山靴通信 2006年9月1日号(毎月1日発行)






何十年ぶりに高校の同窓会に出席した。最初は別世界に迷い込んだようだったが、時とともに往時を思い出し、それぞれの顔に若かりし頃の面影を見出していた。数学の先生も、英語の先生もお元気であった。少し寂しかったのは、同級生の女生徒があの時のままでいてくれなかったこと。「あなたこそ、あの紅顔の美少年はどこに行ってしまったのかしら。」


年賀状を交換するだけになっていた古い友人Aから突然電話があった。もう東京を引き上げて故郷に帰ろうかと思っている。故郷のBに連絡したいのだか、連絡先がわからなくなってしまったので教えてほしい、という電話であった。友人Bとは年賀状を交換することもなくなってしまったが、手帳に住所と電話番号が書き残されていたのでそれを教えた。Bとは酒を飲んだりして、よく遊んだものだった。Bの故郷の山にも登り、山小屋でAとともに青臭い議論をしたこともあった。ふたたびAから電話があり、Bの家に電話したら、Bは4年前に亡くなっていた、と沈んだ声で言う。まさかBが死ぬなんて思ってもいなかったので、えぇっとしか言えなかった。


Bの故郷は遠く、すぐには墓参りに行けないので、せめて今月の『山靴通信』は亡きBに捧げることにします。今月も、Bのためにも、そしてBのぶんも、遊んで(生きて)やるぞ。




#219 『霞ヶ浦を一周する』



自転車で100キロメートル走ってみよう、霞ヶ浦を一周しよう、と思って、石岡の常陸風土記の丘から恋瀬川サイクリングコースを行き、霞ヶ浦に出たら反時計回りに一周することにした。こうすると100キロメートル以上走破できることになる。


その日は曇り空で、途中雨も降り出したが、夏場のカンカン照りよりは快適であった。全コースの三分の一は未舗装の道であったが、忠実に湖岸に沿って自転車を走らせた。魚釣りする人がいて、ウィンドサーファーが湖面を行き、風に吹かれて良い気分。霞ヶ浦は大きいですね、いつまでたっても一周できないのです。湖岸の道だから当然平坦、自転車乗りには楽なのだが、自転車で下る開放感がない。ひたすらペダルを回し続けていると、だんだん尻が痛くなってきた。景色を眺める余裕もなくなり、夕暮れも近付いた頃に、やっと霞ヶ浦を一周したが、さらに恋瀬川を遡らなければ出発点に戻れない。結局、全走行距離は162キロメートルの大サイクリングになってしまった。

霞ヶ浦一周コース図(カシミール3Dによる)

霞ヶ浦一周コース図(カシミール3Dによる)



#220 『北沢コースから高鈴山』



花の百名山の一つである高鈴山へのコースは幾つかあるが、玉簾の滝からのコースにした。


今回は自転車(MTB)で登る。朝早いので玉簾の滝には観光客はいない。売店もまだ閉まったままだ。滝だけが涼しい音で水しぶきをあげている。登山口が判然としないので、ここであろうと思われるバス停わきの急坂に入った。民家を過ぎて、舗装道路が尽きると林道らしくなった。ペダルをこぐのも疲れてきた頃、突然広い自動車道に出た。ここには高鈴山ハイキングコースの標識があるのだが、どこから入っていくのかわからない。一つの林道に入って見ることにした。しばらく進むと分岐になる。「高」の文字だけが残る、壊れた道標がある。その様子から右の方向であろうと進むと、杉の伐採地になり、とても自転車で進めるような道ではなくなったので引き返した。この時点では自転車での登山をあきらめていた。車が一台も通らない不思議な舗装道路を爽快に下ったら、入四間の国道に出る手前で通行止めにになっていた。未完成の道路なのであった。

高鈴山山頂(携帯電話のカメラで撮影)

高鈴山山頂(携帯電話のカメラで撮影)


自転車は下る一方で、間もなく玉簾の滝に戻った。一度は断念した高鈴山ではあるが、快適に下ったせいで元気を回復し、別の北沢ルートで再挑戦することにした。


北沢コースは、途中にニジマスセンターがあり、家族連れが釣り糸を垂れていた。玉簾の滝コースと同じような林道であるが、途中から本格的な沢沿いのハイキングコースとなる。とても自転車に乗って進めるような道ではない。自転車を担いだりしながら、修行のような登山になってしまったが、どうにか高鈴山の山頂に着くことができた。二組のパーティーが休んでいた。高鈴山は頂から海が見える山である。帰路は風神山に至るハイキングコースを行き、高鈴ゴルフ場からは高貫林道を下った



#221 『Google Earth』



Google Earthというソフトを使うと、GPSの軌跡を空中写真の上に描くことができる。下の図は、高鈴山MTB山行(『山靴通信』#220)のルートをGoogle Earthで表示したものである。


地球上のどのような場所でも、パソコン上ではあるが、空中写真として見ることができる。便利なものができたものだと感心はしたが、こうも簡単に見たい地域の写真が見られると、「まだ見ぬ地を夢見る」という楽しみが少なくなったような気もして、少し寂しいものがある。

高鈴山コース図(カシミール3DとGoogle Earthによる)

高鈴山コース図(カシミール3DとGoogle Earthによる)




また2006年10月1日にお会いしましょう。Have a nice day

暮篤(ぼとく)



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