「口あい」ミニ講座(続)

 才市の「口あい」はノート(帳面といった方がぴったりか?)や下駄の歯(!),紙切れなどに書き付けられて残っています。才市の作品集の原資料の内訳を分かる範囲で記しておきましょう。
◎『妙好人浅原才市集』所収のノートの内訳
     (同書「あとがき」による)
  ノート1〜27財団法人松ヶ岡文庫蔵(寺本慧達氏寄贈)
  ノート28山口県豊浦郡豊田町弘願寺野村貞雄師蔵
  ノート29島根県大田市大田町上野マスノ氏蔵
  ノート30同 端本トヨノ氏蔵
  ノート31同市水上正行寺石葉法潤師蔵
  ノート32下駄の歯や紙片に書き留めたものを集めたもの
(島根県温泉津町安楽寺,同石見町長円寺蔵)
   
◎『妙好人浅原才市の歌』所収のノートの内訳
     (同書一「編輯の記」の他,本文中の説明による)
・『妙好人浅原才市の歌一』6冊
   第1〜6ノート楠氏が寺本氏より入手
・『妙好人浅原才市の歌二』9冊
   第1〜7ノート
楠氏が寺本氏より入手したノート2冊
寺本氏の斡旋により入手したノート3冊
安楽寺住職梅田恵照師より入手したノート1冊
島根県大田町面白教真師より入手したノート1冊
   第8ノート藤 秀{王翠}*著『大乗相応の地』所収の97首(原本焼失)
   第9ノート寺本慧達「生ける妙好人浅原才市」(『法爾』22,23号,大正8年)所収の59首>
・『妙好人浅原才市の歌三』12冊
   第1ノート鈴木大拙『日本仏教のそこを流れるもの』付録所収の118首(もとは,「第一巻法悦帳優婆塞」と表書きのある才市自筆ノート所収のもの。このノートは行方不明)
   第2ノート柳宋悦氏が才市の家の仏壇から発見した手帳所収の58首などを集めたもの
   第3〜5ノート詳細不明
   第6,7ノート安楽寺蔵。長く貸し出されたままになっていて,昭和56年の才市翁50回忌に返却されたとされるノート(有田義七郎「妙好人浅原才市翁と新発見「ノート」について」,『郷土石見』第12号,1983年6月25日,64頁)と同一と思われる
   第8〜12ノート詳細不明
 *{王翠}は本当は1字で,王へんに翠の字です。

この他に,邑智郡中野村長円寺の書庫から発見され,安楽寺に寄贈されたノートが一冊あり,176首の詩が収められているという(前掲,「妙好人浅原才市翁と新発見「ノート」について」,63-64頁)

また,朝枝善照氏によって73首を収めた比較的初期のノートの存在が報告され,その詩の全貌が紹介されている(朝枝善照「新出・さいちの歌の一考察」,『印度學佛ヘ學研究』第43巻第2号,平成7年3月)
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