった。組織を活性化するために情と理を尽くし人を動かす。企業の管理職として、私はまだまだだ。
「自分管理術」
長谷川滋利/幻冬舎/\1300
メジャー6年目の筆者が、自己管理の秘訣を披露する。自分がコントロール出来る部分とそうでない部分を峻別する。集中できる状況を作る。ゴールを書く。時間をマネジメントする。すべてビジネスでも応用できる秘訣だ。惜しむらくは当然過ぎる。
「力道山の真実」
大下英治/祥伝社文庫/\619
力道山はとことん嫌らしく汚い男だ。プロレスを日本に根付かせたとは言え、事業家として男として下の下だ。ただ文章が変な部分も有るので、鵜呑みには出来ないが。
「夫・力道山の慟哭」
田中敬子/双葉社/\1400
力道山夫人が没後40年目に表した著書。ちょっと独りよがりというか、思い込みの部分が多すぎるような気がする。まあ一つの見方として参考にするか。
「ナンバ走り」
矢野龍彦・金田伸夫・織田淳太郎/光文社新書/\700
古武術の動きを現代のスポーツに応用する。それが意外に色んな分野で生かされていることに吃驚。武士が鯉口を切って小走りする、相撲取りが擦り足で訓練する、懐手のヤクザが風を切って歩く。それらはみんなナンバ歩きかナンバ走り。日本古来の腰から前に出して歩くやり方。何となく分かった気がする。バスケットのマイケルジョーダン、野球のイチロー、ボクシングの輪島、200mの末次など現代のスーパーアスリートの中に、ナンバ走りの神髄があるという。有る程度納得。
「ゴールキーパー論」
増島みどり/講談社現代新書/\680
サッカーから水球まで、5種目のキーパー舳の聞き書き。異種目のキーパーに聞くという、今までにない新発想がすべての本。掘り下げは浅いし、情緒に流れる甘さ・気取りが鼻につくが、この取り上げ方は新鮮で考えさせられる。
「野球人」
落合博満/ベースボールマガジン社/\1400
ちょっと異質な野球選手だったので手に取ってみたが、なかなか面白いし、言うことは筋が通っている。「スラッガーとアーチストは違う」「外国人選抜チーム対日本人選抜チームのオールスター戦」「全打席ホームランを狙う」なんて面白いですよ。

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