山靴通信

2005年3月1日号(毎月1日発行)

最強というふれこみの囲碁ソフトを入手。
「やや強」レベルのコンピュータに挑戦したら勝ってしまった。
囲碁のソフトを強くするのはむずかしいのでしょうか。
ちなみにチェスのソフトは強すぎて歯が立ちません。
「最強」レベルでの囲碁対局はまだですが、楽しみにしています。

#180
『冬の羽鳥湖遊歩道』


 羽鳥湖畔の遊歩道をクロスカントリー・スキーで歩いてみました。ふかふかの新雪が積もっていましたが、整地されていないのでスキー板は全く滑りません。ひたすら踏み固めて滑走コースを作っているようなスキーになりました。湖は凍っていて、魚釣りの人たちのテントがたくさんありました。

(2005.2.5)

遊歩道終点の休憩所

遊歩道終点の休憩所
 

#181
『常陸の海岸を歩く(その1)』


 茨城には高い山はないが、山歩きを楽しめる低山は多い。また太平洋に面しているので海の幸に恵まれ、魚市場には遠く栃木や群馬からの来訪者もある。茨城の山ばかりではなく、海岸もおもしろかろうと、福島県境の勿来から千葉の銚子港まで歩いてみることにした。一度で歩き通す時間的な余裕はないので、交通機関を利用して何度かに分けて歩く計画とした。海岸の風景ばかりではなく、人々の海辺の暮らしから何かしら感ずるものがあるのではないかと思っている。「常陸の海岸を歩く」として、その一回目は鉄道勿来駅から磯原駅までの区間を歩いた。
 新しい駅舎から畑の中の細道を通って砂浜に出ると、穏やかな波が打ち寄せる勿来の海岸から北のほうには火力発電所の煙突が見える。砂浜を南に向かって歩いていくと岬が海に突き出ているところで砂浜はなくなるので、いったん国道に出て再び海岸に出ることになる。そこは勿来漁港で、漁を終えたのか漁船が数多く停泊し、防波堤では魚釣りの人がいる。「何が釣れるの?」と聞くと、「何にも釣れねえ」という"つれない"返事である。

勿来海岸に出る

勿来海岸に出る

 再び国道に出てから向かった鵜ノ子岬にも漁港があるが、こちらのほうが大きくて民宿やら飲食店などが軒を連ねている。できるだけ海岸を歩きたいのだが、平潟町の九ノ崎は断崖で海辺を歩ける道はない。途中に現れた細道をえいやっと登って近道をしたら墓地に出てしまった。そこを下っていくらも行かないで海岸に出る。太平洋戦争時、アメリカ本土を爆撃するために、和紙を蒟蒻糊で貼り付けて作ったという風船爆弾を飛ばしたというのがこの場所である。平和の碑が建っている。穏やかな海には似つかわしくない歴史である。浜辺に下りてみたが、この砂浜もすぐに美術館が上のほうに建つ断崖が現れて行き止まりとなる。
 五浦海岸は、明治に日本近代美術の父である岡倉天心が日本美術院の本拠を移し、横山大観や下村観山らと作画活動を行った地である。茨城県天心記念五浦美術館への道は立派に舗装されていて、途中には日帰り温泉の「天心の湯」がある。五浦温泉街を過ぎると岡倉天心が絵筆をとったという六角堂に至る。拝観料200円を払って中に入った。「六角堂って、こんなに小さいの?」と言っている婦人がいたが、まさにその通りの印象であった。六角堂を出て坂道を登ると五浦岬公園になる。ここからは入り江越しに赤い屋根の六角堂が見える。環境庁の「日本の音風景百選」に選ばれた「五浦海岸の波音」が聴こえてくる。その音は六角堂周辺の断崖と太平洋から打ち寄せる波とがぶつかる音で、時にはやさしく、時には激しく、その時々の自分の心を表しているように聴こえるという。

五浦岬公園から六角堂を望む

五浦岬公園から六角堂を望む

 鮟鱇(あんこう)料理というのれんの下がる食堂が多いところである。昼時になっていたのでそんな食堂の一軒に入ることにしたら、人気のある店とみえて客が行列をつくっている。すこしばかり空腹ではあるが通り過ぎることにした。大津岬灯台では子供たちが遊んでいたが、その先にある場違いのような今風の児童公園には子供は一人もいなかった。大津岬を大きくめぐると大津漁港だ。ここには観光客は誰もいない。時折、オートバイに乗った地元の人や法事帰りの喪服の集団が通るだけである。静まり返った魚市場の前には魚の干物を並べた露店が一軒、老婦人が椅子に腰掛けて暇そうに海を眺めていた。
 国道6号線と並行するようにコンクリートの堤防が延びている。その内側は人が歩けるようになっている。台風などによる高波を防ぐためのテトラポットや防波堤であるのだが、昔のモノクロ写真で見たような松林の先に広がる自然の砂浜からなる海岸は、今日歩いたところにはひとつもなかった。これは予想はしていたことであるが、残念な気分になったのも事実である。

大きな口をあけているテトラポット

大きな口をあけているテトラポット

 どうしてこんな島が海岸にぽつんと残ってしまったのだろうと思わずにいられない二ツ島は磯原海岸の名所である。その先には野口雨情の生家(記念館)があり、その裏側を通り抜けると標高21.2メートルの天妃山(てんぴさん)に行き着く。これでもれっきとした山として地形図では認められている。こんなところで山登りができるとは思わなかった。
 大北川の河口に沿って国道を行くと、本日の終点とした磯原駅である。いろいろなところの駅が新しくなったが、東京近郊の駅舎のようで歩く旅人には風情が感じられない。

(2005.2.13)

野口雨情の童謡にあるのだろうか、二ツ島

野口雨情の童謡にあるのだろうか、二ツ島
 

また2005年4月1日にお会いしましょう。Have a nice day

暮篤(ぼとく)

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