2002年12月1日号(毎月1日発行)
筑波 山は
八溝山 地南端
にある筑波山地の最高峰。
筑波山の別名には、筑波岳、
筑波嶺、筑波禰、筑波乃山がある
という。古くから「紫の山」とも呼ばれている。
#107 『"山行生中継" 筑波山』
[山靴通信#100で、山を歩きながら録音機を使って現場で思い付いたことを深く考えずに喋り、録音し、後日録音を聴いて文章にする、という山行報告の提案をしました。今回、小さな録音機を入手したので、筑波山で"山行生中継"を試みてみましたので、ここに紹介します。下記の番号は、録音機に残された録音順の番号です。]
(1) 9時19分、筑波高原キャンプ場を出発します。
(2) 9時22分、北の方面は少し霞んでいますが、よく見えます。紅葉はもう終わりに近いという感じですが、まだきれいな黄色が残っています。
(3) 9時22分。
(4) 今、林道を歩いています。今日はこれから歩きながら報告をしたいと思います。
(5) 風は少し冷たいです。鳥が鳴いて、遠くでカラスも鳴いています。
(6) ムラサキシキブの木がありますが、葉はほとんど落ちて、紫の実がきれいに残っています。
(7) 久しぶりの山歩きなので、気分はとてもいいです。
(8) 9時35分、新しい杉の切り出しの林道が出来たようなので、ここに入ります。
(9) 林道を逸れて、斜面に取り付いて入ることにしましたが、道らしい道はありません。
(10) 大きな岩がありまして、ちょっと先がわからないので戻ることにします。
(11) 9時44分、元の林道に戻りましたので、この林道をもう少し上って、進んでみることにします。
(12) 切り出した杉の木がたくさん積み重なって、林道の脇に置いてあります。
(13) 今日は以前来たコース(註:山靴通信#9参照)の逆コースを歩いてみようと思ったのですが、どうもコースがわからなくなってしまったので、残念ながら元の駐車場に戻って一般のハイキングコースを歩くことにします。
(14) 空は曇っていて、風が少しあり、気温も低いので、なんだかもの寂しい感じがします。私の山靴の音だけが響いています。
(15) 10時4分、駐車場に戻りましたので、これから一般のハイキングコースに入ります。
(16) このコースは階段状に作られているので、息が切れます。
(17) 真っ赤に紅葉した2本のイチョウ(註:カエデの間違い)の木がありますが、とてもきれいであります。
(18) キャンプ場の一番高いところに来ましたが、ここからの眺めは最高です。加波山、雨引山の方が見えます。紅葉は今が最盛期、そんなところでしょうか。
(19) ただ今10時12分。やっと階段の道が終わりまして、登山道らしくなりました。
(20) 足もとは黄色い葉と茶色くなった葉と、まだ緑の残る葉を一面に敷き詰めたようになっていて、とてもきれいです。
(21) 下界の方がうるさいと思いましたら、選挙演説応援カーが通っているようであります。
(22) 10時28分、クヌギあるいはナラの木のような、とても気分のよい所に出ましたので、ここで遅い朝食にすることにします。
(23) 湯を沸かす音が止んだら、急に静寂が訪れました。聴こえるのは鳥の鳴き声と、遠くのヘリコプターの音でしょうか。
(24) 風はほとんどありませんが、少し風が吹くと木々の葉がはらはらと舞い降りてきます。
(25) 10時59分。腹ごしらえも済んだので、出発します。
(26) まだ誰にも出会いませんが、頂上はもうすぐのようであります。
(27) 趣味でジョギングやマラソンをやっていますが、やはり山の空気は違うという感じであります。やはり町中で走るのは、排気ガスなどがありまして、あまり良くないという印象を急に思いました。
(28) 11時14分、登山道が濡れていて、登山道わきの笹に水がたまっているので、少し前に雨が降ったようであります。
(29) 大きなブナの木に出会いましたが、もうすっかり葉は落ちています。
(30) 頂上の喧噪が聞こえてきたので、もう山頂は目前です。
(31) 11時22分、山頂(註:女体山)に着きました。
(32) ガスでほとんど何も見えません。
(33) 山頂は人が多いので、すぐ下ってきました。
(34) 11時29分、下山をします。
(35) 11時41分。思いがけない所で清水さんに会いました。
(36) 下で買ったという柿を一つ貰いました。
(37) 11時47分、分岐に入ります。
(38) 急に人がいなくなって静かになりました。
(39) ただ今、11時56分です。小さな沢がありまして、水が少し流れております。とても気分が良い場所なので、ここで本日の大休憩にするつもりです。
(40) ここは前回も休憩した所で、同じ場所であります。
(41) ただ今、ビアヌーボープレミアムというものを飲んでいますが、とても美味であります。
(42) 本日の昼食は、ビール500ml、それから明太子のおにぎり一つ、カップのワンタン麺、小さいのが一つ、そしてポケットウイスキー、バランタインをふた口、そして最後にカプチーノを一杯、であります。
(43) こうして一人でじっとしていると、なんだかいろんなことが思い出されてきますが、そろそろ寒くなってきたので出発しようかなと思っています。もう、うすら寒くなってきまして、もう年末のような感じになってきました。
(44) 1時9分、出発。


これらの写真は、左から生中継番号の39、58に対応します。
(45) トラロープなどが張ってあるので、以前はよく歩かれたコースなんでしょうが、最近ではほとんど歩く人もいないとみえて、もうほとんど荒れたような状態となっています。
(46) 沢の水の音がやや大きくなったような感じです。落葉樹の森は過ぎ、これから杉の林に入るところです。
(47) 林道が見えてきました。はたして、これが朝通った所かどうか、楽しみであります。
(48) 林道に出ました。前回下った道とは違った道を下ってきたようです。ここがどこかは、もう少しこの広い、自動車が通れる林道を進んでみて、報告します。
(49) 林道に出た時刻は、午後1時34分です。
(50) 分岐に出ました。1時36分。左の細い道に入ると、国民宿舎つくばね、4km。今来た道を戻ると、つつじヶ丘駐車場0.7km。林道の先は表示はありません。ここで国民宿舎つくばねの方に入ります。
(51) この道は立派なハイキングコースになっております。車は通れないような山道です。
(52) 急な上りになりましたが、赤いテープが付けてあるので迷うことはありません。
(53) 標識がありました。午後1時45分。東筑波ハイキングコース。今来た道を戻ると、つつじヶ丘駐車場、1.3km。さらにこの道なりに進みますと、国民宿舎つくばね、3.4km、とあります。この国民宿舎つくばねの方向に進みます。
(54) ずっと杉林の中の道ですが、黄色く紅葉した木が、低木があるので、きれいです。
(55) どうも大休憩後、赤い矢印があったので、その方向に進んだのが間違いの原因のようです。そこを右に下らないで、沢に沿って下らないで、左の方に進めば良かったものと思われます。
(56) 1時50分、再び林道に出ました。これは今朝の林道をさらに進んだ所と思われます。ほとんどぬかるみ状態に、切り出しのための林道でありまして、ほとんど終点(註:この切り出し用林道の終点)近いものと思われます。
(57) 1時57分です。今朝戻った地点に出ました。結局、前回下ってきた道はわかりませんでした、判明しませんでした。
(58) 2時10分。駐車場に戻りました。車は4台増えていますが、静かであります。これで本日の筑波山生中継を終わりにいたします。
(59) 筑波山も裏筑波側には、けっこう面白いコースがたくさん残っております。今日は十分山歩きを楽しむことができました。このことを最後に付け加えて、終わりにいたします。
-終-
#108 『下集話童藝文本日』
子供の頃、伯父の家に遊びに行ったときに貰ったボロボロの本が出てきました。それは、『日本文藝童話集、下巻』という本です。発行日は、昭和三年十一月一日、とありました。そして、最後のページには次のようなことが書いてありました。
みなさまへのおたより
あいどくしゃのみなさま、大へんすずしくなりましたね。みなさまおかはりもなく、なによりと存じます。
さて、第十八回のはい本が出来あがりましたから、お送り申し上げます。
(中略)
秋もいよいよ深くなります。栗拾ひや、茸狩のあひまには、ゼヒ「小學生全集」をごらんになるやうにおすすめいたします。
この本の発行所は文藝春秋社、その住所と電話番号は、
東京市麹町區内幸町大阪ビル二階
電話銀座二四八七番
とありました。この本の見開きのページには次のように横書きで印刷されています。
下集話童藝文本日
編寛池菊
この本は、伯父が父親すなわち私の祖父に買ってもらったものですが、その祖父も伯父もすでに亡くなってしまいました。この本を手にして、これだけがこうして長いこと残っていることに、妙な思いをしています。

古き童話集
#109 『自動車博物館』
米国の自動車博物館に行ったのだが、
自動車が大好きというほどではないこともあって、
ギャングが乗ったという黒い車も、
大統領が乗った大型車も、
屋根のないクラシックカーも、
古いことには感心しても、
乗ってみたい、運転してみたい、とは思わなかった。
しかし相棒は熱心に見て回っていた。
その博物館に古いポスターが飾ってあった。
下の写真が、そのガソリン宣伝広告である。
この広告を見ていて、
ガソリンエンジンから、
薪を燃やして走る蒸気機関を考えた。
さらに、飯を腹一杯食べると4時間は走れる、
自転車に思いは及んだのだった。

ガソリン広告
碁石打つ音
霜月の離れかな
変哲(小沢昭一)

また新年1月1日にお会いしましょう。Have a nice day
暮篤(ぼとく)
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