
●深夜の駐車場
金精峠を越えて長い長い下り道を進んで、やっと片品村に入った。寝静まった町の中を通り、花咲温泉そして武尊牧場入口を過ぎて林道終点の武尊山登山口の東俣駐車場に着いたのが深夜1時。狭い駐車場だと思って寝入ったが、朝になって外に出てみたら、一段高くなった所に広い駐車場があった。
夜中に着いた駐車場の印象は、暗いこともあって朝になるとその印象を一変させてくれる。南那須の沼原湿原に行った時も、霧の中で辿り着いたこともあったのだが、明るくなって朝日に映える白笹山を見て驚いた。浅草岳の時は、見事な紅葉に感動したのだが、感動しながらも車のエンジンが起動しない故障が気になっていたのを思い出した。
●ブナの森
武尊牧場登山口からの山道はブナの森に入る。登山道はこのブナの森から許しを得て出来たような道だ。クロスカントリー・スキーで滑ったら楽しそうだ。




●山王林道
光徳牧場からハガタテ薙コースを経て太郎山に登るつもりでいたが、コース入口には集中豪雨の影響で危険なため通行禁止とするとの案内板があった。あとで小太郎山で会った単独行の二人はこのコースを登ってきたと言っていた。さすがに下山には危険なようで、二人とも別コースで下って行った。私は無理することもないだろうと、山王林道を峠まで歩いて、山王帽子山を経由して太郎山に登ることにした。山王林道は3月にクロスカントリー・スキーで滑ったことがある。




●雷雨に追われるようにして武尊山を下りたのですが、雨も止んでしまったし、温泉に入って汗を洗い流すことにしました。花咲温泉に近付いて最初に目についた「しんめいの湯(せみね山荘)」に入ることにしました。車から下りたら山荘の主人が出てきて、「紫蘇の葉と青唐辛子をあげるから畑にきなさい」と言うのです。なんだかいやに親切な人だなと思いながらも付いていくと、立派な野菜畑がありました。青々とした紫蘇が幾畝も生えていました。「好きなだけとりなさいよ」と言うのですが、なんだか申し訳ないような気持ちになって、それでも十数枚の紫蘇の葉を採ったら、主人は手に一杯の紫蘇の葉と青唐辛子を持ってきてくれました。そして紫蘇の葉と青唐辛子の料理の仕方まで教えてくれました。
温泉に入ることにしたのですが、入浴料が書いて無いようなので、千円札を差し出しました。まあ、紫蘇の葉と青唐辛子をもらったことだし、少々高くてもよいかなと思っていたら、入湯料金は五百円でした。「武尊山登山口のトイレには割引券が置いてあるんだけど、気がつかなかった?」と訊ねるので、「気がつかなかったなあ」と答えたのです。そうしたら主人は百円を返してくれたのです。
誰もいない風呂場でゆっくりと汗を流しました。透明で、肌がつるつるする湯でした。風呂から上がって、主人と少しの時間を山談義しました。帰る時には私の車が山荘の前の道を右折するまで主人は見送ってくれました。
この山荘の主人の親切に感動したので、この温泉を宣伝してしまいましょう。
尾瀬と丸沼と武尊の宿/天然温泉/花咲温泉
せみね山荘/しんめいの湯
群馬県利根郡片品村花咲281/TEL0278-58-3292


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