10.漫画

<ビルドゥングスロマン>
「クニミツの政」1巻〜
安藤夕馬・朝基まさし/講談社/各\390
「サイコメトラーEIJI」のコンビが、サブキャラクターのクニミツを政治家への成長物語として独立させた。上手く持っていけば、面白いキャラクターだから楽しみ。問題は、政治を知らない原作者と漫画家が、単なる読み物として書き殴った場合だ。
「サバイバル」6巻〜
さいとう・たかお/リイド社/各\1020
世界的大地震が起きて、たった一人になった時、果たして生き延びることが出来るのか。主人公さとる少年が知恵と勇気を駆使するサバイバル巨編。
「ONEPIECE」13巻〜
尾田栄一郎/集英社/各\390
いゃあまた面白い漫画が出てきた。荒唐無稽、熱血冒険、義理人情の海賊ビルドゥングスロマン。この世のすべての一繋がりの大財宝、ONEPIECEをめぐる冒険談。設定も荒唐無稽で楽しいが、海賊王を目指す主人公ルフィは志が高く、友情と義理人情に英雄放浪談をまぶして感激物だ。長女が買いためた本を借りて一気に読みました。
「バガボンド」6巻〜
井上雄彦/講談社/各\553
吉川英治原作の宮本武蔵を漫画化。あれだけ知られた原作をどう料理するのか、と不安に思っていたが、さすが天才・井上、良いじゃないですか。これは井上版の宮本武蔵、まさにバガボンド。
「BUZZER BEATER」全4巻
井上雄彦/集英社/\800
インターネット漫画の習作という位置付けかな。ストーリー、キャラクター、絵などすべて中途半端。面白くなりそうな芽は有るが。
「スラムダンク勝利学」
辻秀一/集英社/各\1000
スポーツ医学の専門家である筆者が、スラムダンクをもとに、勝つための秘訣を解説。そうなんだけど、ちょっとスラムダンクに寄り掛かり過ぎかな。スラムダンクを愛しているのは良く分かるが。
「SLAM DUNK」全31巻
井上雄彦/集英社/\388?
面白い、感動する、勇気がわいてくる漫画です。題名をクリックして「曽谷便り」を読んで下さい。
「ドラゴンボール」全42巻
鳥山明/集英社/\379?
子供のために買ってやっていたら、私がはまりました。次々と新しい敵役を登場させる頃から、ワンパターンになってしまいましたが、それでもワクワクさせる、勇気の出てくる漫画です。
「犬夜叉」15巻〜
高橋留美子/小学館/\390
「らんま1/2」「うる星やつら」と同工異曲だが、戦国時代と現代のタイムスリップ、妖怪との戦いなどストーリー性が高くなった。その上に高橋一流の純愛とギャグを振りかけた美味しい漫画。
「釣りバカ日誌」45巻〜
やまざき十三・北見けんいち/小学館/\486?
映画も、寅さんの後を受けてシリーズ化されてますが、やはり漫画ののほほんとした雰囲気が良いでしょう。長期化するにつれ、主人公はまちゃんのキャラクターが、ドジな釣り好きサラリーマンから、釣りを通じたネットワークで仕事が出来てしまう万年平社員のスーパーマン?になってきたのはやりすぎだが、気楽に楽しむ分には仕方ないかも。
「山遊亭海彦」全5巻
立川談四楼・さだやす圭/講談社/\505
滅茶苦茶面白い。五巻を息も尽かせず読んでしまった。談四楼の原作が痛快無比、この人のエッセイは面白くて注目しているが、一度話しも聞いてみよう。ハッピーエンドは物足りないので、続編期待。
「火の鳥」全10巻
手塚治虫/朝日ソノラマ/\520?
輪廻転生を火の鳥に託して、古代から未来まで、様々な時代に生きる人間を活写している。それほど手塚治虫が好きではないが、「火の鳥」は凄い。
「博多っ子純情」全34巻
長谷川法世/双葉社/\480?
今読み返しても面白い。自分の青春時代をなぞっているかのように感じる。博多っ子の成長する群像を暖かく描いている。小説「走らんか!」も有り。

<諸星ワールド>
「孔子暗黒伝」
諸星大二郎/創美社/各\886
暗黒神話の次作。舞台を中国・インドに移し、同じような手法と興味で作られているが、やや対象が大き過ぎたせいか消化不良気味。
「西遊妖猿伝」15巻〜
諸星大二郎/潮出版社/各\933
西遊記の諸星流解釈版。孫悟空を、猿ではなく人間として、隋の時代背景で活躍させている。色んな解釈があるものだが、この作者にはいつも驚かされる。
「暗黒神話」
諸星大二郎/集英社/\360
絵もストーリーも異色な作家。神話・伝説をもとに、奔放な想像力を駆使して、古代と現代を結びつける壮大な叙事詩を作り上げている。

<ハード&ルーズ>
「回想 沈黙の団塊世代へ」
かわぐちかいじ/ちくま文庫/\680
漫画ではなく、著者の半生記。分かるけれど、やはり読むべきじゃないかもしれない。作品だけで充分。
「'86-'02かわぐちかいじ全短編集」
かわぐちかいじ/講談社/\1000
時代劇編と現代劇編に分類して所収。悪くは無いが、作り物っぽさが目立って没入できない。短編では力量が発揮できないのか、良い原作者がいないと駄目なのか。映画についての対談もあり、筆者の映画遍歴が面白い。東映時代劇から黒澤、大映時代劇とほぼ同じような映画を好んでいる。年齢も近いのかと思ったら、三つ年上だった。
「探偵物語カブ」
かわぐちかいじ・林律雄/世界文化社/\900
「呑む?それともやる?」、命のやり取りの末、探偵カブが人生の寂寞を感じた時に、相棒の真理子が言った言葉です。こういう女と付き合いたいなあ。
「ハード&ルーズ」1巻〜
かわぐちかいじ・狩撫麻礼/世界文化社/\900
探偵の物語、と言うと味も素っ気もないが、ハードでルーズなキャラクターが魅力。「沈黙の艦隊」よりも男を描いていて面白い。
「エンジェル・ハート」2巻〜
北条司/新潮社/各\505
シティハンターの恋人、香が交通事故で死に、その心臓が殺人マシンとして養成されたグラス・ハートという少女に移植された。まったくご都合主義で楽しい設定だ。
「シティハンター」全18巻
北条司/集英社文庫/各\581
主人公は殺し屋、街の掃除人なんですが、気楽で楽しいねえ。やっぱり何でも出来るスーパーマンが良いです。そのスーパーマンが一寸抜けてて、エッチで、結構人情味が有るとなれば、受けますなあ。
「ハロー張りネズミ」9,10巻
弘兼憲史/講談社/\480
漫画です。立松も沢木も取上げたレポ船について書いています。もしかすると、この漫画の方が真実に迫っているかもしれません。
「ハロー張りネズミ」全23巻
弘兼憲史/講談社/\485?
島耕作はきれい事、こちらの方が面白い。キャラクターが生きているし、ストーリーも自由奔放。
「陰陽師」全13巻
岡野玲子・夢枕獏/スコラ・白泉社/各\777・819
陰陽師・阿倍晴明と、その友人源博雅をめぐる怪異解決話し。女流っぽい線だが面白い。現代人も素直に人間以外の物に畏怖の念を持っても良い。夢枕獏の原作も読んでみたくなった。
12巻まで読んできたが、13巻で完結とのこと。ここまで付き合ってみると、やはり漫画家の力量不足の感は否めない。全巻揃ったらブックオフへ売るか。

<その他>
「ハナドキロード」
わたせせいぞう/講談社/\1048
恋するときが人生の花時。大人の寓話。
「菜 3」
わたせせいぞう/講談社/\951
食わず嫌いだった。わたせワールドも良いじゃないか。これは耕平・菜夫妻の日常を淡々と描きながら、自然や人情を絡めた歳時記、妻時記、菜時記。菜の楚々とした仕草の中の強さ、儚さ、大和撫子らしさが心地よい。
「三丁目の夕日 冒険少年ブック特別編」
西岸良平/小学館/\1505
映画を見て、その影響で買いました。まあ楽しいし、付録の紙相撲、東京タワーなどが楽しい。小学生の頃、月刊誌の少年や少年画報を買っていたのが懐かしい。「三丁目の夕日」そのものは単行本と同じものです。
「孤独のグルメ」
久住昌之・谷口ジロー/扶桑社文庫/\600
たまたま入った店で独食を楽しむ。それはそれで良いのだが、絵が下手すぎる。表情を変えて描けないのかねえ。
「日出処の天子」1〜8巻
山岸涼子/角川書店/\500
初めて読む作家だが、面白い。絵は下手糞だけれど、展開がスムースでこういう歴史もありかな、と思わせられる。まだ一巻だが次を読むのが楽しみ。
「水木しげる伝」全三巻
水木しげる/講談社漫画文庫/\820
ボクの一生はゲゲゲの楽園だ」の改題版。「コミック昭和史」を、より自伝部分を増やしたとのこと。一巻を読み終わったばかりで、次が楽しみだ。
「コミック昭和史」全八巻
水木しげる/講談社文庫/\533
昭和を生きた水木さんが、自らの生き様と世相を絡め合わせて昭和を語っている。出征して左腕を失いながらも、淡々と自分の生き方をしている著者は魅力的だ。一巻を読み終わったばかりで、次が楽しみだ。
「うつうつひでお日記」
吾妻ひでお/角川書店/\980
「失踪日記」を執筆していた日々を絵日記で記録。仕事と読書の単調な毎日が愛おしくなるほど、のたうち回っているが、この人が描くと悲惨ではなくなってくる。
「失踪日記」
吾妻ひでお/イーストプレス/\1140
元々彼の漫画は好きでも嫌いでもなかったのだが、すがやさんが日記で書かれていた紹介文を見て、興味を持ち、楽天ブックスに注文したのでした。 彼の失踪中の日常とアル中での入院生活を、覚めた目で描いているため、作品としても完成度が高くじっくり読めました。自分もこういう気になった時期もあるし、生きていくのはつらいし面白いと再確認させてくれます。 驚くなかれ、彼がアル中で入院した病院は、30数年前、私がアルバイトで看護人をしていたところにほぼ間違いない。私がいた時は、もっと悲惨で滑稽だったけど。 昨日からちょっと凹んでいたので、この本を一気に読んで少し落ち着くような感じ。吾妻さんの作風が醒めているからかな。
「陽だまりの樹」全八巻
手塚治虫/小学館文庫/\581
昔から、手塚漫画は嫌いではないが、「火の鳥」以外はそれほど没頭することは無かった。何となく優等生で偽善っぽい流れに違和感を感じていたせいだろう。この作品も知ってはいたが、敢えて単行本を買おうとは思わなかったのに、書評か何かで、手塚治虫の曽祖父である手塚良仙をまくらにして、手塚家のルーツを描いていると知ったら買っちゃいました。 一巻を読んだだけだが、面白そう。私も勝手で現金なもんだ。
「人間ども集まれ!」
手塚治虫/実業之日本社/\1500
手塚さんは本当は凄く助平で凄く真面目な人なんじゃないかな。漫画が好きで好きで堪らないのと同じくらい助平なのに、子供漫画の大家になってしまったため、過激なモノを書く訳に行かず、中途半端で不完全燃焼という感じがする。
「四万十川」
青柳裕介/芳文社/\552
晩年の出版なので、絵も情緒もそれなりに楽しめるが、この題材ならば、より深くより長く連載できるはずなのに、多分体力気力が続かなかったのだろうなあ。合掌。
「鯨組」
青柳裕介/小学館/\505
面白い題材なんだけどなあ、構成とストーリー性がいまいち。多分、絵も自分で描いているのだろうけれど、下手。題材に対する目の付け所は、流石に地元で素晴らしいのに勿体ないなあ。
「嫁盗み寝話」
青柳裕介/さくら出版/\1429
日本漫画家名作シリーズに収められた著者の短編集。「土佐の一本釣り」ブレイクする前の短編集なので、良さの本質が分かると共に絵の稚拙さは否めない。多分、この頃は自分で描いているんだろう。
「新選組」
黒鉄ヒロシ/PHP文庫/\857
歴史に囚われると、黒鉄ヒロシと言えども創造力が失われるらしい。突拍子もない飛躍が、この人の持ち味なのだが。流山博物館には、近藤勇ゆかりの品々が展示されています。
「漫画の時間」
いしかわじゅん/晶文社/\1845
漫画評論。漫画読みの達人である、漫画家いしかわじゅんが好きな漫画を紹介している。漫画に対する愛情が溢れ、文章が上手いので、読み物としても楽しい。
「消えたマンガ家」全3巻
大泉実成/太田出版/\800
業界から消えたマンガ家をたずねて真実を追究する著者の姿勢は好ましい。すがやさんのお話と照らし合わせても、過酷な実体はこの通りだと思う。しかし、どんな業界でも、凄まじい質量の仕事をやり遂げ、なおかつ生き残るのはほんの一握りに過ぎないと思う。
「国立博物館物語」全3巻
岡崎二郎/小学館/各\486
新東京博物館の研究員・森高弥生は、スーパーEという超弩級コンピューターと交信出来る唯一の女性。スーパーEの中には白亜紀の世界が構築されており、独自の進化をバーチャルで体験する事が出来る。なかなか面白いです。
「北神伝綺」
大塚英志・森美夏/角川書店/\1000
柳田國男の民俗学をベースに、柳田が放棄した「山人」がいたという設定で展開する伝奇漫画。面白くなりそうだが、柳田などが実名で出てくる点が弱い。伝奇モノらしく、もっと荒唐無稽に面白くすれば良いのに。そこが中途半端な大塚の限界か。
「名探偵コナン」29巻〜
青山剛昌/小学館/\390
高校生探偵が犯罪組織の作った劇薬によって小学生になってしまい、組織の手を逃れながら次々に事件を解決、なんて言っていてはこの面白さは理解不能でしょう。大人の観賞にも堪える細部を構築しています。劇場版は特に面白い。ただやたらに人が死ぬところは好きじゃないんですが。
「サイコメトラーEIJI」全25巻
安藤夕馬・朝基まさし/講談社/\390
物に触ると、そこに残された情報を読みとることの出来るのがサイコメトラー。その能力を駆使して事件解決。友情、恋愛、世情を絡めて、娯楽になっています。こういう能力があると良いなあ。
「ふたりエッチ」8巻〜
克・亜樹/白泉社/各\505
これはただのエッチ漫画ではありません。エッチでしかも面白い。ハウトウ物のようで実は人間生活の本質を看破している。童貞と処女のまま見合い結婚をした主人公達の成長が楽しみです。
「デビルマンレディ」14巻〜
永井豪/講談社/\505
「デビルマン」の女性版? この人はよく勉強しているし努力家。男性誌への掲載のためHっぽいが、もう少し女性を上手く描けない物か。それだけが難点。

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