PHOEBUS

PHOEBUS
(左)Phoebus 625   (右)Phoebus 725

Phoebus
 ホエーブスはオプティマスやコールマンと並ぶ代表的な”液体燃料用シングル・ストーブ”の一つであり、"625"という型番の大型の物と、"725"という型番の小型の物の2種類が良く知られている。"625"には後述するようにガソリン仕様の"625"とケロシン仕様の"625P"が存在するが、ここでは纏めて"625"と記載する。その他、型番の異なるケロシン専用機やランタン等も有ったが、詳細は不明。故に、以下625及び725について述べる。

 625はタンク内を加圧する為のポンプを持った「加圧式」であり、対する725はポンプが付いていない「自圧式」である。又625はニップルの交換(旧旧型及び旧型では掃除針の交換も必要)によって灯油も使用可能であるのに対して、725はガソリン専用器となっている。625は、出荷時にガソリン用ニップルが装着されたものが型番"625"、対してケロシン用ニップルが装着されたものが型番"625P"となっている。

 ホエーブスは元々オーストリア製である。日本での販売状況については、”日本でのホエーブス”を参照されたい。

 ホエーブスの始まりについては、嘗ての輸入販売元であったエバニューの資料等に「1918年、オーストリア軍の要請により開発」との記載があり、現在の処は「製造開始年は1918年」と考えるのが一番自然であろう。
 然し、1914年に勃発した第1時世界大戦が、1918年のヴェルサイユ条約をもって終結。当時のオーストリアは欧州でも有数の大国であったものの、大戦では独、伊と共に”敗戦国”となり、国内も1918年の大戦終結を境にハプスブルク家の支配が終了、大戦終結以降は共和国となっている。この様な混乱した状況下、大戦敗戦国の陸軍が、敗戦の年にストーブ製造に目を向けている余裕が本当にあったのだろうか、と小生は些かの疑問を持っている。
 又、1918年に625と725の両方とも生産が開始されたのか、或いはどちらか一方のみ生産が開始されたのか、それとも全然異なった型番のストーブの生産が開始されたのか、筆者は判断する資料を持たない。

 ホエーブスは1970年代に入って、大きく2回形式が変更される。1回目は'72〜'73年頃に旧旧型から旧型へ変更され、2回目は'79年に旧型から新型へ変更された。2回目の変更が'79年であることは確かであるが、1回目の変更が何時であるのかは「エバニューにも資料が残っておらず、多分'72〜'73年頃と思われる」とのことである。

旧旧型と旧型のパーツは、基本的には共用可能であるが、旧型(含旧旧型)と新型は一部を除いてパーツの共有は出来ない。

 1979年、新型に変更された後もホエーブスは国内で広く使われてきたが、オーストリア本国の製造会社が別会社に吸収合併された。吸収合併された年及び吸収合併先を、寡聞にして筆者は知らないが、新型のラベルや取り説に印刷されている”NGT”がその会社の略号のようである。更に合併先の方針で、1992年ホエーブスは製造中止となり、70年以上に亘る歴史に幕を閉じた。

PHOEBUS
625
625ラベル
625収納缶比較
725
725ラベル
725収納缶比較
取り説
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