<発掘>
| 「環境考古学への招待」 松井章/岩波新書/\740 | 遺跡や遺物をそのものだけで見るのではなく、土や骨、動物学・植物学、はては生化学・寄生虫学まで駆使し、埋もれた過去の生活を明らかにしようとする環境考古学を分かりやすく教えてくれる。いわゆる普通の考古学徒としてはどちらかと言うと劣等生だった筆者が、好きな道を歩いているうちに環境考古学の世界的ながくしゃになって行く過程も素敵だ。 |
| 「藤原京」 木下正史/中公新書/\880 | 日本最初の都城である藤原京の概観を掴ませてくれる。平城京、平安京の影に隠れて、短命のたいして大きくない藤原京という認識はとんでもないものだった。規模の点でもひけをとらないし、日本最初の都城である点でも、もっと勉強しなくては。 |
| 「立花隆サイエンスレポート なになにそれは?」 立花隆/朝日新聞社/\940 | 「旧石器発掘ねつ造事件を追う」と、ノーベル化学賞受賞者、白川博士との対談の二本立て。立花さんはさすがに、期を見るに敏、フットワークが良い。ただしこの本でもそうだが、自分の知識に溺れて事実の確認を怠り、想像でモノを言う部分が多くなって来ている。功成り名を挙げると堕落が始まるモノなのか。 |
| 「発掘された日本列島2000」 文化庁/朝日新聞社/\1700 | 毎年、日本各地で開催される新発見考古速報展のカタログ。これを眺めるだけで、祖先の英知が伝わってくる。 |
| 「古代遺跡の旅」 -/旅行読売出版社/\900 | 簡便に纏めてくれ、しかも楽しい。その上宿泊などのデータもあり、旅心を誘われる。 |
| 「古代遺跡100」 岡村道雄監修/成美堂出版/\1500 | この図鑑を片手に全国の遺跡を訪ねてみたくなりました。写真を多用して、デザインも明るく、1500円は安い。 |
| 「考古学クロニクル2000」 河合信和編/朝日新聞社/\1200 | 1999年に発掘、発見された文化財についての報告と論文紹介など。 |
| 「トンカラリンと狗奴国の謎」 金思華/六興出版/\980 |
以前から興味の有った、熊本市の遺跡トンカラリンに関する考察。最近あまり話題にならなかったので、本八幡の古本屋で見つけた時は嬉しかった。著者の考えでは、この遺跡は高句麗からの渡来人が作った祭祀遺跡とのこと。魏志高句麗伝に隧穴を祀る記述があることから説き起こし、肥の国が元はコマのくにと読み、高句麗との強い繋がりがあることを語源、装飾古墳、葬法などから論証。 |
<出雲大社>
| 「出雲大社」 千家尊統/学生社/\2200 | 筆者は第八十二代出雲国造。国譲り神話以来、連綿と続く出雲独特の文化がうなずける書物。365日沐浴潔斎し、出雲大社に奉仕する国造という神職が今も生きていると言うのは驚きだ。 |
| 「古代出雲大社の復元」 大林組/学生社/\1800 | 11年前の大林組の復元プロジェクトの記録。なるほど、こうやるとこんな凄い木造建築物も出来るんだ。縄文時代から連綿と続く木造技術は素晴らしい。 |
| 「復原と構想」 大林組//非売品 | 季刊大林の創刊20周年記念CD-ROM。ホームページから申し込み、送料1000円で分けて貰いました。思い立ったきっかけは、最近、出雲大社の柱が発掘され、社が45メートルの巨大木造建築である事が報道されたこと。確か季刊大林に掲載されていたと思い出し、ホームページを見ると有りました。大林組も偉いが、我らが祖先も凄い。一見の価値ありです。 |
| 「古代出雲と風土記世界」 瀧音能之編/河出書房新社/\1800 | 風土記を中心にして、古代出雲を図説・概観している。出雲は、日本の出土数の半数を占める銅剣や、特異な銅鐸などが特徴的な日本最大の青銅器文化圏。大和を上回る勢力が有ったらしい。出雲風土記を読んでみよう。 |
<縄文>
| 「縄文ランドスケープ」 小林達雄編/有朋書院/\1800 | 環状列石と二至二分(冬至・夏至・春分・秋分)が明確な縄文遺跡を羅列。縄文人は天体運行を理解し、生活に取り入れていたのだ。 |
| 「縄文の衣」 尾関清子/学生社/\2200 | 日本には、織物と編物の他に編布(アンギン)という布がある。縄文遺跡から出土する布は大部分この編布だ。筆者は、越後などに細々と伝わる手法を身につけ、実際に縄文の布を復元するところから、縄文人の文化まで推し量ろうと努力している。考古学者が頭でしか考えない点を、実験考古学的に自分で編布(アンギン)を編むことによって真実を追究する。編物も織物も大陸渡来の技術ではなく、編布(アンギン)から始まった独自の技術なのかも知れない。 |
| 「縄文探検」 小山修三/中公文庫/\838 | 縄文人はどんな生活をしていたのかを、モノから判断するだけでなく、民族学の知見も加えて行こうという民族考古学の試み。北オーストラリアのアーネムランドに住むアポリジニの生活を参考にして縄文人の精神文化に踏み込んでいる。強引なこじつけも散見されるが、旧来の考古学は、モノだけから一歩前進する必要はあると思う。 |
| 「万葉歌のなかの縄文発掘」 山口博/小学館/\1600 | 万葉集と考古学の発掘成果を重ね合わせて、縄文時代の日本を読み取ろうとしている希有な研究。三本足の蛙が、東北アジア、中国、日本と繋がった精神文化の中にあるなんて、理解出来ますか。私は説得されてしまいました。面白いです。やはり学問は、学際的にやらなくちゃ。 |
| 「最新縄文学の世界」 小林達雄編/朝日新聞社/\1700 | 縄文時代は、以前考えられていたよりも、精神的・物質的にはるかに進んだ世界だった事が分かる。縄文尺は35pであり、青森市三内丸山遺跡の巨木建築物も、富山県小矢部市桜町遺跡の高床建築物も、同じ35p規格の倍数で造られているなんて信じられますか。その上、中国新石器時代の柱穴間の平均値は17.4pで、35pのほぼ半分だそうです。 尺度の決め方はどうしたのだろう、どうやって日本中に伝播して行ったのだろう、職人や経済流通はどうなっていたのだろうと、思いは古代に飛んで行きます。 |
<その他>
| 「5000年前の男」 Cシュピンドラー/文芸春秋/\2136 | アルプスで発見された5000年前の凍結ミイラの報告書。短剣、弓矢、衣類等の練達度合いに驚くと共に、今も昔も変わらぬ人間の生き様に感動する。 |
| 「レイライン」 ナイジェル・ペニック/主婦と生活社/\700 | 古代の真っ直ぐな道路、石柱列。それは洋の東西を問わず、人類の普遍的な特質なのか、世界各地に残されている。この本はイギリスについての軽い読み物。写真が美しい。 |