山靴通信

2000年12月1日号(毎月1日発行)

20世紀も終わりに近づいた。
もうすぐ新世紀。
それでも、お山は知らんぷり。
わたしゃ、その日その日の生活で精一杯、
年を数えるほど暇じゃない、とさ。


六林班の紅葉
六林班の紅葉

#34 『皇海山』に登る

皇海山に登った。
テント担いでいった。
山はすっかり秋だった。


皇海山
秋の皇海山(クリックすると山行報告のページに行きます)

#35 『山座同定』クイズ

庚申山の山頂からは日光方面の山が見えました。これまでに登ったことがある男体山、太郎山、山王帽子山、日光白根山。これから登ってみたい錫ヶ岳、笠ヶ岳、三ヶ峰。手前には黒檜山、あの遠くに見えるのは至仏山かな。

山頂での山座同定は楽しいものですが、なかなか難しいこともあります。隣の人の説明を聞いていたら、あそこにはっきりと見えている八ヶ岳が消えていたこともありました。

さて、山座同定クイズを作りましたので、お暇な方は挑戦してみてください。えっ、簡単すぎるって?

庚申山からの展望  山岳略図
左は庚申山の山頂から真北に向かって撮影した写真です。右の略図を参考にして、遠くに見える山の名前を当ててください。
写真あるいは図をクリックすると拡大できます。

#36 『山』のヘボ 俳句

この一年に作ったヘボ 俳句です。山に関連したものばかりですので、適当に想像を膨らませてお読みください(笑)。

寒晴や遥か遥かの山を見る  山を越え冬を越えたる翼かな

山眠り地球は眠くなりにけり   うるわしき雪の原にぞ立ちにけり

風呂から見上ぐ岩壁日脚伸ぶ   雪の海われ生を受け幾年ぞ

山に雪よそ者ばかり腕を組む   切り通し過ぎて目に入る春の峰

山越えて小流れに咲く芹の花   牧場の牛が咎める蕨採り

久慈の山下りて聞こゆ茶摘唄   あれもさうこれもさうなるみどりかな

竜神の谷に汎々鯉幟   緑なす五月の山は生きのびぬ

雨上がり青葉目を刺す山路かな   緑陰や小荒俣沢の水の音

時の日の登山時計が腕にあり   山道に雨に濡れたる合歓の花

日は高く山百合の山風の音   尾根道に生まれしばかりの蝉が飛ぶ

低き山呑むそばから汗になり   雲の峰目玉二つを付けたらむ

新牛乳日光連山雲の峰   背を伸ばす立秋の山に対峙せり

山辺の炎ゆる夕日に喇叭鳴る   山奥の芋茎味噌汁鐘の音

渓谷のちひさき流れ静かな火   峠道月煌々と通せんぼ

秋晴やただただ歩くばかりなり   林道に沿って流るる花芒

霧の山男あらわれ消えにけり   秋澄むやすうっと心の離れけり

鳥渡る庚申の山に人はなし   山行けば独楽の木の実を踏みにけり


七竈
七竈(ナナカマド)

#37 『豪華な』山の昼食

おいしそうでしょう。

牛たん、タコ焼き、サータアンダギー、祭り寿司、里芋と大根の煮付け、
ムラサキシメジと胡瓜の酢の物、たくあん、明太いわし。
これを食べたら、(この写真には写っていませんが)次はクリタケ入りうどん。

これが標高623mの山の山頂近くの、
野鳥の鳴き声が聞こえてくる雑木林での昼食だと言ったら、
あなたは信じますか?

豪華な昼食


#38 山で『タイムマシーン』を見る

 田中靖郎さん(*)のエッセイが面白かったので、そのごく一部を紹介します。

 『星や銀河は色んな光を出しています。光の別名は電磁波で、その波長によって呼び名が異なります。波長の長い方から短い方へ順に電波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線と呼んでいます。天文学は久しく人間の眼に感じる可視光の観察にのみに頼ってきたのですが、可視光は天体が発する電磁波のごく一部にすぎません。しかし、20世紀後半になってこの状況は一変し、今では技術発展のおかげで全ての波長で天文観測が可能になっています。
 こうして観測波長帯が一挙に広がった結果、初めて宇宙の真の姿が見えてきました。中でも、電波やX線の精密観測から、理論上の架空の天体と考えられてきたブラックホールが現実に存在することがわかったのは、大変な驚きです。
 天空には宇宙の過去の歴史がそっくり保存されています。例えば1億光年の天体を観測するとします。その天体からの光が地球に届くには1億年かかるから、今見ているのは実は1億光年前の姿なのです。従って、遠方の天体へと順次たどって行けば、過去へ過去へと遡って宇宙の歴史を調べることが出来るわけで、天空はいわばタイムマシーンだということが出来ます。』

 空気の澄んだ晴れた日に、山の上で見上げた夜空はタイムマシーンだと田中さんは言うのです。今後山の上で夜空の星を見たら、このことを思い出してみようと思っています。
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(*) 田中靖郎さんは宇宙科学研究所にいた方です。上記の文章は原文通りではなく、一部変更して引用させていただきました。


また1月1日にお会いしましょう。Have a nice day


暮篤(ぼとく)

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