読書記録| 「知的経験のすすめ」 開高 健/青春出版社/\1300 | 一時期凝って、ほとんどの著作を読んだが、久しぶりの開高モノだ。一行読めば、これこれまさに開高節、文体。内容は、教育を念頭に置いた短い半生記。私には、表題と内容が乖離しているように読める部分が多いので、また読み直してみよう。彼には繋がっているのだから。 |
| 「路上にて」 開高 健/文芸春秋社/\ | 「ずばり東京」、「日本人の遊び場」の二編が中心。深刻ぶらないが読ませる。小説的でもある |
| 「叫びとささやき」 開高 健/文芸春秋社/\ | ベトナム戦争の従軍記などのノンフィクション。 |
| 「フィッシュ・オン」 開高 健/新潮文庫/\ | 世界釣り歩きに事寄せた人間観察記。むしろエッセイか。 |
<構造探求>
| 「歌舞伎町アンダーグラウンド」 柏原蔵書/KKベストセラーズ/\1300 | 読もうかと思っているうちに筆者が殺されて絶版になった本。半額で売っているのをブックオフで見つけて購入。中身はあちこちで書かれていることで私でも知っていることだから、筆者が書くほどたいして目新しくも無いのに、何故殺されたのだろうか。ルポとしても調査力はそれほど無いし、読み物としても筆力は劣るし、誤植が多いのには吃驚。亡くなった人には悪いが客観的に見て、出版物としてはレベルが低い。中国人問題とマネーロンダリングについて書いたために、歌舞伎町アンダーグラウンドの逆鱗に触れたのだろうか。 |
| 「日本の地下経済」 門倉貴志/講談社+α文庫/\780 | 日本の経済をキチンと把握するために、脱税、賄賂、賭博、売春、麻薬など地下経済といわれるものを推測・数値化した初めてのリポート。若書きではあるが、これを解明するのは大事なことだ。オランダでは地下経済の拡大を阻止するために、麻薬の使用と売春活動の一部を合法化して、成果を出しつつあるとの記述が面白い。 |
| 「東京アンダーワールド」 ロバート・ホワイティング/角川文庫/\838 | 戦後、イタリア料理店ニコラスを経営しながら、夜の六本木を支配したニコラ・ザペッティの生涯を軸にして、日本の政治家・ヤクザのうごめいた日本のヤミ社会あるいは本質を明らかにしようとする。意図は分かるし、それなりに頷けるのだが、ぐいぐいと引き込まれる面白みがない。文章力がいまいちなせいと、ザペッティに拘りすぎて、他の人間像や事象の分析がおろそかなせいだと思う |
| 「北里大学病院24時」 足立倫行/新潮文庫/\476 | 病院はどんな仕組みになっているのか、どんな人が働いているのか。たまたま退院後に本屋で見つけた物だが、筆者は、以前読んだ「日本海のイカ」の後、着実に進歩していた。面白い。 |
| 「警察はなぜ堕落したのか」 黒木昭雄/草思社/\1400 | 元警視庁巡査部長が、一連の警察不祥事とその原因である「洗脳教育」「監察制度」「内規」について詳述している。組織防衛と保身に走ると、人間と組織が如何に堕落するかが良く分かる。官公庁も企業もまったく原因は同じだ。 |
| 「郵便局があぶない」 別冊宝島/宝島社文庫/\600 | これを読むと、日本の官僚制度も企業も、保身主義・大企業病・無責任病に罹っているとしか思えない。自浄作用・金銭感覚が無いだけ、官庁の腐敗は酷いようだ。真面目にきちんと働かなくちゃあ、子供にも示しが付かないじゃないか。 |
| 「ディズニーランドの経済学」 栗田房穂・高成田享/朝日新聞社/\ | 二人の経済記者の、ディズニーランドと日本人との分析。 |
<その他>
| 「浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇」 佐賀純一/新潮文庫/\590 | 大正昭和を生きた博徒、伊地知栄治への聞き書き。さほど物珍しい内容ではないし、表面的な淡々とした文章なので、引き込まれるような魅力は無い。英文にし易い文体。悪い意味での、人類学の聞き書きレベル。 ボブ・ディランがこの本の英訳本から剽窃したということでアメリカで話題となり、日本でも文庫本として復刊された。 |
| 「ルポライター事始」 竹中労/ちくま文庫/\760 | 「聞書アラカン一代 鞍馬天狗のおじさんは」は素晴らしい作品だと思ったが、自分を語るこの作品は面白くない。自分の思いが生で出て来てしまうからだろうなあ。 |
| 「社会科見学に行こう!」 小島健一/アスペクト/\1500 | 工事現場、研究所など楽しく見学します。小島さんはmixi仲間で、見学会やけやき食堂の巨大丼「けやき丼」攻略をご一緒しました。 |
| 「まぐろ土佐船」 斎藤健次/小学館/\1500 | 文章は下手糞。でも熱い思いと愛着がヒシヒシと伝わってきて、話に引き込まれてしまった。テレビや本で、まぐろ船の事は知識としては持っていたが、やはり著者の実体験から来る筆の力は偉大だった。普段食べる寿司の背景に、このような男の生き様があるということは嬉しい。今ではもう無くなってしまったかも知れないが。著者は今、船橋で居酒屋を経営しているそうだから訪ねて行ってみよう。 |
| 「サービスの達人たち」 野地秩嘉/新潮OH文庫/\486 | コーンズでロールスロイスを売る営業マン、ゲイ、天丼屋、三助など、サービスの職人を神髄を探り記録する。彼らが提供するサービスは都市で消費されるから、彼らを描くということは都市を描くことに通ずる。モノづくりとともにサービスの達人も記録されるべき大事なことだ。 |
| 「立花隆「嘘八百」の研究」 別冊宝島編集部/宝島社文庫/\686 | かつて時の首相田中角栄を失脚に追い込んだ筆者が、時とともにいかに狂信者に陥るかを立証。読んでみると確かにおかしい部分が散見される。やはり人間は頂点を極めると落ちるしかないのかなあ。是は是、非は非できちんと考えて行きたい。 |
| 「被差別部落の青春」 角岡伸彦/講談社/\1800 | いわゆる部落出身の著者が、現在の部落を淡々と誠実にレポートしている。私は倉敷出身で、身近に部落もあったから内容は実感できるが、時代と共に人の意識や価値観は変化していく。部落でもそうでなくても、日本人でもアメリカ人でも、良い奴もいれば悪い奴もいるという事実を素直に受け入れることが大切だ。区別はあっても当然だが、差別は無くすべきものだ。 |
| 「日本の牛乳はなぜまずいのか」 平澤正夫/草思社/\1600 | どうも日本の牛乳は栄養的にも、味覚的にも最悪のようだ。搾り立ての牛乳そのものに細菌が多いため、世界でも稀な超高温殺菌をして、栄養も味も殺してしまったモノを流通させている。パスツールが考案したパスチャライズ牛乳(低温殺菌)が世界の主流なのに、我々はそのことさえも知らない。 |
| 「世紀末通りの人びと」 立松和平/毎日新聞社/\ | 東京モーターショーからロマンポルノまで、折々のテーマを追って自らの生きざまをぶつけている。 |
| 「人の砂漠」 沢木耕太郎/新潮社/\ | 立松和平より少し深刻でテーマへののめり込み方が強い。 |