科学する ★☆★★☆★ Pocket Saxをちょっぴり
典型的文系人間である館長ですが,ポケット・サックスの仕組みを知りたくて,共鳴管の原理をかじってみました。理解不足や誤解で嘘八百を書いているかも知れませんので,その時はお許しをm(_ _)m
・管楽器の仕組み
管楽器は息でリードや唇を振動させ,それを管体で共鳴させて(つまりパイプの共振を利用して)音を出しています。
・開管振動と閉管振動
共振はパイプの形状等により,開管振動(パイプの両端が開いている場合)と閉管振動(片側だけ開いている場合)があります。一般に管楽器は開管振動をしますが,クラリネットは例外的に閉管振動です。ポケット・サックスも閉管振動をしています(多分)。
・構造から見たポケット・サックスの特徴
閉管振動している場合,
1.開管振動に比べて管長が同じなら1オクターブ下の音が出る
2.倍音が2倍音でなく3倍音になる
といった特徴が現れますが,ポケット・サックスもこの特徴をはっきり持っています。以下,簡単な計算でそれを確かめてみましょう。
・ポケット・サックスの長さについて
閉管振動の場合,基音は,
パイプ長(cm)=音速(cm)÷(周波数[HZ]×4)
という計算式で求められます(開管振動だと最後の×4が×2になり,同じ周波数の音を出すためには倍の長さのパイプが必要になります)。
ポケット・サックスをA=440HZでチューニングするとすれば,各音の周波数は,
となります。最低音の低いCは261.63HZにしなくてはなりませんので,穴を全部ふさいだときのパイプ長は,
C D E F G A B 261.63 293.66 329.63 349.23 391.99 440.00 493.88
パイプ長(単位cm)=34,000(音速,単位cm)÷(261.63[HZ]×4)=32.49cm
という計算になります。ポケット・サックスの実測値は31cmとちょっとですので,計算値とおおむね一致していますが,若干短いことが分かります。
現実にはパイプの外の空気もパイプの中の空気と一緒に振動しますし,おそらく口の中の空気も振動するでしょう(←後者は単なる憶測です)から,その分,短めでいいことになるはずですが,それにしても少し短い感じです。
ポケット・サックスの音程が高めになるのはこうした構造の問題とも関係しているのかも知れません(つまり,本来はA=440HZより高めのチューニングになっている?)。
・ポケット・サックスの倍音について
閉管振動では倍音は3倍音になりますので,ポケット・サックスでも倍音が3倍の周波数の音,つまり1オクターブと5度上の音になるわけです。
指穴を全部押さえた時に出る倍音が,最低音の低いC(261.63HZ)の1オクターブ上のC(523.25HZ)でなく,1オクターブと5度上のG(783.99HZ)であるのはそのためです。
同様に,左手の指をすべて押さえたときも基音(G,391.99HZ)の3倍音(1175.97hz)となるので,1オクターブと5度上のD(1174.7HZ)になる(レレレ?)はずなんですが(ん?へんだなあ?),運指表ではCですね。なんでCなの?え?え?え?
・深まる謎
Cの3倍音→上のG,Dの3倍音→上のAまでは理論値通り。ところが,E→B♭(理論値はB),F→上のB(理論値はC),G→上のC(理論値はD)と,Eの3倍音から上が理論値に比べて半音低くなっています。
実際に吹いてみると,上のGはやや低めだし,上のAに至ってはアンブシュアでかろうじて調節できるかどうかという低さですから,ひょっとすると,その上も本来はB,C,Dとなるべきところが上がりきらず,半音近く低くなっているのでしょうか?それで,アンブシュアで調節して(この場合,少し下げる)より実際に近い音を出している(BをB♭に,CをBに,DをCにしている)のかもしれません。
もしそうだとすると,B♭以上の最高音域のピッチが高くなりがちなのも,分かる気がします。理論値では半音高い音になるわけですから。でも真相はどうなんでしょうか?どなたか分かる方,お教えてくださいませませm(_ _)m
【新規情報 04-11-03】
クラリネットに関するサイトですが,開管振動,閉管振動などについてのわかりやすい説明が載せられているところを発見しました。ここやここをご覧下さい。その他,クラリネットの演奏に関するノウハウもPocketSaxに通ずるところが多く,ためになります。サイト・トップはこちらです→ CAL-クラリネット総合研究所
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