
風神山から真弓山を越えて、花の百名山である高鈴山に至る茨城のハイキングコースがある。ここは私の家から近いので何度も歩いている。ところが最近疑問に思うようになったのは、真弓山とはどこの頂(いただき)を言うのか、ということだ。ガイドブックには真弓神社がある標高279.8m地点が真弓山の山頂としてある。ところが地形図には真弓山の山名表示はなく、少し離れた三等三角点が標高279.8mとなっている。どっちが本当の真弓山か。三角点の名前を調べてみたら「亀作」となっている。考察した結果、
(1)真弓神社のある場所が本当の真弓山の山頂であり、たまたま三等三角点「亀作」の標高と同じであった、
(2)真弓神社のある場所が本当の真弓山の山頂ではあるが、ガイドブックなどでは三角点「亀作」の標高と混同している、
(3)真弓山の山頂は、三角点「亀作」のある地点である、
の3つの中に正解があるだろうというのが私の結論だ。
このうちどれが正しいのかを確認するため、三角点「亀作」に行ってみることにした。もしかすると三角点の周辺には「真弓山」という山名標識があるかもしれない。
三角点「亀作」に簡単にアクセスするには、近くを通る林道から尾根に取り付くことであるが、それでは面白くないので遠回りして、今が盛りの山桜を観賞しながら歩いてみることにした。今回歩いたコースは下記のGPSルート図をご覧願いたい。



『筑波への道』も最終回である。シモン氏とK夫妻とともに、上曽峠から通行止めになっている車道を行く。歩き出してすぐに尾根に取り付いた。思っていたほどの薮はなく、境界を示す標識を見ながら尾根を行く。時折車道を右手に見下ろしながら、「春になったんだね」という気分で歩いて414.4mのピークに達した。ここはハイキングのコース(いばらき森林浴の道)になっていて、「峰寺1km」と「湯袋1.1km」という標識が立っている。
ハイキングコースをそのまま進んだのでは筑波山へのルートから外れて南側に出てしまい、余計な車道歩きを強いられることになるので、境界尾根を行くことにした。414.4mのピークからすぐに右手の薮に突入した。境界標識と地形図、そしてハンディGPSをたよりにして尾根を歩いていったのだが、途中で尾根の分岐を間違えてしまい、湯袋峠の手前に出てしまった。そこには青空を背景にキブシの花が咲いていた。
車道に沿った小川には清らかな水が流れ、まさに「水がぬるむ」ようだ。「関東ふれあいの道」に歩み入ると、ここは沢沿いに登るハイキングコースとなっている。最初にこの道を歩いたのはいつの頃だろう。このコースが整備されて間もない頃に歩いたのだが、今では筑波山の自然を説明する案内板も古びて、ところどころ文字が読めなくなっている。それだけ自分も古びたかと思うと悲しいものがあるが、なんのその、古びたからこその風情もある。コースの石段も苔むして、沢音を聞きながら歩めばこれぞの風情あり。人間様もこんな風情が醸し出されていれば言うことはないのだが・・・。ニリンソウやカタクリの花の盛りにはまだ早いようだ。
裏筑波キャンプ場には約束の11時前に到着した。今回の『筑波への道』完歩を祝ってくれるべく参加してくれた、FさんとSさんが待っていてくれた。シモン夫人も直に到着した。ここからは7人で筑波山山頂を目指す。キャンプ場近辺のカタクリはまだ蕾のものが多い。それでも開いた花の形を愛で、その色合いを愛でながら沢をつめていった。
12時05分、女体山山頂だ、「万歳」。『筑波への道』を歩き通した。「祝、筑波への道、八溝山から完歩、2004-4-3」と私が書いた白いタオルの前に、祝いのワインが並び、皆で記念写真に納まった。ワインそして赤飯の味は格別であった。
天気よく、名山筑波からの景色もまた格別、旅立ちせし八溝の山も見えぬかと目を北に転ずれば、春の霞でままならず。されど心には、八溝の峰の頂から、ここ筑波の紫峰の頂まで赤く、長き線を描きて喜べり。かくのごときに感動せしゆえに涙流れ止まず(嘘)。
八溝山を出発したのは2000年12月3日だから、足掛け5年かかったことになる。ほとんど登山道のない低山の尾根の上を歩いてきた。予想通りであったことより、予想外のことのほうが多かった。低山歩きの面白さを再認識した長い山旅となった。シモンさんをはじめ、Kさん、K夫人、今回参加されたFさん、Sさん、『筑波への道』途中で応援参加してくれた、シモン夫人、野峰さん、中国のGさんに感謝いたします。そして我々を暖かく迎えてくれた茨城の山々に感謝します。

